読書感想文
家に帰ると、息子が、食卓で何かに向かい、微動だにしない姿勢でフリーズしています。
(いったに何を食べているのだ・・・)
覗き込むと、息子の手元にあったのは、食べ物ではなく、
「原稿用紙」
でした。
どうやら、小学生の夏の風物詩である、
「読書感想文」
の宿題に格闘していたようなのです。
そんな息子の姿に触発されたのか、私も気がつくと、書店で目についた2冊の本を購入していました。
ということで、久しぶりの、読書感想文です。
読んだ本は、この2冊です
高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか (PHP新書)/PHP研究所
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この本の定義による「高学歴」は「偏差値60以上」とされていますので、私は、ギリギリ、「高学歴な人」になるのでしょうか。
そして、そんな私が進んだ大学の学部は「法学部」だったので、私は、間違いなく「文系」ということになります。
ただ、白状しますと、私の「勉強の歴史」は中学3年までで、終了しています。
付属高校に入ったあとは、ひたすら刹那的な「暗記」と「忘却」を季節的に繰り返すだけで、いわゆる「受験勉強」もまったくやりませんでした。
おかげで、大学では、一般受験の同級生から「付属生=おバカ」とう目で見られることになったのです。
で、その目線に憤慨し、反発したかというと・・・・
実際にあまりに勉強ができないので、大学時代の自分は、「勉強ができない人」というレッテルに対し、ほとんど抵抗したことはなく、
「受験勉強をしていない=同期よりも勉強ができない」
ということを、自身の大きな、事実としての「ハンデ」として、受け入れていました。
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そんな私が、独立していまの仕事をするきっかけとなった、もっとも最初の〝問い”が、
「なぜ、『勉強ができる人=仕事のできる人』ではないのか?」
でした。
その当時、人事部にいたのですが(2003年くらいのことだったかと思います)、ある著名なコンサルタントの方に、
「いま、東京駅から半径500mにある会社は、みな、調子が悪い」
「その共通点は、『受験の勝ち組が、社員に多くいること』である」
と言われたことを、今でもよく覚えています。
自分は決して、「受験の勝ち組」ではありませんが、「勉強ができること」と「仕事ができること」の違いについては、20代に棒にふるような自分を使った人体実験の結果、自分としても痛感していました。
で、自分なりに、30代から40代まで、ずっとその問いに向き合ってきた結果の、ひとつの〝答え”が
「7つの行動原則」
という形になったのです。
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さて、2冊の本を読んだ感想です。
かなりのスピードで読了したいま、(感想文なのに)結論からいいますと、
「これは・・・・かなり根が深いんだ・・・・」
という感覚を抱いています。
本を読みながら、まっさきに思い出したのは、大昔、上司に言われた、
「休みの日に、上野美術館でも行って、絵でも見てこい」
とうセリフです。
その時は、「この忙しいのに・・・行くか!」とスルーしました。
その後、「一流を知れ」という大事なメッセージなのだと、ありがたく消化しなおしました。
そして、この本を読んだ今は・・・・・
「『記憶』や「思考」の脳番地だけでなく、「感情」とか「理解」という脳番地をちゃんと使え!」
という、もっと深いメッセージだったのだと、やっとわかりました。
しかし、素直に絵を見に行ったとしても・・・
絵を見るとき、私はどうしても、その横に書いてある「説明文」を読みたくなります。
というか、それを読まないと、絵が「わからない」感じがするのです。
これが、典型的な、「記憶」とか「思考」といった知識的な悩番地を常に使ってしまっている人のパターンなのだそうです。。
MRIで1万人以上の脳を見てきた著者は、高学歴の人には、あきらかに、
「思考系」や「記憶系」
の悩番地が発達しているが、
「感情系」
の悩番地が未発達なことが多い、という特徴が見て取れるといいます。
そして、人は、
「鍛えていない脳番地を使わなければならない状況に遭遇すると、発達した脳番地を使って切り抜けようとする」
というのです。
絵を見るとき、自分は、どこの脳番地を使っているのか・・・・
説明書きをまず読むということは・・・・感情系ではなく・・・・それは・・感情系の脳番地を鍛えてこなかったから・・・・そして、なんでもかんでも「思考系」で乗り切ろうとしたから・・・・・
仕事は「団体種目」です。
ですから、「人とつきあう」ことが、必須です。
人とうまくつきあう上で、「感情系」の脳番地は、とても重要になります。
そこが発達していないと、「思考系」「記憶系(知識)」の脳番地を使って、人とつきあおうとします。
そうすると・・・・・「共感が大事」という知識はあっても・・・・・
そして、仕事は、スポーツと同様に「実技」です。
実技をする上で、「運動系」の脳番地は、やはりとても重要です。
そこが発達していないと、「思考系」「記憶系(知識)」の脳番地を使って、仕事をしようとします。
そうすると・・・・「行動が大事」という知識を振りがざしながら・・・・・自分は・・・・
30歳で大挫折をした私ですが、最初は、やはり「本」や「知識」にそこから脱出する活路を見出そうとしました。
半年くらいたって、やっと、うっすらではありますが、
「『生きる』」とはどういうことかを知っても、ちゃんと生きられない」
「コミュニケーションの本を読んでも、コミュニケーションはうまくならない」
「人の中にもう一度出て行って、恥をかきながら、場数を踏んでいくしかない」
「『運動』をもっと大事にしよう」
・・・・・・・
ということがやっとわかり、そしてわかるだけでなく、実践しなければ・・・ということで、ヨロヨロと、それまでは違うアプローチを実践するようになったのです。
もう一冊の「文系の壁」は、同じ問題意識を、違う視座から確認するような形で読んでしまいました。
一番ハッとしたのは、
「事務系の方がデジタルで、理系の方がアナログ」
という森さんという工学博士の発言です。
文系は、なんでも「言葉で割り切ろとする」から、森さんから見ると、理系よりかなりデジタルだ、というのです。
(言葉で表現することがうまくなればなるほど、考え方がデジタルになっていく・・・・)
これも、嫌な感じはしますが、身に覚えがないとは言い切れない自分がいます。。
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以上、つらつらと、「読書感想文」を書いてみました。
どうですか?
見事に、
「感情系」の感想文
ではなく、
「思考系」の説明文
になっているのがわかりますよね(笑)!
これが、典型的な、「思考」と「記憶」の脳番地を使って書いた、感想文であります(笑)!
(本当は、まったく笑えないんですよ。)
「ちょっと時間ができたから、本を買って読もう」
そもそも、この発想と行動自体が、「思考系」「記憶系」の脳番地だけを使っている証左です。
そんな時間があるなら、絵を見に行ったり、音楽を聴いたり、そしてなにより、
「人の中に出て、人に会い続ける」
ことが、私には必要なんでしょうね!
では、行ってきます!