私はある特定の場面だけ、言葉が発せなくなる時があった。
よく覚えているのは、母から詰められた時だ。
「なんでこんなことしたの?!」
「なにが〇〇なの?!」
なぜ怒られたのか、詰められていたのかは
よく覚えていないのだが、
母からいろいろ聞かれた時に、
まさに口がチャックで締められてしまったかのように、
口を開けたくても開けられないように感じた。
学校の先生からなにかを聞かれた時も、
たまにそうなることがあった。
とにかく大人からいろいろ聞かれた時に、
答えられない、声が出せないことが多かった。
今もたまにそうなる時がある。
会話の途中でふっと頭が真っ白になったり、
言葉がグルグル脳みその中を回って
口から声を出せなくなってしまう時がある。
大人になってから「場面緘黙症」という言葉を知って、
たぶんこれだったのかもしれないと思った。
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