梅雨だというのに...なんという真夏日。
とにかくカァーっと晴れたお天気続きですね。

そんな中、今日は日ざしが高くならないうちにと
午前中早々にトレーニングに行って参りました。
だけどほんとアッチーです。

なにせ、行きは早朝だからなんとかなるんだけど、帰りはちょうどお昼時。
太陽がちょうど真上にあるわけです。
自転車飛ばして風は気持ち良いけど、照りつける日ざしはスゴイもんです。

ここ数日、実はいろいろあってなかなか落ち着かなかったんだけど、
今日は平常通りトレーニングをして、シャワーを浴びてホッ。
やっとサロンを時間をかけて書けるに至りました。

さて、落ち着いて....まず、私の持っている本....
実は、ここ数日、この本に心を震わせていたのですよ。
ある日、私のもとにメールがやってきました。
この本を書かれた著作者からです。

そのメールに書かれていたのは彼女が10年前にホスピスの看護師として
出会った患者さんのことでした。
亡くなられたその患者さんは生前「sayonaraは言わない」を
自らのお葬式の式歌としてお選びになったそうです。

『死は最後ではありません、またいつか笑顔で会いましょうね』
というなぐさめのメッセージとして。
歳月を経て、悲しみを超えて、この作者は彼女とのこと、
そして壮絶な病との闘い、そして死への恐怖に果敢にも向き合い
亡くなられていった末期癌の患者さんのリアルな生きた証を本になされました。

その本が、またそこから月日を超えて私のもとに届きました。
時間の動きの不思議さ。ご縁の不思議さ。
曲との不思議なリンク...いろいろなことがミックスされて今、この時期に、
この本は私の元にやってきてくれたんだと思います。

直々に作者から送って頂いた本は届いたその日に一気に読んでしまいました。
「sayonaraは言わない」の出てくるエピソードには付箋が貼られていて
作者の優しい気持ちが伝わりました。

ただ、内容はつらい部分もたくさんありました。
なによりも癌と闘いながら最後まで凛とした態度で亡くなっていった患者さんの心の葛藤。
ホスピスという通常の医療とはケアの違う状況で、死を宣告された患者さんを
看護する方々の痛み、つらさ。

遺されたご家族やご友人、恋人の方々の引き裂かれた心。
途中、胃がヒクヒくするくらい読みながら涙がこみあげてきて、何度も何度も、
押さえても押さえても涙は止まりませんでした。

その後、今に至るまでに作者の方とはメールをし合ってきましたが、ご臨終のとき、
そしてお葬式のとき「sayonaraは言わない」が流れ、
この曲は、そこにいた方々を癒してくれていたのです....と優しく語って下さいました。

ここ数日、私の中に届いたメッセージは、また、新たに、音楽の力を
心底感じさせてくれました。

前にもサロンに書いたし、サロンの本にも収録されているので
わかる人はわかると思いますが、
2002年に亡くなってしまった吉見さんの本「余命宣告」にも書かれているように...

「気分が落ち込んだときは音楽を聴くことにしている...
PERSONZのメッセージはいつも一貫している。
夢はかなえるもの。夢はつかむもの。
そう、あなたの中にも必ず夢を叶える力がある、だから信じて。というメッセージ。」

彼女が書いてくれたように、彼女はやはり病と闘いながら音楽を心の支えにしてくれたのです。

不治の病「肺リンパ脈管筋腫症」に冒され、常に死の影を感じながらも、
可能性に賭け、日本初の脳死肺移植の手術を受け、
私たちのライブにこれるまで回復していた吉見さんの中にも
「departure!」の中の歌詞が響いたのだと、勇気につながったのだと、
あの時、やはり音楽は人の心を救うのだと感じたことを今でも覚えています。

今回、この本と共に私のもとにやってきてくれたエピソードは、
私たちの曲を自ら自分のお葬式のときに選んで亡くなった
患者さんのお気持ちがとても思いがけず、
その思いの中に、この曲は彼女にとっても、遺された方々にとっても、
きっと、この先、生きて行く力、見出せる希望、
そして、何よりも彼女が生きていた人生のかけがえのない思い出の源として、
皆さんの中で存在していたことがなによりも心を震わせたのでした。

作者さんは、私とのメールを通じてこう語っておられます。

「私は、この本を介して、彼女が生きた証として、そして、親として、子として、
恋人として愛するものを遺して逝かねばならなかった方達の残されたいのちの輝きの
ほとばしり、そして、愛の深さをより多くの方に感じていただきたいのです。

そして、「今、生きている、生かされている」「いのち」を大切にして幸せに、
その「いのち」を生きてもらいたい。「sayonaraは言わない」その歌詞に秘められた、
死別の苦しみをも超越することのできるメッセージを多くの方に伝えたいのです。」


心からこのメッセージが届いたことを感謝致します。

彼女がこの気持ちと同じくおっしゃっていたように、
この本はとてもリアルでつらい部分もありますが、
読み終えたあとは、不思議な気分になります。

悲しみだけではない気持ちが伝わります。命を考えるときあれば、
是非、PERSONZのリスナーも読んでみて下さいね。

私にとって、この夏、自分でもアコースティックギターでこの曲を歌っていただけに、
今、この曲がまた新たなドラマと彩りをもって広がりつつあります。

ライブでピンと張り詰めた一筋の光として放てる時を何よりも待ち望んでいます。

そう、でも、ほんとうにご縁は不思議なもの。
私の敬愛する日野原先生がこの本(「ま・た・ねーがん終末期の患者さまがくれた贈りもの
ー作者;滝沢道子さん」の表紙の帯に写っていらっしゃる!
彼女が勤められていたホスピスはなんと!
日野原先生が創られた「ピースハウス」だったのです。

今年の春、3月1日にも書いたけど、
音楽療法士を推奨なさっている先生の本を読みあさった時がありまして、
音楽が人を癒すということを勉強したく「音楽力」や「標準 音楽療法入門」
「モーツァルトで癒す」などを読んだんですが、
ほんとうに人間としての愛情にあふれ、
医療を使命となさって96歳を超えてもご尽力なさっている姿には心打たれます。

以前、テレビで万里の長城をご自分の脚で昇られたお姿を見た時には感動致しました。
先生を思うと、たかだか40代で、あれこれ悩んでたりする自分が赤ちゃんのように思えます。

それにこんなに素敵な歳の重ね方もあるのだと、
やはり生き甲斐をもつことは何よりだとも思います。

きっとこんな風にご縁を感じられるのも、
この本が導いてくれた出逢いのはじめなのでしょう....

道子さん、たくさんの出逢いをありがとうございます。
この思いを必ず歌に伝えていきます。
皆さんにも、この思いが今日のメッセージから、そして、来月のライブで伝わりますように...