主人と私は、医師が戻ってくるのを悶々としながら待った。
私は「こんなこと、娘が耐えられるはずない。でも他に娘を診てくれる所があるの?それとも退院して自宅療養する?でもそんなことできる?一体、私はどうしたら良いの?」と、答えのない質問を繰り返していた。
地獄の時間を過ごすこと数分…
医師たちが私達の元へやって来た。
当時の私の目には、医師たちが「自分たちのすることは全て正しいこと。間違っているのはお母さん、あなたですよ。」と言っているように見えていたんだ。
もう、こう感じてしまっていたら、医師たちがすることなすこと全て否定的な見方しかできないよね。
結局、この感情は退院するまで続いてしまった。
主治医は「お話しをしましたが、落ち着いて聞いていました。」とおっしゃった。
「今は、気持ちが不安定になっていると思うので、特別にご両親で面会して良いですよ。」と言って下さった。(この頃は、まだコロナの影響が懸念されていたので、面会は一等親のみ。病室には1人のみの入室、のルールだった)
私たちは、娘に逢いに行った。
娘は無表情でベッドに横たわっていた。
医師から、ベッドに座ることを禁止されたことを、健気に守っている娘が、可哀想で、愛おしかったことを覚えている。
私が娘の手を握ろうとしたら、娘はその手を振り払った。
そして「頑張って食べていたのに。何もしちゃダメだなんてひど過ぎる。こんなことされるなんて〇んだ方がましだ!」と叫んだ。
私は何も言えなかったよな。
そして、娘から最も聞きたくなかった「〇ぬ」というワード。
とうとう娘が言ってしまった…。
ついにこの段階に入ってしまった…。
とうとう娘の心は壊れてしまった…。
諦めにも似た感情がわいてきた。
「もう、精神科に行くしかないのかな…。」ってね。
娘は布団をかぶって泣いていた。
そして「1人にしてくれ。」と言った。
病室を出ると、病棟の看護師さんが「お話ししましょう。」と言って下さった。
看護師さんはこうおっしゃった。
「娘さんは、今、頭に栄養が行っていないため、心にもないことを言ってしまっているだけです。」
出たよ。
また、頭に栄養が回っていないってか?
あなたたちに娘の何がわかるのか?
教科書通りの答えばっかり。
所詮、他人事だもんね。
私の病院に対するマインドは、常に否定・疑念。
常にこんな感情でいたから、入院生活はトラブル続きだった。
病院は娘を救ってくれない。
そう強く感じていたんだ。