マクロン仏大統領が 「このまま対米追従のEUになれば、もはやフランスの独自性、自主性は存在し得なくなる」 と言ったのは本音を述べたものであろう。

 中国に行ってドイツも英国も中国との経済関係は継続・発展すると言う実態を習近平に聞かされ、この発言につながったものと思われる。

 

 マクロンの本音は、欧州の価値観にも濃淡があることを示したもので、今後の欧州委員会の強権による加盟国一体化に影響することになりそうだ。

 ‘EU規範’ ‘欧米リベラル政治’ を見る時の、我が国の対応の在り方にも影響することになりそうだ。

 安倍外交の継続の重要性を再認識すべきなのだ。

 

 なぜバイデンーEU リベラルが、執拗にウクライナを利用し続けるのか。

 トランプ時代、あれほど 「人種差別主義だ、米国一国主義だ」 とたたかれ続けたトランプ政治、それに同調するプーチン政治の成果が今、さらに見直され、再評価されているからだ。

 この流れを止めなければ、トランプ・プーチン・安倍政治が国際的影響力を持つことになると言う根強い危機感があるからなのだ。

 

 何としてもトランプ・プーチンを潰さない限り、リベラルの世界は望めない。   CO2削減政策も潰されると言う危機感。

 

 米国の景気過熱・物価高・金利上昇に翻弄され、EUの独自性など全くなく期待もできない。   やっと社会保障の見直しを達成させたマクロンにとって、国民の納得を得る手法などないことへのいら立ちは当たり前のことだ。

 ただ、その下でEUの団結を旗印に欧州委員会によるEU加盟国に対する統制が当然のように強まる。

 経済力を背景にドイツを中心としたEUの独自性の道を行くこたになるのだろうか。

 マクロンは、国政の中核となる ‘フラン’ を捨てたことの大失態をどう取り還すことができるかだ。

 

 ウクライナ対応も、欧米リベラルの非現実性を露わにするだけで、EUの、欧米リベラルの自滅の道だ。