今日は最近読んだ本の感想でも( ¨̮ )
ネタバレを含みますので閲覧はご注意&自己責任でお願いします!




まぁ、タイトルにある通り世界から猫が消えたならです
これ実は大学生のときから気になってて(笑)
単行本が店頭に並んでるの見て非常にビビビと来たのですが、単行本って当時大学生の私にはちょっと高くて(´・・`)
高いお金払って私に合わなかったら嫌だなと思って見送っていたのでした。
社会人になってからはあんまり本を読まなくなって...文庫になってるのに気付いたのが最近でした|ω・`)

で、結論としては、何故気になった瞬間買っておかなかったのか!!!!
自分を説教したいです(笑)
タイムスリップして、本を前にして悩んでる自分にめっちゃオススメして買わせたいくらいです(笑)
それくらい今後の人生に影響を与えそうな1冊になりました!
映画化もするみたいなので楽しみです(•ө•)♡
しかも私のすきな佐藤健さん主演です( ¨̮ )(笑)


"何かを得るためには何かを失わないとね"という言葉が物語のキーといいますか。
所々にこの言葉が出てきますし、物語全体もこれを前提として進められていきます。
これ、初めて出てきたときはピンと来なかったのですけど、まぁ、考えてみればその通りなんですよね。
欲しいものがあればお金と引き換えになりますし。
お金を得ようとするなら労働力を使わなければならないし。
好きなことをするときは自分の時間と引き換えです。
誰かに好かれようとするなら、別な誰かに嫌われないといけないときもあるかもしれません。
あるいは、好かれようとするなら、多少自分を殺さないといけないかもしれません。
人によって得るもの失うもの様々ですが、これって世の中の絶対的な真理なのかもなぁなんて考えてしまいました。

悪魔には形がないんですよ。
っていうのも印象に残っています。
人の中にいるのが悪魔で、ひとによって姿形は様々なんです。
的な悪魔さんのセリフです。
そして、そんな悪魔さんは主人公の前に自分と同じ姿形で現れるんです。
つまり、
この主人公に取って悪魔は自分自身であるっていうことなんです。
そして姿形は同じでも服装、性格は真逆をなんです。これは自分がこう生きてみたいって欲求なんじゃないかと主人公自身が考えるんですけど、これもまたじんわり心に広がりました。
あのときああしていれば、とか、やっぱり別な道を選べば良かったかななんて後悔めいたこと人間って考えてしまいますが、別な選択をしていたらどうなっていたかなんて分からないんです。
もちろん悪魔でも。
人間は色んなことを考えて色んなものを作り出します。
それは物質的なものだったり、概念だったり。
悪魔もその一つなんですよね。
みんなが心の中に悪魔を飼っている。
ただそれだけのことだけど、多分人間にとってこれは大事なことなんだと思います。

レタスが死んだ時、レタスの亡骸でなく赤い革の首輪を見ていて、レタスが死んだ瞬間首輪がただの赤い塊になってしまったように見えたって場面。
これが後々、母の父からもらった腕時計のエピソードを含み、ベッドサイドにあったその腕時計が、母が亡くなった瞬間ガラクタに見えたことにつながっていくんですけど。
この感覚ってすごくよく分かるなーって。
自分が体験したことはないんですけど。
物、特にその人から大事にされてるものとか、その人がいつも身に付けてる物って、生きてる感じしますよね...。
いつも身に付けてるものがポツンと置かれてるのを見ると、寂しそうな感じがしたり。
人って物にも愛着というか、感情を込めるというか。
その人を物込みで考える生き物なのかもしれません。
ここの場面、私が強く残ったのは私があまり物を捨てられない人だからなのかもです。
なんか、物を捨てる時(ほんとにいらないもの以外ですけど)って自分の1部とか、自分の思い出を捨ててるように感じるんです。
だから部屋がごちゃごちゃなんですけどね!(笑)

あとはもうクライマックスに近いところで、
自分の葬式に誰が来てくれて誰がどう語ってくれるのか。
そして、その葬式に来てくれる人たちに何を残せるのか。
ということ。
自分が存在した世界と自分が存在しなかった世界。そこにある微細な差異こそが、自分の人生の印だということ。
これはもう、思わず自分の人生について考えずにはいられなくなりました。
それくらいずっしりきました。
私は今関わっている人に何を渡して、残してるのか。
私がいなくなって変わることは何か。
でっかくなくてもいい、多くなくてもいい。
それでもたまに誰かに思い出してもらえるような何かを残せたらいいなって思うのです。
何かは分からないですけど。
自分で選んで残せるものでもないと思いますし。

私は普段から明日死ぬかもなんて考たり(の割に明日に引き伸ばすことも多かったり(笑))いつ死ぬか分かんないし、なるべく多くのことをしたいとか考える人なんですけど、より強く考えるようになりました。
まぁ、それでも先延ばしにしちゃうこともあるし、明日がくるのは前提なんですけども(笑)
あと主人公の感覚が私の感覚と似ていた(この小説読んだ人もしかしたらみんなそう思うかも)ので、気付かされることは多くて感情移入もいつも以上にしてしまって、途中大泣きでした(笑)


他にも手紙と電話と携帯電話の距離感とか、家族はなるものじゃなくてするものだった、とか、時間という概念は人間が作り出したもので自然には必要ない、とかとか印象に残ってる場面は山ほどあるのですが全部書いてたらきりがないので(笑)

これは読んで損のない1冊でした!
解説でこの小説は喪失体験なのだとおっしゃってましたがほんとにその通り!
僅かばかりのお金を失って喪失体験してみるのはいかがでしょうか?(笑)


もっともインパクトがあったのはねこの武士語だったでござる。(笑)
でも泣かされたのもねこだったでござる(笑)