前回の天宮会では、昼食(ちゅうじき)の時に、
食前観(しょくぜんかん)を皆さま方とお唱えいたしました。
【食前観】
吾(われ)今幸いに、仏祖(ぶっそ)の加護と衆生の恩恵によってこの清き食(じき)を受く。
謹しんで食の来由(らいゆ)をたずねて味の濃淡を問わず、
その功徳を念じて品(しな)の多少(たしょう)をえらばじ。
「いただきます」
(意訳)
今、私達は大変有難いことに、神仏のご加護と多くの方々の恩恵によって、
この目の前にある「清らかな食事」を「いただく」ことができます。
こうして食卓にあがるまでには、それこそ多くの目には見えない人々のご苦労を、
知らず知らずのうちに、その恩恵を受けているものです。
すべては、当たり前の事・・・ではありません。
こうして食事をいただけることの有難さ、たくさんの「いのち」にも心から感謝したします。
「有難うございます、いただきます」
【食後観】
吾今この清き食(じき)を終りて、心豊かに力(ちから)身に満つ。
願わくはこの心身(しんじん)を捧げて己(おの)が業(わざ)にいそしみ、
誓って四恩に報い奉らん。
「ごちそうさまでした」
(意訳)
我々はとても有難く、幸せなことに、このようにして「清らかな食事」をいただくことができました。
この食事のお陰で心身共に大自然の恩恵を、その力を授かることができました。
これからも、四恩(父母の恩、国家の恩、衆生の恩、仏法僧の三宝の恩)に感謝し、
その恩恵に報いれるよう、さらなる精進を重ねてまいります。
「有難うございました、ごちそうさまでした」
※ 四恩(しおん)とは、(1)父母の恩 (2)国家の恩 (3)衆生の恩 (4) 三宝の恩
私達は、社会の中で知らず知らずのうちにたくさんの恩恵を受け・・・
安寧秩序、日々の生活を豊かに送ることができる・・・
この食前観・食後観は、私が修験修行で大変お世話になっている「金峯山 修験本宗 総本山 金峯山寺」(奈良県吉野)での修行の時にお唱えさせていただいている偈文です。
「天宮会」でも、ご参加の皆さま方に少しでも多くの功徳をお授かりになっていただきたい・・・
その強い思いから皆さん方とご一緒にご唱和させていただいております。
それでは、今月の天宮会で皆さま方とまた再会できますことをワクワク楽しみにしております。
合掌