「あれほど教えたはずのことがちっとも定着していない」

ということは、教師や塾講師など同業者の方は

痛いほど実感しておられることと思います。


いや。

同業者の方だけじゃないですね。


親という立場の方も、

「あれほど言ったのにちっとも直っていない」

ということは日常茶飯事でしょう。


原因は様々考えられますが、もっとも大きな原因は、

「子どもは、そもそも最初から話を聞いていない」

ということに尽きると思います。


こちらは伝えているつもりでも、まったく伝わっていない、

という、我々大人が認めたくない現実があるわけです。


個別指導という形態で指導していると、

いやというほど気づかされるのですが、

そもそも多くの子どもの心の奥底には

「教わりたくない」という心理が働いています。


えー?そんな馬鹿な?!



塾に来てるんだから、教わりたくないわけないでしょう?


と思うかもしれません。


でも、これも正直な同業者の方には共感してもらえると

思うのですが、本当のことなのです。


もっと正確に言うと、

「自分の興味のないことは、教わりたくない」

ということです。


これは、子どもに限らず、

我々大人にも当てはまる心理です。


違いますか?


あなた自身そうではありませんか?


私も、もちろんそうです。


さらに、塾に通っている子どもは、

学校でさんざん教えられ、塾でもさんざん教えられ、

場合によっては家庭でもさんざん教えられるわけです。


はっきり言って、

教えてもらうことに、飽き飽きしているわけです。


私のイメージは、特にお腹もすいていないけれど、

「食べろ食べろ」と言われるものだから、

なんとなくポカンと口を開け、そこにホイホイ食べ物を

放りこまれているひな鳥たち、という感じです。


よく咀嚼しないものだから、消化不良を起こしているんですね。


それどころか、口に入らずにぼろぼろこぼしているけれど、

食べ物は他にもいっぱいあるから、全然気にしていない、

という状態です。


そもそも、教える側と教わる側、

どっちが気持ちいいと思いますか?


答えは明確だと思います。


教える側のほうが、圧倒的に気持ちいいんですよ。


あなたのお子さんが、友達とか、年下の兄弟とかに

何かを教えている姿を見たことありますか?


得意げな様子ではありませんか?


「誰しも、出来れば教わりたくはない」

というのが基本的なスタンスなのだ、ということまず

念頭に置いてください。


「でも、それじゃあ、何も学習できないじゃない」

という疑問が浮かびますよね?


そう。


実際は、教わりたくない子どもに、

教えないわけにはいかないわけです。


人には、「教えられたくない」という気持ちがある反面、

「知りたい」という気持ちもあります。


教えられたくない


でも、


知りたい



やせたい


でも、


食べたい


というCMが昔はやりましたね?(笑・若い人は知らないか)



「教えられたくない。でも、知りたい」


この矛盾を解決する方法は…?


続きは明日に譲ります。


ここまでお読みいただき、ありがとうござました。