夕暮れ時。
私にとっては、ライブがあるかないかでは、大きく違う瞬間です。
ライブがあるときは夕暮れ時がライブなので、のんびりしている時間はありません。すべてはライブへの思いだけ。
だけど、今はオフタイム!
そんなときの夕暮れタイムは別格のものでございます。
これから、徐々にゆっくりと静かな夜に向かう前のひとときです。
でも、オフタイムながら、夕暮れと共に目の前にあるのは、家族のケアのラストスパートと相成ります!これが過ぎなきゃ静かな夜はやってこない!
普通、仕事が立て込んでいない日であれば、夕暮れタイムはお風呂の仕度をしたり、晩御飯の仕度をしたり、朝からいろいろと公私混同で動いてきた一日が、仕事の終結と、私生活の間で、まさにあれこれと交差しながらも、ゆっくりと終息に向かう一歩手前のひとときなのです。
そんな時ね...
何気にふわぁーとする気持ちで外を眺めると、今日みたいに一日中鬱陶しい雨模様のお天気がガラッと変わって、急に日差しが差し込み、街中が黄金に染まる瞬間があります。
しばし、見とれる。
ほっとする。
わぁーっと思う。
あ、カメラ、取って来なくちゃ!と、思う。
そして見とれながらパチリ。
心安まるひととき。
だけど、ほんと、それは....ほんのひとときです。
そして、そのひとときが過ぎてからは、家族での夕食があり、会話を楽しみながら食事をして、食後は片付けをして、家族はバラバラのことをする時間があり、私も仕事の続きか、プライベートのことに費やす時間がやってきます。
私が撮影する「夕暮れ」は、そんな時間。
そんな時間なんですねぇ。
一瞬を逃すと、太陽はすぐ逃げてしまう。
なので、なんとか夕暮れをタイムリーにキャッチ出来たときは、それこそ、ルンルン!浮き足立ちます。そして、そのあとに、やっと静かで素晴らしい夜が訪れるのです...
YEAH!
なんだか、この詩を思い出しました。
「動作」
ジュール・シュペルヴィエル
その馬は振り返って
だれも見たことのない物を見たが
すぐに牧草を食べ続けた
ユーカリの木の下で
それは人でもなく木でもなく
牝馬でもなかったし
葉叢(はむら)の上にざわめく
風のなごりでもなかった
それは別のある馬が
二百万年も前に
不意に振り返った時に
見たものだった
それを見ることはないだろう
人も 馬も 魚も 虫も
大地がもはや彫像の
残骸にすぎなくなって
腕も 脚も 頭もなくなる時まで