それでは前回の続きです。
2点目ですが具体性です。
抽象的なことばかりを書いてしまう傾向があるようです。
実はこれもコンクリート主任技士やコンクリート診断士にも共通しているとこです。
採点者が読みたい内容になっていないのです。
おそらく採点者は、
「違うんだよ、技術士に求めている事は、そんな一般人が考えるような、知っているような知識じゃないんだよ。」
「その一般人が考えるような知っているような知識を、どのように使いこなすのか、具体性を持たすのか、技術士にはそれを求めているんだよ。」
と思っていると思います。
具体性のない文章は、何と言うか心に響きません。
採点者は、
きっとこの方は応用力や問題解決、課題遂行、その辺りのスキルが不足しているんだろうな、まだ技術士の称号を与える段階ではないなぁ…
そのように思うと思います。
技術士に求められる能力をとても簡単に言うのならば、高度な専門知識を持っている事は当たり前、その知識を活用して、いかに問題解決や課題遂行を実現するのか、これに尽きると思います。
この「実現」と言うところが重要であって、問題や課題を抽出することが重要では無いのです。
ここを間違ってはいけません。
技術士ほどアウトプットを求められる資格はないと思います。
ではこの実現力、言うなれば、実行力を養うにはどうしたら良いでしょうか。
非常に残酷な言い方をしますが、どれだけお勉強してもこの実行力というのは身に付きません。
実行力を身に付けるための適切な教材は、あなたの身近にあります。
それは日々の業務です。
日々の業務で問題解決や課題遂行から逃げている人は技術士にはなれません。
一方で常に問題意識を持ち、今の仕組みが最良ではないと言う気持ちで業務を仕事をしている人は技術士に近いと思ってください。
もちろん仕組み化によって誰でも出来るようにするということはとても大切なことです。
少し横道に逸れますが、その仕組みの細かいところがちょこちょこ変わってしまうと、その仕組みに従って仕事をしている人たちは混乱します。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる的な発想で仕組みを変えることに対しては感心できません。
皆が混乱してミスが乱発するような仕組みはもはや仕組みではありません。
少々の問題はあったとしても、皆が熟知している仕組みで仕事をする方がよほど良いです。
一方で、その仕組みを回していくと、やはり少々の問題は出てくるはずです。
それをその仕組みに関わる人たちの参画を持って知恵を出して解決していく。これが問題解決のあるべき姿です。
そうやってできていた仕組みですが、先述のようにそれが最良ではありません。
もっとシンプルに簡単にできるはずですし、もっと生産性を高くすることができるはずです。そのために何が必要なのか。
これが課題です。
そしてその必要なことを実現していく、これが課題遂行、となります。
日常的にこのような思考で仕事をしていれば、専門知識さえ持っていれば、技術士の小論文自体はそこまで難しいものではありません。
科学技術分野の最高峰と言われる技術士ですが、その試験は新たな知識を求めるものではなく、受験者がこれまでにどれだけ仕事と向き合ってきたかを試すものとなっています。
実現力、実行力を鍛えていくことで、小論文においても具体性のある記述ができるようになってくるでしょう。
なので、技術士の勉強と言うのはある意味効率的なのです。
日々の仕事自体が勉強になるからです。
後はそれを文章として書き起こす能力を養っていくことが出来れば、先程のお題に忠実に書くことと合わせて実現できれば、近い将来あなたの目の前に合格の二文字が訪れる事となるでしょう。
ということで、技術士を目指すのであれば、ややこしい、めんどくさい、そんな問題課題だらけの仕事を経験する必要があります。
皆がやりたがらないようなプロジェクトに参加したり、多くの人が関わるような仕事に関わったり、それらが非常に有効な勉強となり、例えば業務経歴の詳細において、書くネタも増えてくるはずです。
技術士の試験を一介の資格と同じに捉えてはいけません。
非常に大きな視点での話になりますが、あなたの仕事人生を評価されるのが技術試験だと思ってください。
2024年7月半ばにはの二次試験筆記試験が行われます。
あと7ヶ月と半分です。
技術士二次試験を受けようとする方は、すでに十分な専門知識を持っている方だと思います。
一から専門知識を覚えておく必要のない方々です。
そこの部分はスルー出来るので、まだまだ時間はあります。
だけど、のんびりしている時間はもはや少なくなってきていると思ってください。
それでは技術士に試験合格を目指している皆様、引き続き勉強を頑張ってください。
効果的な勉強をしていってください。
2024年もしっかりと歩みを進めて参りましょう。
本日もご安全に。
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