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    「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

 

公的懸賞金制度の一律化について

  次に、第二次犯罪被害者等基本計画に関連して、公的懸賞金制度の一律化について、意見を述べさて頂きます。

  本件につきましても、殺人事件被害者遺族として素直な思いから意見を述べさせて頂きます。公的懸賞金制度すなわち「捜査特別報奨金制度」については、警察庁主管につき、法務省の直接事務ではないと存じますが、被害者遺族の思いを汲み取って頂きたく発表させて頂きます。

  公的懸賞金制度については、20075月から始められ、「宙の会」の「八王子市スーパー店内殺人事件」及び「柴又3丁目女子大生殺人放火事件」や「世田谷一家4人殺人事件」等も対象となり継続されております。

  

  本件制度は、社会環境の変化の中で、連帯意識の希薄化や通信手段の発展による匿名化の高まり、さらには交通手段の発展による広域化等、捜査の困難性の中から導入された制度と理解しております。

  事件解決のためには、いわゆる情報をお金で買うという時代と割り切り、また、事件を風化させない・犯罪を許さない・必ず逮捕するという正義感の発露、犯人に対するメッセージとして有効と考えます。

  しかしながら、街中の指名手配ポスターを見て、あるポスターは「1000万円」、あるポスターは「300万円」という懸賞金を見て、違和感を覚える国民も少なくないと思われますし、遺族にとってはとても心揺れるところです。

  制度として、設置した趣意そして条件、被害者遺族感情を含めてよくよく検討されている結果とは存じますが、殺人事件被害者の人間の命に「格差評価」はないという思いから致しますと、懸賞金のつかない多くのポスター被害者の遺族は辛い思いもあります。遺族の中には何とか私的懸賞金を準備し、当局に公的懸賞金を付けてもらうため何度もお願いしている方もおります。

  制度の設置理念を考えるならば、一律殺人事件被害者一人に上限1000万円という公的懸賞金のつく制度にはならないのでしょうか。これまでの懸賞金のついた事件の情報による解決率、上限1000万とした場合における事件内容から詳細な基準の設定等を盛り込んだ制度の構築は、決して不可能と言える対策ではないと判断いたしますがいかがでしょうか。そもそも事件情報を提供して報奨金をいただけるという権利は存在してないと思いますので、その判断は、当局の自由裁量の領域と思われ、報奨金の多寡を争う等、一律懸賞金に対する国民側の問題点は少ないのではないでしょうか。

  懸賞金のついていない遺族の心情を察して頂き、検討の俎上にぜひ乗せて頂きたいと願います。

6 「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

   犯罪抑止施策に対する実効性の確保について

   最後に、第二次犯罪被害者等基本計画に関連して、犯罪抑止施策に対する実効性の確保について、意見を述べさせて頂きます。

   一連の犯罪被害者対策については、基本計画に基づいて、その施策については着実に前進が見られると評価しているところです。

特に「宙の会」としては、設立趣意そして活動の第一目標に「公訴時効制度の廃止」を掲げて発足したところ、1年後に廃止法案の成立に至り、正義の力というものを心強く実感として受け止めました。

   中でも、やはり法務省当局の、勉強会それに続く中間発表、そして法案における遡及を盛り込んだ内容、かつ法案成立と同時に施行という流れに、「宙の会」としては法案成立場面の国会に臨んだ報道写真に尽きますが、感動の涙を拭う笑顔の中に、法務省関係者への敬意を心から表したところです。

   基本計画そして法案整備、最後は実効性の確保を考えるとき、そこに携わる方々の対処の一点に尽きると思います。基本計画の「今後講じていく施策」の一つ一つが、そこに携わる当局の担当者の真剣さに繋がって行けば、大きく前進することと存じます。

   他方、被害者側として、当局の真剣さに向かい合う中、弱者としての権利の主張の一方、被害者側として為せる真剣さも求められていると認識しているところです。

   被害者側にとって、それぞれの思いがある中、自分たちと同じような被害者側に立って欲しくないという願いは、共通認識として皆さん心に含んでおります。

   その点から、「宙の会」としては、会員の多くが「命の大切さを学ぶ教室」において、中学生及び高校生に対し、又は大学ゼミや地域社会において、犯罪抑止のために遺族の思いを伝えております。

   また、ここに出席している小林代表幹事は、放火焼失した自宅敷地を地元消防団の事務所兼資材置場として提供しております。同じく藤堂幹事は、事件現場の木造2階建て住宅の一部を、地元町会の会議・連絡場所として提供しております。

   

   このように「宙の会」としては、東京の事務局をはじめ、札幌・金沢・名古屋・広島・福岡支部を中心に、また、英国人留学生事件の遺族ビル・ホーカー幹事とも活動内容を伝えながら、それぞれの立場で為せることを果たしつつあります。

   基本計画に網羅された施策に実効性が伴えば、被害者対策は飛躍的に向上することと確信するところです。

   そのためにも、冒頭申し上げた「殺人事件の損害賠償判決に対する「代執行制度」の確立について」は、先の第174国会法務委員会において、本件に関する質疑の中で、当時千葉国務大臣が次のような答弁しておりますので、ご確認を兼ねて一部引用発表させて頂きます。

  「民事上の損害賠償請求というのは当事者が行う制度になっておりますので、直ちにこれを使うということはなかなかできませんけれども・・・ご指摘がありました損害賠償を国が代わって行うような、こういう課題を含めまして、今後、関係省庁と協議、検討をして参りたいと考えております。

~犯罪被害者の皆さんの経済的、精神的な支援をどうしていくかということはこれからも考えていかなければなりません。基本計画の改定等もございますので、そういう中の議論も含めて、そして国が賠償して求償するというのは本当に一つの大きな考え方だというふうに思いますので、ぜひ今後の検討の重要な材料にさせていただきたいと思います。」

 「宙の会」としては、千葉元国務大臣の言葉を支えとして、引き続き関係省庁の協議・検討を注視しております。

最後に、只今申し上げた意見発表内容にご配意賜ることを心からお願い申し上げ、一方、「宙の会」として、殺人事件の減少に向けて、果たせる犯罪抑止活動の継続を表明して、意見発表とさせて頂きます。

                              以上              

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