力強い言葉。34年間、常にFEMALE ENTERTAINERであり続けたMADONNAの【ビルボード・ウーマン・イン・ミュージック・アワード】のスピーチ。

 

「私はドアマットとしてあなたの前に立ってるの。いや、女性のエンタテイナーとしてね」

 

このブログに、この素晴らしいMADONNAの言葉を隅々までしっかり残しておきたいけれど、なかなかすべてを把握は出来ないので、私がWEBで読んだ和訳や、実際YouTubeで見たスピーチから心に残ったことをつらつらと書き記します。

 

彼女は.....

 

デボラ・ハリーやクリッシー・ハインド、アレサ・フランクリンには影響を受けてきたけど、本当のアイドルはデヴィッド・ボウイだった。彼は男性と女性の精神を体現していて、そこがとても私の性に合ってルールなんてないと思えたけど、私は間違っていた。ルールがないのは男子だけ。女子にはルールがあったの。

 

もしあなたが女性なら、あなたはゲームをやらなくてはならない。

可愛くてキュートでセクシーになれるけど、あまり賢くなってはいけない。現状を超える意見なども持ってはいけない。男性がこうあるべきと思う女性になるのです。

 

そして、女性は歳を取ってはいけません。年齢を重ねることは罪です。あなたは批判され、けなされ、間違いなくラジオで曲をかけてもらえなくなるでしょう。

 

サポートしてくれる女性の仲間がいればいいのにと願ったこともあったけど、フェミニストの作家に、私が自分を性的な対象として表現することによって女性全体の立場を後退させているとコメントされ、ああ、じゃあフェミニストにはセクシュアリティがないのね。否定するんだ、と思い、もういいや。私は違う種類のフェミニスト。悪いフェミニストなんだと思ったのです。

 

そして、マドンナは過去10年の間に亡くなった、数多くのポップ・アイコンたちについても触れ、私がこれまでにしたことの中で一番物議を醸すことは、ただ居残ったことかもしれません。マイケルはもういません。2パックもいません。プリンスもいません。ホイットニーもいません。エイミー・ワインハウスもいません。デヴィッド・ボウイもいません。

 

でも私はまだここに立っています。私は運が良かった一人で、毎日自分が恵まれていることに感謝していますと、話した。

 

音楽に携わる女性たちへ...

ここにいる全ての女性へ私が言いたいことはこれです。女性はあまりにも長い間抑圧されてきたので、男性が自分たちについて発言することを信じているのです。仕事を成し遂げるには男性を支えなければならないと信じています。

 

そして支えるに値する素晴らしい男性だって中にはいるでしょう。

 

でもそれは彼らが男性だからではありません。尊敬すべき人だからです。女性として私たちは自分とお互いの価値を正当に評価し始めなければなりません。友情を育めて、同じ立場で考えられて、教えられて、協力し合えて、刺激を受けて、支持できて、そして啓発されるような強い女性を探し求めてください。

 

この賞を受賞したことより、この場で皆さんにお礼を言う機会をいただけたことの方が嬉しいかもしれません。ここに至るまでに私を愛し、支えてくれた人たち……。どれほど皆さんの支えが私にとって大切だったか、きっと分からないでしょう。でも同時に、私を疑った人、否定した人、ひどい目にあわせた全ての人、私に向かって“できない”とか“やる訳がない”とか“やってはならない”と言った人に言いたいです。あなたの抵抗が私を強くし、もっと努力させ、今、このような闘志あふれる人間にしてくれました。私をこのような女性にしてくれました。ですから、ありがとうございました。

 

その他にも、かつてNYに出て来た時のDANGEROUSな回想や、ショーンペンとの結婚、プリンスが網タイツとヒールを履いて、メイクをして、お尻を出していることと同じ事をしても自分はまるで娼婦や魔女と呼ばれ、サタンとも言われた...という語り。

 

 

まずは最初の印象で、スピーチをするとき、足を大きく開いて仁王立ちで前を見据えた姿。すごいなぁ...

 


私とほぼ同世代のMADONNA。

 


彼女はROCKSTARではなく、POPミュージックのアイコン。ディスコティックなサウンドに常に身を置いているFEMALE ENTERTAINER。

 

先日、見たノーベル賞でのパティスミスは、かつて、パンクの女王と言われてきたのに、逆に今は可憐で、ナチュラルで、ストイックで、弱々しく、礼儀正しく、歌えなくなった時、素直に間違いを謝って会場にも受けいられていた姿が印象的だったけど、女性のシンガーのあり方もそれぞれ。


 

MADONNAが But I'm still standing...

 

皆、いなくなってしまったと言って、私は運が良かった一人で、毎日自分が恵まれていることに感謝していますと語っていたけど、それはそれで、彼女は生きながらえることで、まだまだ未知の世界で立ち続けようとしているわけです。

 

早く死んで老けることもなく、伝説の中に永遠に生き続けるSTARたちとは違い、超現役なわけです。

 

彼女がこれから、MADONNAというキャラクターを今のまま持続させていくには、先を見てもあまり時間がないように思えます。ここから彼女が進む道を変化させていくのか、それともどこまでもPOPミュージックの世界に生き続けようとするか...わからないけど、時間は刻々と過ぎていきます。

 

私が記憶しているだけでも、若くして成功した女性POPシンガー達たちが歳を重ねると、常に台頭してくる、より若くてフレッシュな世代のアイコンが束で押し寄せて、押しやられた大御所となる歳頃にはかつてのPOPアイコンはいつの間にか世間的には殿堂入りして、地道な活動をしていても、すっかり表の世界に出てこなくなります。

 

そんな激しい世界で、MADONNAはまだ立ち続けている。

 

だけど、時間がチックタック秒刻みで押し寄せてくることも彼女は理解しているのだと思います。

 

自分も含めて、はじめて体験する、歳を重ねるということが、どんなことになるのか、若いときと違い、何を表現していくことになるのか、見果てぬ世界です。

 

だけど、わかっているのは、それぞれの活動の中で、歳を重ねると言うことは、それを超えて、まだ伸びしろのある最大の表現力を発見し、常に発散し、発揮し、その底力のようなパワーをどこまで持続できるのかが、それこそ、これからの熟年期には必要不可欠になるのです。

 

どんな歌を歌えるのか....

どんな姿になっていくのか....

若いままの姿で一生いれるなんてもちろん思わないけど、心の中では、まだまだ、立ち続けるというスタンスはエネルギッシュでパワフルで、活き活きとしている存在に私は感じております。

 

刺激されるなぁ...

 

あ、そうだ、ここでもうひとつ、かつて、ものすごく勇気づけられた作家、宇野千代さんの老いると言うことについての表現を書き記します。

 

 「幸福は幸福を呼ぶ」から...


私はその頃、もう七十五にもなっていて、眼も少し霞んで、見るものも、ぼうっとしてしか見えなかったのです。
 
或るとき、ひとりでお風呂へ這入ったときのことです。それは、那須にある私の家の風呂場でしたが、その風呂場には、脱衣場に、九尺四方の大きな鏡が、壁面一ぱいに、はめ込んでありました。その鏡の前に、真っ裸のまま、ちょっと腰をひねるような格好をして、前に、手拭いを当てて、立っていたのです。
 
「おや、これは、足もとに、貝殻がおいてないだけで、そっくり、ボッティチェリーのヴィナスの絵のようだわ」
 
と、そう思ったと言ったら、聞いた人は誰でも、頭がおかしいのではないか、と思うに違いありません。しかし、私は、その真っ裸の自分の姿を見た瞬間に、ほんとうにそう思ったのですから、呆れ返るではありませんか。
 
風呂場には、湯気が立ち込めています。七十五歳になった私の裸体にはたとえ、皺が寄っていたり、汚点(しみ)があったりしたとしても、はっきりとは見えないのです。おまけに、七十五歳の私の視力では、何もかも、ぼうっとしか見えないのは、当然です。そうなのです。七十五歳の視力と、風呂場の湯煙りとが、私に、自分の真の姿を見せる邪魔をしていた、あの瞬間が、老齢の私にとって、どんなに幸福であったか。

 

これ、かなり昔に読んだエッセイです。たぶん30代くらい?

 

わぁ、こんな考え方出来たらいいなぁと思って、今でも大切に持っている本なのですが、幸せなんてものは考え方一つ。年齢との自分の付き合い方も気持ち一つで変わる。そこには誰がなにを言うわけでもなく、誰に決められるものでもないという意識だけがあるみたいな。

そして75歳にして鏡の中にボッティチェリのヴィーナスを見いだす、少女のように無邪気な宇野千代さん。スーパー可愛い過ぎる。

 

最近は、やたら世間的に、劣化とか、歳を重ねた事を卑下したりする風潮があり、あれあれ、JILLもおばさんになったよねぇと言われることもありますが、それってやっぱ主観的なことで本質にはあまり関係ないってこと。

別におばさんと言われてもどうってことないけど、自分の気持ちにおばさんを受け止めようとする隙間はひとつもないんだなぁ...自分からそう自分をそう表現したことも嫌なんで絶対しないけど。

ただ、ふとした瞬間、あれ、シワだぁとか、シミだぁとか、あれあれ、老化はどーしようもないなぁと落ち込む瞬間はもちろんあるわけで、なんだか歳を重ねた母に似てきたなぁとか、しみじみ感じちゃうこともあります。

でも誰だって歳は重ねるわけで、永遠に昔のままなんてことはないのです。

 

人の外見を卑下する人は、きっとそれが一番怖いんだろうな。自分の中でとにかくそこに価値観があるのよね。でも自分はどうなの?ってことはポンと棚に上げているわけです。ましてや、ショウビズの世界では、それすら、話題やニュースとなる有様ですからね。MADONNAも心安まるときはないのかもしれません。


「女性は歳を取ってはいけません。年齢を重ねることは罪です。あなたは批判され、けなされ、間違いなくラジオで曲をかけてもらえなくなるでしょう。」

 

心に刻まれましたね。

さぁ、どうやって生きるか!勇気でるなぁ...

 

ありがと、MADONNA、PATTI...CHIYO...

私に今まで影響を与えてくれ続けている女性全てに感謝。

 

 

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キラキラと雪の結晶舞い散るJILLだす。