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7月6日法務省ヒアリング主題に対する意見発表項目



第一 法務省ヒアリング主題



○「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」に関して

心情の意見陳述の対象者の範囲拡大

被害者特定事項の秘匿制度

被害者等による公判記録の閲覧及び謄写の要件の緩和及び対象者の拡充

被害者参加制度

損害賠償請求に関し刑事手続きの成果を利用する制度



○「第二次犯罪被害者等基本計画」に関して

被害者参加人への旅費等の支給に関する検討

被害者参加人のための国選弁護制度における資力要件に関する検討



第二 「宙の会」意見(案)

 1 主題:「5損害賠償請求に関し刑事手続きの成果を利用する制度」に関連して

    殺人事件の損害賠償判決に対する「代執行制度」の確立について



 主題:「4被害者参加制度」及び「7被害者参加人のための国選弁護制度における資力要件に関する検討」に関連して

 ○ 国選弁護人付与の被告事件に対する被害者参加人のための国選弁護人制度の確立について



 3 主題:「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

   ○ 公的懸賞金制度の一律化について



 主題:「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

   ○ 犯罪抑止施策に対する実効性の確保について




{意見発表内容}



1 はじめに

  殺人事件被害者遺族の会「宙の会」の土田猛と申します。先ずは、「宙の会」に対して意見発表の機会を賜りまして、心から感謝申し上げます。

  私からは、今回の法務省ヒアリング主題に対する「宙の会」意見として、次の4点を中心に意見を述べさせて頂きます。

   主題:「5損害賠償請求に関し刑事手続きの成果を利用する制度」に関連して

   ○ 殺人事件の損害賠償判決に対する「代執行制度」の確立について

② 主題:「4被害者参加制度」及び「7被害者参加人のための国選弁護制度における資力要件に関する検討」に関連して

 ○ 国選弁護人付与の被告事件に対する被害者参加人のための国選弁護人制度の確立について

   主題:「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

   ○ 公的懸賞金制度の一律化について

   主題:「第二次犯罪被害者等基本計画」に関連して

   ○ 犯罪抑止施策に対する実効性の確保について

 の項目で発表致します。



2 「宙の会」の設立趣旨及び活動内容等について

  発表に先立ち、意見の根底となる「宙の会」の設立及び活動趣旨について申し上げます。

  「宙の会」は、3年前、平成21年2月28日、殺人事件被害者遺族の会として設立致しました。設立当初は16事件、現在は19事件の遺族が参加しております。(「正会員事件名簿」参照)



 遺族には、本日参列しております

 ・ 平成8年9月9日発生の「柴又3丁目女子大生殺人放火事件」の小林賢二さん

   小林さんは「宙の会」の代表幹事を務めております。

 ・ 平成12年12月30日発生の「世田谷一家4人殺害事件」の入江杏さん

同事件の遺族、宮澤良行さんが「宙の会」会長を務めております。

 ・ 平成13年2月17日発生の「福岡東区老夫婦強盗殺人事件」の藤堂早苗さん

をはじめ、「八王子市スーパー店内殺人事件」及び「英国人女子留学生殺人事件」等、社会的関心の高い遺族が「正会員」として参加しております。そして、支援者として国民の「賛助会員」及び運営自体に貢献して頂いている「特別賛助会員」(71日現在50名)によって構成されております。

 なお、私は、特別参与として、元警視庁警察官の立場から活動に参加しております。



「宙の会」の設立趣意は、「遺族の思いは年月を経ても決して薄れることはない、時効制度を廃止し、人を殺害したら厳刑に至る条理を確立していただきたい」を柱に、「 時効制度の撤廃及び停止の実現」及び究極的には「殺人事件の減少」を掲げ活動を展開致しました。

 結果、法務省の公訴時効制度の施策に対する積極的な取組み、さらに、他の犯罪被害者団体の熱心な活動も加わり、一昨年:平成22年4月27日「公訴時効制度廃止法案」が成立致しました。

 ここに、「宙の会」としては、当面の最大の活動目的を達成致しましたが、引き続き究極目標の殺人事件を一件でも減らしたいという思いから、民事面にスポットを当てた次の活動に入っております。



その活動方針は、犯罪に対する「償い」を求める制度は、民事面においても賠償すべき制度が確立してこそ、法理念の両輪が保たれ究極的に秩序の安定が図られるという考えの下、加害者に対する賠償責任の実効性を求めております。

しかし、民事面における現況は、特に、殺人事件に対する賠償について、極めて実効性が乏しい状態と認識しております。



私たちは、素直な思いで、かけがえのない生命を奪ったら、それ相応の責任を果たす、そして生命に通じるかけがえのない財産をも失わせたら、やはり相応の責任を果たすという条理が保たれてこそ、社会の秩序は維持され、社会規律として犯罪抑止にも繋がっていくものと確信しております。



「宙の会」会員の一例を申し上げます。


平成2年に北海道札幌市内において、札幌信用金庫に勤めていた生井宙恵さん当時24歳が、帰宅途中自宅近くで、近くに住む青年に殺害されました。指紋等の証拠から、すぐに被疑者が判明して全国指名手配となりましたが、15年を過ぎ、平成17年に公訴時効を迎えてしまいました。時効前に父が亡くなり、母と妹さんが、犯人特定の証を残したい一心から、民事訴訟を起こし、約7,500万円の賠償判決を得ました。

しかし、相手は未だ所在不明、最近でも仙台に似ている人がいる、地方の飲食店で働いているなどの情報があり、警察に相談するも、警察は時効になっているので捜査はできないという。仮に相手の所在を確認しても、賠償判決の実効性を期すためには、弁護士を依頼して、相手の資産を調査し、民事訴訟に持ち込む方法しかありません。このように、裁判所が国家の処罰権として国民に代わる制裁権を示しながら、実効性が全く伴わない実態となっております。




今回の法改正で、損害賠償命令制度が導入され、かつ仮執行宣言の強制執行まで踏み込んだ流れになっており、請求の手続き面及び相手が異議を唱えなければ、実効性は期待できる形にはなっておりますが、実情は未だ限りなく実効性に乏しい状況になっていると判断せざるを得ません。




3  殺人事件の損害賠償判決に対する「代執行制度」の確立について



そこで、宙の会として、 殺人事件の損害賠償判決に対する「代執行制度」の確立について、検討をお願いしたいと存じます。



 只今ご報告致しましたように、公訴時効制度が廃止となり、刑事法面における「償い」への制度は確立致しました。

しかし、民事法面における現況は、損害賠償命令制度により手続き面の措置は簡素化されたものの、実情は引き続き個人で闘わなければならい状況にあります。

人を殺しても、捕まらなければ民法第724条の賠償請求権は消滅してしまう。また、捕まっても、20年過ぎていればという問題と、当事者能力から賠償不可能、又は居直る等意図的に拒むという問題もあり、被害者遺族の苦悩はずっと引きずる余地が改善されてない状況と言えるのではないでしょうか。

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