ここ最近、ある方から霊障に関するご相談をずっと受けております。
ご真言や護摩炊きによるお祓いや祈祷などの方法をお薦めしているのですが・・・
中々、細かいところまでご説明等出来ておりませんので、
今夜は、護摩供養などにも用いる「薬種」(やくしゅ)や香食(こうじき)について少しお話をさせていただきます。
まず、皆さん方もよくご存知な「お線香」、
ご本尊様やご先祖様、あるいは亡くなられた故人の供養として焚かれるものですよね。
一般的に、仏教では人が死をむかえると・・・
死有(しう)、中有(ちゅうう)、生有(しょうう)、本有(ほんぬ)の四つ期間を輪廻するとされています。
これは、四有(しう)という輪廻転生の1サイクルを四つに分けた考え方です。
◆ 本有(ほんぬ) : 現世の姿
◆ 死有(しう) : 死の瞬間=臨終
◆ 中有(ちゅうう) : 死んでから次の生を受けるまでの期間
◆ 生有(しょうう) : 命を授かった瞬間
特に、人が亡くなり中有(ちゅうう)の期間は来世へ生まれ変わる中間的な期間でもあるとされております。
その時の私達は、霊的な姿をしていて香りだけを食することになります。
したがって、死者の供養に「お線香をあげる」のはこうした理由からとされています。
こちらが、さまざまな薬種(やくしゅ)です。
護摩やお祓い、祈祷などいろいろな修法を執り行う際に用途に応じて使い分けます。
龍脳(りゅうのう):龍脳樹の樹液の結晶で大変強い香りが特徴です。
護摩を焚く時には、こうした丸香(がんこう)、散香(さんこう)、薬種(やくしゅ)などが用いられます。
ちなみに、我々僧侶は祈祷や修法の時など身体に塗香(ずこう)なる香木の粉を塗り、身を清め邪気を払います。
また、仏法護持の八部衆の一柱、乾闥婆(げんだつば)は香だけを食し、
仏法を尊崇する衆生を守護し、悪魔を祓う、もっとも強い神様ともされております。
いずれにせよ、現世のこの世界と違い・・・
来世へと続く死後の世界や、荘厳なる仏の世界では「香」がひとつの重要なキーワードとなるようです。
したがって、霊障や災厄などの目に見えない災厄などで苦しんでいる方々は
一度、この「香」を大切にしてみてはいかがでしょうか。
それでは、またこうしたお話の続きも機会をもうけてドンドンUPしていきたいと思います。
合掌