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おはようございます。
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コンピテンシーは変わらない
令和8年度の技術士試験に向けて、コンピテンシーについて再定義が行われました。
少なからず私の方にも問い合わせがあります。
そもそもコンピテンシーというものを正しく理解していれば、この再定義自体に大きな意味はありません。
ご存知のとおり技術士試験は、一次試験と二次試験で構成されています。
1次試験はいわば「基礎能力の確認」、そして2次試験は「技術士としての実務能力の確認」です。
その2次試験はさらに、筆記試験と口頭試験の二つに分かれていて、この二次試験がコンピテンシーを見られる場だと考えてよいでしょう。
ここで誤解してはいけないのは、コンピテンシーは覚えるものでも、暗記するものでもないということです。
意識して発揮するというより、これまで積み重ねてきた経験から自然とにじみ出る力です。
それを理解せず、「コンピテンシー=特別な理論」と思ってしまうと、座学で身につくものだという勘違いにつながります。
コンピテンシーをひとことで言えば、行動特性です。
つまり、行動でしか証明できないし、行動によってしか磨かれません。
机の上の勉強だけで身につくものではなく、実務での苦労、責任ある立場での意思決定、チームを動かした経験など、日々の仕事そのものがコンピテンシーを育てる土壌になっています。
私は口頭試験の試験員ではありません。
だけど、少なくとも私自身の建設部門・総監部門の口頭試験でも、コンピテンシーの定義だけを狙った質問はなかったと記憶しています。
それでも合格できたのは、小論文や業務詳細の中で、自然と私の行動特性が読み取れていたからだと思います。
これら記述式の中からプロセス、苦労した点、判断した理由、リーダーシップやマネジメント。
そうした実務の軌跡が、文章に滲み出ていたのだと思います。
だからこそ伝えたいのは、コンピテンシーは技術士にとって「根幹」でありながら、座学だけでは絶対に身につかないということです。
経験という土壌の上にしか育たない。
苦労した経験、責任を背負った経験、試行錯誤を繰り返した経験。
その積み重ねが、コンピテンシーの核になります。
すなわち、あなたが今やっている日々の業務こそが、コンピテンシーの理解を深める学びの場なのです。
特別な訓練ではなく、経験を「どう文章化するか」「どう口頭で説明するか」だけが試験対策になるのです。
技術士試験は、知識量だけで突破できる試験ではありません。
これまでの経験をどう整理し、どう語り、どう伝えるのか。
それらを問う試験です。
あなたが日々積み上げてきた経験には、必ずコンピテンシーに通じるものがあるはずです。
それは価値あるものであり、それに気づき、それを正しく伝えられるようになる。
それが、令和8年度の技術士試験に向けた本当の準備です。
繰り返しますがコンピテンシーの再定義自体に意味はありません。
意味のないところをほじくる暇があるならば、もっとコンピテンシーそのものを磨いていきましょう。
それでは本日も張り切ってまいりましょう。
本日もご安全に。
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この記事を書いた人
なにわの合格請負人 Masanobu Mori




