「三種の浄肉」(さんしゅのじょうにく)台湾修行記録-9 | 天宮光啓塾 生かせいのち(生き方塾)

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合掌

「台湾修行記録」、残すところ後わずかとなりました。

本日は、仏道修行における「食」に関するお話を少しばかり。



毎回、台湾渡航の際は「台湾素食」(たいわんそしょく)のお世話になってきます。



大豆やグルテンなどをもちいたいわゆる台湾式の「精進料理」のことです。



密教行者のブログ(報恩の輪)



実際の肉類や魚介類を一切使わずに・・・



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本物そっくりの味覚や食感が味わえちゃう逸品です。




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一般的に、仏道修行者達は三厭五葷(さんえんごくん)といったものを食しません。

三厭(さんえん)とは、「肉類・鳥類 ・魚類」のことです。



五葷(ごくん)とは、「ニンニク・ニラ・ネギ・らっきょう・あさつき」のことです。


また、仏教には「三種の浄肉」(さんしゅのじょうにく)というものがあります。



これは、仏道修行者が特に口にしてはいけない「三種類の肉」のことです。



① 自分のために殺されるところを見てしまった (見)



② 自分に供するために殺したと聞いてしまった (聞)



③ 自分に供するために殺されたと疑いをもった(疑)



こういった「見・聞・疑」のいわれ因縁のある「肉」を食べてはいけないとされています。


さらに、「十種肉禁」なるものもございますから・・・



仏道修行者にとって「食」自体も、「修行」のひとつといっても過言ではありません。




それでは、なぜこうした肉食等が禁じられるようになったのか・・・




「不殺生戒」や「六道輪廻」、あるいは、「煩悩を断つ」などの様々な理由を挙げることが出来ますが・・・



やはり、この世の「生きとし生けるもの」すべては・・・「同じ尊い命」。



食事の時に、手を合わせて「いただきます!」というのも、



「有難く命を頂戴させて頂きます!」



という感謝の気持ちの表れ・・・




少し大袈裟かもしれませんが、



「命」を断たれたすべてのものたちの「無念」・・・



「無念」とは、「正念」を失ってしまった口惜しさ、一心に仏を念ずるこころを奪われた悲しさです。




けっして、私たちの命とは・・・・



自分だけのものではない、そのように強く感じます。




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私達のこの命には多くの命がつながり・・・




そして、共に存在しているのです。




食事の時に、




「手を合わせ」、「いただきます!」と唱えし、「感謝の念」を捧げる・・・




これそこ、多くの命の「無念」を・・・さとることなのです。




合掌