「台湾修行記録」、残すところ後わずかとなりました。
本日は、仏道修行における「食」に関するお話を少しばかり。
毎回、台湾渡航の際は「台湾素食」(たいわんそしょく)のお世話になってきます。
大豆やグルテンなどをもちいたいわゆる台湾式の「精進料理」のことです。
実際の肉類や魚介類を一切使わずに・・・
本物そっくりの味覚や食感が味わえちゃう逸品です。
一般的に、仏道修行者達は三厭五葷(さんえんごくん)といったものを食しません。
三厭(さんえん)とは、「肉類・鳥類 ・魚類」のことです。
五葷(ごくん)とは、「ニンニク・ニラ・ネギ・らっきょう・あさつき」のことです。
また、仏教には「三種の浄肉」(さんしゅのじょうにく)というものがあります。
これは、仏道修行者が特に口にしてはいけない「三種類の肉」のことです。
① 自分のために殺されるところを見てしまった (見)
② 自分に供するために殺したと聞いてしまった (聞)
③ 自分に供するために殺されたと疑いをもった(疑)
こういった「見・聞・疑」のいわれ因縁のある「肉」を食べてはいけないとされています。
さらに、「十種肉禁」なるものもございますから・・・
仏道修行者にとって「食」自体も、「修行」のひとつといっても過言ではありません。
それでは、なぜこうした肉食等が禁じられるようになったのか・・・
「不殺生戒」や「六道輪廻」、あるいは、「煩悩を断つ」などの様々な理由を挙げることが出来ますが・・・
やはり、この世の「生きとし生けるもの」すべては・・・「同じ尊い命」。
食事の時に、手を合わせて「いただきます!」というのも、
「有難く命を頂戴させて頂きます!」
という感謝の気持ちの表れ・・・
少し大袈裟かもしれませんが、
「命」を断たれたすべてのものたちの「無念」・・・
「無念」とは、「正念」を失ってしまった口惜しさ、一心に仏を念ずるこころを奪われた悲しさです。
けっして、私たちの命とは・・・・
自分だけのものではない、そのように強く感じます。
私達のこの命には多くの命がつながり・・・
そして、共に存在しているのです。
食事の時に、
「手を合わせ」、「いただきます!」と唱えし、「感謝の念」を捧げる・・・
これそこ、多くの命の「無念」を・・・さとることなのです。
合掌