私の心は疲れていた。
せっかく美食の国、韓国に来たのにそれしか食べないの?
お蕎麦も無理なの?
せっかく北海道に来たのに、ソフトクリームは食べないの?
せっかくディズニーに来たのに、バナナしか食べないの?
とかね。
これが私の本当に感じていた感情。
でもね。
こんなこと言ったら、娘のことを否定することになる。
絶対に言ってはならぬ。
そもそも、こんなことを感じること自体だめ!
こんな風に、本当の自分の気持ちにバツをつけ続け、感じることすら禁じていた。
娘を肯定したい、とやっていることなのに、一番大切な自分のことを否定していたんだよね。
そりゃあ、私の心はすねるよね。
私が食後に戻すきっかけとなったのは、完全にこの自分否定からきたもの。
初めは、単純に心が食べたくないと言っているのに無理矢理食べたことで気持ちが悪くなって戻してしまった。
そこから、何かのスイッチが入った。
たくさん食べたら吐き出せば良いじゃんって。
私が「たくさん食べても太らないんだよ」ということを娘に見せてあげようって。
こ〜んなに食べたって太らないから大丈夫だよって。
食べることって幸せだよね〜って。
こんな風に、私が自分のことを傷めつける感情を持っていれば、娘の心はちゃんとそれを受け取っちゃう。
だから、娘の食事量は増えてはいかなかったよね。当たり前。
私が自分の本当の声を無視すれば、娘も同じように自分の本当の心の声を無視しちゃう。
そんなこと、当時の私は知らなかったから…。
だから、これが正解だって突っ走っちゃったんだ。
たくさん食べて見せるのは、娘と食事をする朝と夜だけ。
だからお昼ご飯は完全に抜いていた。
だからね、そもそも「たくさん」と言っても、たかが知れている量だから、それをほとんど戻していたのだからみるみる痩せましたよ。
肋骨はくっきり。
腕や脚は青筋が浮いたりして。
私は逆流性食道炎のため、食べた後にお腹に力をいれると簡単に吐き出すことができたので、戻すことは簡単だった。
もう完全に病気ね。
外食でもやっていたし。
でもね、やっていうちに罪悪感なんて消えてしまうんだ。
完全に心が麻痺していた。
私にとって、吐き出すことが心の拠り所になっていたのかもしれない。
現実を見るのが辛かったから。
私もガリガリになって、脳が麻痺して、娘の境地に達したら、娘のことがより理解できるかも、なんて感じていたりして。
私は、現実逃避することで自分の心を保っていたんだ。