入院し、初めて前向きになれた日。
私は久しぶりに熟睡した。
でも、相変わらず食事はほとんど採れていなかった。
翌日の面会。
私も娘も主人も明るい気持ちだった。
娘とは、ニコニコしながら話したっけな。
だけど、そんなひとときの幸せもあっけなく壊れたんだ。
それは医師が設けた面談でのこと。
今回の面談は精神科の医師のみだった。
私は、精神科に入院することを全く同意していないのにも関わらず、なぜか精神科への転科の話だった。
この面談内容は、ショックで私の意識が朦朧としていたため、覚書ノートにも記入がされていないので、詳細は不明です。
なぜ、このような間違った認識のまま面談が行われたかを簡単にお伝えすると…
主治医(内科)が主人に転科の話をした→主治医としては父親からの了承を得た、と勘違いをした→それを精神科の医師に伝えた
そうゆうことだった。
医師の話を聞いているうちに、私の身体はガタガタと震え始めた。
言葉を発することもできなかった。
医師は、そんな私の状態を見ていながらも話をどんどん進めていった。
そのうちに私は吐き気をもよおし、お手洗いへ駆け込んだ。
心配して付いてきてくれた主人に「もう先生の話を聞きたくない!」と泣きながら叫んだ。
そのとき、私が感じていたのは、娘が強制的に精神科へ入れられてしまう、という恐怖、絶望。
摂食障害を調べる中で、本人が入院の意志がなくても、強制的に入院させられてしまうことがあることを知っていたから。
せっかく前向きになっている娘を、精神科に入れるのは絶対に嫌だ!
こうなったら、精神科に入れられる前に、退院させてしまおうか、と考えていた。
もうこの病院は信用できない!という疑いの感情。
これが最も強い感情だったのは確かだ。
でもね……
あともう一つの感情…。
もしかして……
私は狂っている?
医師も看護師さんも、娘の頭が狂っているようなことを言ってくるが、私には全く正常に感じる。
それって、私が狂っているからそう感じているの?
私の頭の中が、グワングワンと音を立てていた。
もうこの辺の記憶はありません。
私は気を失って倒れたようです。