知らないだけで損をする交通事故被害者が知るべき情報

交通事故の被害者になった場合、被害者がこうむった事故による損害は、相手方の損保会社に請求ができます

示談が成立すると、損害賠償金が相手方の損保会社から被害者に対して支払われます。

 

ただ、加害者と被害者の主張が対立して交渉が長引いてしまった場合、損害賠償請求権の消滅時効があることを頭に入れておきましょう。

 

今回は、交通事故の被害者が知っておくべき損害賠償金について、注意すべきことをわかりやすく説明していきます。

  交通事故の損害賠償請求権とは

 

・損害賠償とは

第709条 不法行為による損害賠償

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

第710条 財産以外の損害の賠償

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

出典・引用元:e-GOV法令検索『民法』

 

交通事故によって破損した車の修理代、代車代、治療費、通院費、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料や逸失利益などが損害賠償に該当します。

 

人身事故では、財産的損害だけでなく、精神的損害も加害者側に請求が可能です。

 

・損害賠償請求権とは

加害者に対して損害賠償を請求する権利になります。

交通事故の被害者や相続人が賠償権利者となります。損害賠償請求権には消滅時効があるため、法律で定められた期限までに請求しなければなりません。

 

  損害賠償請求権の時効までの期限・起算点

加害者側の損害保険会社への損害賠償請求権には時効があります。

時効までの期限や起算点は事故の種類によって異なります。

2020年4月1日より損害賠償請求権に関するルール変更がありました。

 

・不法行為に基づく損害賠償請求権

<民法改正前>

損害および加害者を知った時から3年以内であり、かつ不法行為の時から20年以内

<民法改正後>

①物損事故の損害賠償請求権

→改正前と同じ

②人身・死亡事故の損害賠償請求権

→損害および加害者を知った時から5年以内であり、かつ不法行為の時から20年以内

・事故の種類と時効までの期間

物損事故:3年

人身事故:5年

死亡事故:5年

 

民法改正前は、物損事故も人身事故も、損害賠償請求権を3年間行使しない場合は消滅すると定められていました。

しかし、民法改正後は人身事故の損害賠償請求権の消滅時効が5年に延長されています。なお、物損事故は変わらず3年のままです。

 

事故の種類によって時効までの期限に違いが生じたことで、同じ交通事故でも損害賠償を請求できる期限に違いが出てきます。物的損害は3年間、人的損害は5年間となるため、被害者としては注意しておく必要があります。

 

交通事故で相手がわからない場合の消滅時効の期間は、最長20年でになります。その間に加害者が判明すれば物損事故なら3年、人身事故なら5年の期間が適用されます。

 

 

自賠責保険への被害者請求権の時効は「3年」

 

加害者側の自賠責保険会社へ被害者請求する場合、時効までの期限は3年間。

傷害の場合は「治療を終えた日」が起算点となります。

損保会社への損害賠償請求権の時効や起算点とは異なるので注意しましょう。

 

 

  損害保険会社との交渉が長引きそうなら〇〇へ相談しましょう!

・損害保険会社との示談交渉が長引いた場合

相手方の対応に納得できない場合、示談は保留しましょう。

「時効の更新」または「時効の完成猶予」の手続きをおこなうことで、期限延長が可能です。

 

「時効の更新」は、時効の経過をゼロにして初めから進行させること。

「時効の完成猶予」は、時効の進行を一時ストップさせることです。

 

こうした手続きを個人が対応するには負担が大きいため、交渉が長引く場合は弁護士へ相談することをおすすめします。

 

まとめ

 

交通事故の被害者は加害者側の損害保険会社に対し、車の修理費、怪我の治療費や慰謝料といったさまざまな損害賠償を請求可能です。

しかし、損害賠償請求権には時効があり、物損事故なら3年、人身事故なら5年以内に請求権を行使しなければなりません。

 

損害保険会社との交渉が難航し解決に時間がかかる場合、損害賠償請求権の消滅時効を意識する必要があり、場合によっては時効を延長する手続きをとることになります。

 

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