一(いち) 富士 、 二(に) 鷹 、 三(さん) なすび・・・
皆さん方は、新年どのような「初夢」を見られましたか。
ユングやフロイトといった心理学者達の言葉を借りると・・・
夢とは、私達の心の深層部分、「個人的無意識」や「家族的無意識」、
全人類の共通する「集合的無意識」や「生命的無意識」、
さらには、「宇宙的無意識」(コスミックマインド)といった「未知なる領域」であり、
また、我々の叡智をはるかに超えた・・・
大宇宙からの壮大なメッセージが秘められている大変神秘的で「不思議な空間」なのかも知れません。
「いつの世の ふもとの塵か 富士のねを 雪さへたかき山となしけん」
こちらは、阿仏尼(あぶつに)という鎌倉時代の女流歌人が書いた紀行文、
ご存じ、『十六夜日記』(いざよいにっき)の一節です。
高齢の我が身を無理してまで、彼女が亡き夫の残した遺産をめぐる騒動を解決するため、
京の都から鎌倉へと下る際に、したためた随筆です。
眼前に広がる清らかな富士の勇壮たる姿、
しばし時間も忘れ・・・
ほっと一息、安堵の表情を浮かべた時の心境を綴ったくだりなのかも。
寺院の境内や、墓地、あるいは、古い合戦上にはこうした三界万霊を祭祀する「三界万霊の塔」や「碑」がございます。
三界万霊(さんがいばんれい)とは、「三界」(欲界・色界・無色界)のことです。
そして、「万霊」はすべての精霊や霊魂のことをいいます。
私達、衆生が転生を繰り返しながら過去・現在・未来へと輪廻する三つの世界です。
① 欲界とは、「淫欲」と「食欲」等の欲望、「我欲」にとらわれたもの達が住む世界
② 色界とは、物質(色)に執着するもの達が住む世界
③ 無色界とは、精神(無色)に妄執するもの達が住む世界
まさに、この三界の輪廻から解脱し、「悟道」(ごどう)に至ることが出来た「存在」こそが「ブッタ」(覚者)です。
仏教では、仮に争い事が起こり敵味に分かれて戦うことになったとしても・・・
双方、すべての「犠牲者達」を、「傷ついたすべての人々」を「分け隔てなく」救済することの大切さ、
「自他平等」の尊き教え、その「崇高なる精神」を説いております。
我々人類のこれまでの長い歴史には、たくさんの戦争や紛争、争い事や血なまぐさい殺戮といった暗い闇の過去が・・・
今ここに、ささやかながら祈りを捧げます。
少しでも、世界中から争い事がなくなり、
すべての人々の心が他を慈しみ、
相互に尊重し合える・・・
そんな素晴らしい「平安の世」が訪れますことを・・・
それは、私達人類すべてに共通する永遠の祈り、
肌の色を越え、
国境を越え、
言葉の違いを越え、
宗教の垣根をも越え、
差別や偏見、「自分」や「他人」の別もない、
すべての「いのち」の永遠の安らぎ、
恒久の「希望の光」、
今ここに、さらに強く光り輝かんことを。
合掌
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