先生がお伝えくださった内容は…
とにかく、教員から見て、とても危険な状態だと感じるということ。
通院はしているのか、ということ。
この状態で学校で何か在った場合、対応が難しい、ということ。
体育祭においては、先生は娘のためを想って参加は難しいのではないか、とおっしゃった。
要は、娘が入ることで競技が成り立たず、クラスの皆に迷惑がかかってしまうこと。
でも、そうなることで娘がつらい思いをしてしまうのが可哀相だ、と先生はおっしゃった。
とても優しい先生だと感じた。
体育祭はもとより、通学に関しても学校側としては不安を感じるので、一度、家族で話してください、とのことだった。
体育祭…。
娘はとても楽しみにしていた。
高校に入って、初めてのビッグイベントだったから。
でもね、私も娘の運動に関しては、とてもとても不安だったんだよね。
体育祭の練習とか、すごく不安でさ。
その当時は、朝起きた時に不安で胸が締め付けられて、毎朝泣いていたんだ。
娘がダッシュをして心臓麻痺を起こしてしまったらどうしよう…とか、起こってもいない未来の想像をしてね。
だからね、そうゆう私の心の状態を、現実ってやつは確実に私の前に出来事として現してくるんだよね。
今回は、担任の先生を使って、体育祭に出るのが難しい、という現実をね。
私はどうしたら良いのだろう…。
娘にどう伝えたら良いのだろう…。
せっかく私も娘も前向きになってきたのに…。
このやり方は間違っているのだろうか…。
やっぱり、もう無理なのか…。
電話を切ったあと、目の前が真っ暗になった。
リアルに。
不安が大的中したショックが大き過ぎて、意識が飛びそうになって、その場に座り込んでしまった。
時間としては30分くらい。
もうね、なーんにも感じないの。
今でもあの感覚を覚えているんだ。
完全に思考停止しちゃってんの。
悲しくも、悔しくも、不安でもないの。
途方に暮れるってこんな感じなんだって感じ。
でもさ、やっぱり私は母親の覚悟があるんだよね。
「娘が帰って来る。笑顔で迎えてあげよう!」って思考が開始して動き始めたんだ。
でもね、思考が開始すると、不安、悲しみ、後悔、恐怖が押し寄せてくるの。
私は、ただ、ただ家に帰ったんだ。