JILLのPERSONZマニアさんのお仕事場に突撃!シリーズVol.01(仮)

「命を救うための登録・統計のお仕事」

以前、超党派「乳がん•子宮頸がん検診促進議員連盟」設立1周年記念講演会で知り合った、かなりPERSONZmaniaファンの松田さんのお誘いを受け、4月4日に彼の職場である築地の「国立がん研究センター」に単身で勉強に行って参りました。
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松田さんがびっしりとスケジュールを組んで下さって、私のつたない頭ははち切れそうになりましたが、築地でのランチから始まり、13時スタートで17時まで、7つのスケジュールを通してたくさんのいろいろな方々の貴重なお話を伺いました。

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今年平成28年1月1日施行された「がん登録センター」の、全国がん登録室の室長さんが松田さん。

さぁ、それでは、がん登録って?ということで、お話を伺った内容です。


今までにも、登録という意味では、都道府県がそれぞれの自治体内で診断されたがんのデータを集めた「地域がん登録」制度や「院内がん登録」制度があったのだそうです。ただ、都道府県ごとにデータを収集していると、住んでいる都道府県以外の医療機関で診断・治療を受けた人や、がんにかかってから他県に移動した人などのデータが重複する可能性があり、正しい情報が把握できないことが指摘されていて、そのデータ構築では結局、すべての医療機関が地域がん登録に協力しているわけではないということで、すべてのがん患者さんのデータを収集することができなかったのです。

松田さんのいらっしゃる今年スタートした「がん登録センター」は、その今までには、ひとつの形で集められなかったデータを国の法整備として集め、日本のがんの状況を科学的根拠に基づいたデータで確認し、これからの医療に役立てられるように数値データやグラフをまとめて提供するというお仕事なのです。

なぜ、がんになるのか、どんながんが命を奪うのか、予防出来るリスクはなにか…これから必ず高齢化となる日本の未来に向かうためにも「がん対策」が必要ということですね。

がんに罹る人を減らす、がんが治る人を増やす、がん患者のケアを充実させる。それがとても大切なことなのです。

ここで、例として説明されたのが、19世紀のジョンスノウとコレラのお話。コレラの大流行のとき、Drスノウは原因を知るためにマッピングを行い、患者はどこに住んでいて、どこで働いているのだろうとデータを構築したのだそうです。そこで、井戸の水という観点が生まれ、飲み水を媒介してコレラが流行っているのではないかと指摘し、感染源であったポンプを閉鎖し、それ以上のコレラが拡大することを免れたという逸話を語って頂きました。

なるほど!

そうなんです。私も意外でしたが、今までの日本では報告義務のある病気以外は、病院や診療所は診断数を報告しないという現状があり、がんも報告されることがなかったので正確なデータがないままだというのだそうです。そのデータがない状況で何人にひとりががんにかかるとか、何パーセントの確率でがんになるとかというデータが先に推測から言われているのだそうなのですよ。

そして、そのまとまらなかった現状のデータを、ようやく国がすべてのがん情報を一元管理することで、このがんの登録システムが始まったのだそうです。

たくさんのお話の中で、コホート研究というお話も聞きました。これはとても興味深いのです。コホートとは年齢や居住地など、ある一定の条件を満たす特定の集団をさし、総計約140万人の対象者を研究している内容で、1990年から始まったそうです。これによって、どんな生活習慣が病気と関連があるのかを調べ、明らかにすることで、これもがんになる原因を調べることにつながるというのです。ほんと、このデータは参考になりそうです。そうか、そうか、こういうことに気をつけなくては!という生活習慣が喫煙、飲酒、メタボ、食についてなどなどと多々あがっていました。

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松田さんやスタッフの方々からお聞きした、がん登録。ほんとうに今までにない知識となりました。

がんは誰もが罹る可能性のある病気です。そのがんを知ることによって予防方法も学べるし、年齢的に必要な検診も理解できるし、早期発見、早期治療のためにも、がんという病気の知識を得ることは決して無駄ではありません。

資料として見せて頂いた小学校の教材があります。小学生も知識としてこれから学ぶのだそうです。そして、その知識は子どもから親に伝わり、例えば、お父さん、たばこはやめた方がいいよという形で役立つかもしれません。

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がん登録センターの松田さんやスタッフの皆さんから得た知識。私もここに書くことで再度整理しながら、そして、この先になにかの機会をつくりながら大切に伝えて行きたいと思います。


頂いたたくさんの資料の中で「サンキューバトン」という言葉が心に残りました。



現在までの医療が過去のデータによって進歩してきたように、患者さんの大切なデータは未来の家族や子どもさんたちのがん予防や治療などに向けて役立てられる。そんな意味合いがあるのだそうです。将来のために、がんになっても住みやすい社会にバトンを渡していくことを願って、松田さんたちは、これから先も膨大なデータ収集と統計を担って下さるのだと熱い気持ちになりました。

命をつなぎ、救うための登録と統計。

全国の病院の情報が集められ、そのデータを記録することによって、未来のがんと闘うことが出来るかもしれないのです。19世紀のジョンスノウとコレラの話しのように。

PERSONZのファンであり、ご縁があって貴重なお仕事場でお話を聞かせて頂いたこと、心から松田さんに感謝致します。

彼の仕事場は命をつなぐハードな現場。やるせなくなるときもあるけれど、頑張っている患者さんたちを見ると自分も負けちゃいけないと思われるそうです。

そんな心にPERSONZの曲は輝きながら力強く響くのでしょう...

これからもこんな出会いがあって、ご縁があって、私がPERSONZのファンの方々のお仕事場にひょっこりお邪魔できたら、いろいろな知識を得ることができるという可能性を知りました。

世の中にはいろいろな職種の方々がいらっしゃる。

私はいつもはPERSONZファンの皆さんに音楽を向けて発信しているけど、それとは逆に、もっと自ら外へ飛び出して、リアルな世界を肌で知ることも私の音楽人生には必要だと感じています。

そんな世界をもっともっと見てみたい!と思える経験でした。

(なので、全部書き終えてから仮タイトルつけさせて頂きました!お仕事場に突撃シリーズに、ご要望あればオフィシャルの右上のコンタクトフォームからリクエストをどーぞ(^_-)-☆ ご要望は検討させていただきまーす!このシリーズ続くかな....)

松田さん、ありがとうございました!


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追記:たくさんの資料と情報を教えて下さった「がん対策情報センター」のセンター長さんが(上の写真です)皆さんに是非お伝えして下さいと語られていたので、ここに追記します。

がん登録センターの情報サービスがあります。ネットでは ganjoho.jp です。ネットがない方には相談窓口が、各地のがん診療連携拠点病院にあるそうです。ここではがんに関するどんな相談も無料で受けてくれるのだそうです。がんに対して自分が抱える治療や療養に関する不安や、がんのご家族やご友人を支えるためのご相談など、看護師さんやソーシャルワーカーさんが親身に対応して下さるとのことです。 0570-02-3410(ナビダイヤル)平日10~15時