FORD F-150 RAPTOR DIYでフロントショックアブソーバーオーバーホール
うちのラプンツェルさん(F-150RAPTOR)ですが、どうやらショックが抜けてしまっているようでバネの収まりが悪いんですよ。
高速道路なんかでギャップを拾うと、そりゃもう危ね~程にバインバイン跳ねます。
それがカーブの途中だったりすると、隣の車線まで飛んでっちゃうんじゃないかっつーくらいに盛大に跳ねまくりです。
このままじゃあ~危険が危ないので、ショックアブソーバーをどうにかしなきゃいかんざき。
そこで、ebayで新品の値段を調べたら前後で30マソ円以上するじゃんか。
シナのパチモンですら20マソを越える。(つーかパチモンがあるんだ・・・)
そうそう、FORD純正チューンドカーのラプターは、標準でFOXのショックが入っているから高いんだよね・・・。
そしたらば。
FOXのショックは元々オーバーホールができる構造になっているらしい。さすが合理的なアメリカ。
そこで、オーバーホールを引き受けてくれるショップを探してみたんだけども。
ラプンツェルさんを買ったアメ車ショップは不可。
近所のSUV専門店は、自社で販売したFOXショック以外は取り扱っていないと。
北海道の有名(らしい?)FOXショック取扱店(チャンピオンの店?とかなんとか)は問い合わせメールも無視された。
もう、仕方ねえ~。やるか、DIY。
アメリカからオーバーホールキットを取り寄せて、作業に必要な工具を調べて持っていないものを調達。
さて、やります。
まずはフロントから。
ジャッキアップして、クッソ重たいタイヤを取り外し。
ラプンツェルさんのフロントサスペンションはダブルウィッシュボーンなので、知恵の輪みたいになっていてショックの取り外しが面倒なんだよね。
以前乗っていたインプレッサなんかはストラットだから超カンタンだったし。
ナックルを外したときにブレーキラインやABSセンサーの配線が突っ張らないように、ステーや固定部を取り外し。
上の部分は元々はクリップで留まっていたんだけど、以前の作業でクリップを折ってしまったのでタイラップ留めにしてあります。
ナックル上部のボールジョイントのナットと、スタビライザーリンクのナットを取り外し。
ナックルがガコンと落ちないように、ナットは軽く掛けておいてから基部をハンマーでブン殴ってボールジョイントからナックルを外します。
タイロッドのボールジョイントを外します。
ハブのセンターにある、ドライブシャフトを固定しているナットをとりはずして、ドライブシャフトをフリーにします。
ショックのロアマウントのボルトを引っこ抜きます。
このナット、デカい上にネジロックバキバキでクッソ固いです。
アッパーマウントのナット3か所外しますが、下からだと狭いです。
エンジンルーム側からやればやりやすい。
一気に全部外しちゃうとショックが落下するので、いちばん外側の1本はナットを軽く掛けておいて、下からショックを支えながら最後のナットを外します。
バールでコジりながらショックアブソーバーが外れました。
あとで組みなおすときに位置がおかしくならないように、アッパーマウント・スプリング・ブラケット・ロアマウント部にマーキングをしておきます。
クッソ重たい車重を支えるために、バネもクッソ硬いです。
インプレッサで使っていた手持ちのスプリングコンプレッサーじゃ負けちゃって、締めるとボルトが曲がっちゃう。どうにかアッパーマウントを外せるくらいにはバネを縮められた。
ショックアブソーバーを分解していきます。
まずシリンダーキャップのブリードバルブを緩めて内圧を抜きます。
緩めすぎるとバルブが飛んで戻せなくなるので要注意。
オイルに気泡が混じっていますね。これも減衰力が弱くなる要因のひとつです。
そしたらシリンダーキャップを外すんですが、ガッチガチに固着してビクともせん!
クラッチホールディングツールでやろうとしたら、工具が負けた。
強力そうな油圧シリンダー用のグランドナットレンチを買って、再挑戦。
レンチ2丁掛けで立ち向かうも、ビクともせん。超絶固てえ!
コイツを倒すのにはバチクソ苦労しました。
レンチの先端のピンは曲がるわヒンジのボルトは折れるわ。
曲がったピンと折れたヒンジのボルトはステンレスのボルトに交換して再挑戦。
レンチは柄を鉄パイプで延長、縦だと力が入らないのでショックは寝かせて固定して、壊す覚悟でフルパワーで体重を掛けて挑んだら、「バキン!!」という衝撃と共にようやく回った。
やれやれ、手間ぁ~掛けさせやがって。
ようやくピストンが抜けました。
インナーチューブが落ちないように気を付けながらオイル排出。
臭っせーオイル。シャバシャバで粘度ゼロ。
インナーチューブを抜き取ります。
ガス室のゴム栓を留めているイモネジを取り外します。
一気に外すと窒素ガスの圧力で飛んでっちゃうのでじわじわと。
シリンダー底部の、ガス室のフリーピストンを棒などで押し込んでやります。
フリーピストンの抜け止めのスナップリングを、長いドライバーなんかで溝から外して引っ張り出します。
これこの通り。
ゴム栓を外した穴からエアで圧を掛けてフリーピストンを取り外します。
パアン!と勢いよく飛んでくるので、シリンダーは必ず下向きで。
だいたい分解できました。
今回は面倒なのでピストンのシムは分解しない事にします。
臭っせーオイルが付着しているので、ひと通り掃除します。
アメリカから取り寄せたオーバーホールキット。
Oリング類を交換していきます。
ガス室は、ゴム栓からガスの補充など管理しやすいシュレーダーバルブに交換です。
シリンダーの底で奥まっているところのフリーピストンは、そのままでは装着できません。
スライダーを巻き付けながらインナーチューブに押し込みます。
フリーピストンを下にしてシリンダーに挿入。
棒でフリーピストンをガス室に押し込みます。
インナーチューブを一旦抜き取り、フリーピストンの抜け止めスナップリングをガス室の溝より深くまで押し込みます。
エアでガス室に少し圧を掛けてフリーピストンを押してやると、クリップも押されていって溝にパチンとはまります。
インナーチューブを挿入。
オイルを注ぎます。
FOX純正オイルは高価だし入手しづらいので、今回はヤマルーブサスペンションオイルを使います。
FOXのオイルだと粘度は7.5wtらしいけど、メーカーによって粘度表記がまちまちなので、ヤマルーブだとG-10がちょうどよさそうです。
550mlほど注入してシリンダーキャップを締めます。
気泡が混じったオイルを排出するためにブリードバルブを緩めておきます。
ガス室に窒素を充填します。
今回使うのは窒素ゲージ、窒素ガスカートリッジ、自転車に使うCO2インフレーターです。
窒素ゲージもなかなか見つからなかったので、アメリカから取り寄せました。
240psiまで加圧します。
あとはスプリングとアッパーマウントを戻して、車体に取り付けて作業完了。
やれやれ、1本作業するのにまるまる1日掛かっちまった。
(しかも、当初シリンダーキャップが緩められずに1回作業をあきらめて車体に戻してるから、実質2日間)
週末ごとに1本やって、全部終わるのに1か月掛かりますなあ~。
動画その① ショックアブソーバー脱着
動画その② ショックアブソーバーオーバーホール