心の中の大切な光を失ってしまう前に…
十善戒(じゅうぜんかい)は、仏教における十悪(十不善業道)を否定形にした十の戒(いましめ)です。
私たち人間の行動は、「動作」「言語」「精神」の三つから成り立っています。
仏教では、それらを煩悩(三毒:貪瞋痴)の原因とみなします。
※ 身業(しんごう):動作(身体)でつくる煩悩、口業(くごう):言動でつくる煩悩、意業(いごう):心でつくる煩悩
換言すれば、十善戒とは、毎日をどのように過ごせば、幸せに近づくのか、また、幸せが近づいてくるのか、幸せを手にするための10の実践法といえます。
つまり、煩悩(苦しみや迷い)から解放された安楽な境地になるための教えです。
対人関係や金銭面でのトラブル、病気やケガや事故、将来の不安や迷いや憂い、そうした煩わしい事柄から解き放たれ、おだやかな毎日、安らぎの日々を過ごすことができるようになる、そのための大切な教えです。
具体的には以下のような行為を戒めています。
● 身業(しんごう)
不殺生(ふせっしょう):殺生をしない
不偸盗(ふちゅうとう):盗みをしない
不邪淫(ふじゃいん):淫らな男女の関係をもたない
● 口業(くごう)
4. 不妄語(ふもうご):うそをつかない
5. 不綺語(ふきご):うそを広めない
6. 不悪口(ふあっく):人を中傷したり、乱暴な言葉を使わない
7. 不両舌(ふりょうぜつ):仲違いさせるようなことを言わない
● 意業(いごう)
8. 不慳貪(ふけんどん):欲深くほしがらない
9. 不瞋恚(ふしんに):怒り恨まない
10. 不邪見(ふじゃけん):間違った考え方をしない
人は、苦しみの世界に迷い込むと「三毒」(貪瞋痴)がさらに肥大し、心に覆いかぶさり、心の中の光をどんどんと失います。
宇宙の真理や神仏の真実の姿・実相はもちろんのこと、本当の大切なものが一切、まったく見えなくなります。
そして、やがて三毒(貪瞋痴)によって、さらに苦しみの世界が次から次へ襲ってきます。
疑心暗鬼、自暴自棄、孤立無援、万事休す、四面楚歌になって、苦しみの連鎖から逃れることのできない状態になります。
六道輪廻し続けることになります、必ず。
(まとめ)
毎日をどのように過ごせば、幸せに近づくのか、また、幸せが近づいてくるのか、幸せを手にするための実践法といえます。
心の中の希望の光が失われる前に、手遅れになってしまう前に、心に深く刻んでおきたい仏様からの尊い大切な教えです。
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