【椅子が1つだけの美容室】
カリスマブームが起こってから早20年!
“そんなこともあったね”と思う方も多いのではないでしょうか?
表参道の美容師が注目され、モデル、俳優、有名人の方々のヘアスタイルをやっている美容師が大注目され、
そんな美容師が在籍している美容室がテレビや情報誌などでも取り上げられ、一世を風靡しました!
あれから早いことに20年以上過ぎていますが、当時美容師になりたてのぼくにはとても衝撃的で、
技術を高めることの1つにもなったとても懐かしい思い出です
しかし今では、
その当時美容師なら誰もが知っていた美容室が無くなってしまう時代!
そんな当時のことを懐かしく話せる、もうかれこれ20年以上の付き合いになる年上の美容師の先輩と先日会ってきました
美容師になりたての頃に知り合ってから今に至りますが、ご縁があるのか、今でもずっと繋がっています
最近久しぶりに会って色々な話の流れから、その先輩からある話題になり、
『最近の美容師って下手だよね…』
偶然ですが、ぼくも約10年以上前からずっと思っていたことでした。
ここでハッキリ申し上げておきたいのが、
ぼくは、自分で自分のことを上手いとは思っていません!(先輩はわかりませんが… 笑)
美容師として、自分の技術が上手いと思ったら終わりだと思っているのと、自分より上手い人はたくさんいると思っています
ただ、
10年以上前から日本の美容師の技術は明らかに衰退しているように感じていました!
それはこれからもなんとなく衰退していくように感じています。
今の美容師の技術と、20年以上前の技術は圧倒的に違います!
カットのスタイルの数だけでなく、パーマの種類、ブローの技術など、覚えることがたくさんあった以前の時代とは違い、
基礎的な技術がある程度出来れば良いのが今の技術!
技術的なことはたくさんあっても、お客様からの需要がなければ美容師は学ぶ必要は無く、出来るように練習する必要もありません
学ぶ必要が無く、できるようにする必要がなければやる必要もない
そうなってくると、技術の幅はどんどん少なくなるのは当たり前とも言えます
特に美容師とはサービス業と思われがちですが技術職!
どんなに接客が上手くても、技術がなければ論外で、技術が乏しければお客様のご要望には応えられず、お客様に満足してもらうことなどできません。しかも、
美容師ではなくても気付いている方も多いかもしれませんが、
最近のヘアスタイルはストレートがほとんど!
若い方でも、大人でも、ストレート比率が圧倒的に多いんです
ということは、真っ直ぐにする技術を求められるから、髪質改善や縮毛矯正といった技術ばかり追い求める、勘違いした美容師がたくさんいるということです
美容師側はお客様からの需要があれば利益になるため必死になります
ストレートにすればお客様側も普段の手入れなどが楽になるため求める方も多いのが現状ですが、
そこを勘違いした美容師が多いから技術の隔たりがでてしまう…
ストレートにすることばかりに気を取られ、ストレートが綺麗に見える技術ばかり追い求めることになる
他の技術を学ぶべきところはたくさんあるのに、特定の技術ばかり伸ばそうとする
今の時代、間違ってはいないことですが、お客様が求めることだけに着目し過ぎて、自分の技術の幅を狭くしているんです
そのことに気付いていない美容師が多いから、他の技術レベルが低くなってしまっているように思います。
【美容師とは技術者】
だからこそ、自分のことは全て自分でどうにかしなければなりません!
誰かが技術を身に付けさせてくれれば良いですが、自分の技術は自分で学び、磨き続けなければ技術レベルは高まらないし上がらないんです
自分に甘えて怠けていたらそれだけの技術力しかなく、
自分にできないことがあるのに、できるようにしなければずっとできるようにはならない
人によっては、過酷に聞こえるかもしれませんが、
自分のことだからこそ、自分でどうにかするのは人として当たり前ですよね
自分の仕事なのだから自分で向上させるのは当然で、
それが出来ないのなら人の助けがなければ出来ないならプロではない!
仕事として、プロとしてやっていくのなら.それ相応の覚悟を持ってやるべきだと思います
中途半端な気持ちなら、所詮中途半端な技術しか習得出来ず、仕事も中途半端となり、プロと言えるレベルには到底なりません
美容師を遊びや趣味程度に考えているならそれでも良いですが、
そんなプロ意識を持ってやっている美容師が少なくなっているようにも感じています。
だからといって、
弟子を持つことや美容師を育てたいという想いはぼくにはありません……
よくお客様からも聞かれることですが、
自分自身、自分で学びたいことは全て自らで学んできました!
『特定の人の技術だけを習得したい』という考えはなかったし、
色々な人の技術を習得して自分に取り入れることを実践してきたので、誰かに育ててもらったというのではなく、たくさんの美容師の方から学んで吸収してきました
だからぼくには師匠という人もいないし、そんなの自分には必要ではありませんでした!
1人の人からの技術では1つの技術でしかない
でも、色々な人の技術を学べば自分の技術は数倍、数十倍になる
そう考えていたことが自分にとってのベースになっています。
美容師の技術が低くなることはとても大きな問題ですが、
お客様目線でしか考えなかったり、お客様が求めることばかり取り組んでいることの結果…
そこに気付かない美容師が多ければ美容師の技術は衰退していくだけのように感じます
大切なのは、
『自分はどうあるべきか?』『どれだけの技術を習得するのか?』
自分を軸として考え、お客様にご提供出来る術を磨き続けることが必要で、それがプロ意識となるのだと思います
特に今の美容師に足りないのは、世代的なこともあるのかもしれませんが、
自分の枠を決めつけず超えていくような【ハングリー精神】
自分は負けない!もっと上手くなってやる!
他の美容師よりも劣っていたら死ぬほど悔しい!
といった、負けん気は必要不可欠ですよね
ダメだと言われてもやる!
やめろと言われてもやる!
やらなくてもいいと言われてもやる!
やっても無駄だと言われてもやる!
自分の心が折れないような強い信念はいつの時代でも大切な気がします……。