夕ご飯の時間になった。
私は恐る恐る病室に入った。
娘は落ち着いた様子だった。
そして「もう絶対に運動はしない。お母さんがいなくても、お昼ご飯は完食したよ。ごめんね。」と言ってくれた。
私は嬉しくて嬉しくて泣いてしまった。
やっぱり、娘を信じようって。絶対に信じるって決めたんだ。
そうしたら、娘は入院中は一切の運動を止めた。
これは、後から学んでわかったことだが、私のマインドが「娘を信じる」に変わったことで、現実が変わった、ということ。
つまり、このとき私が(どうせ、またこの子は私を裏切るだろう…)というマインドであったならば、その通りの現実になったという訳だ。
こうして娘の過活動は終わった。
娘は、夕ご飯を楽しそうに食べていた。
この頃の食事は、まだ総カロリーが低めの設定。
その理由は、これまで採っていたカロリーから、一気にカロリーを上げてしまうと、内臓が対応しきれずに体調を崩してしまう恐れがあるからだ。
だから、娘は「もっと食べたいな〜」と言っていたな。
そして「お母さんが食べたもの、後で教えてね。」と言っていた。
娘に私の食べたものを伝えなければいけなかったこと…これ、辛かったんだよね。
実は、娘には〇〇をたべたよ〜、と言っていたけれど、本当は食べていないことが多かったから。
夕ご飯は病院の中にあるコンビニで済ましていたのだが、私はわざわざコンビニまで行って、品物を見て、「よし、今日はこれを食べたって言おう。」と、やっていたんだ。
娘に「今日食べたやつは脂っこかったな〜。」とか嘘ついている自分、すごくむなしかったなぁ。
そんな日々が続いたある日、またもや地獄の宣告をされたんだ。
それは「完全ベッド上安静」。
これまでもベッド上安静ではあったのだが、お手洗いは自由(お部屋についていた)、ベッドに座ることはOK、スマホも雑誌もOKだった。
それが、1日1時間のスマホ時間以外は座ることは禁止。
お手洗いは、ナースコールで呼んで、看護師さんの監視のもとポータブルトイレで行う。
というルールになったんだ。
これは、精神科の医師の指示。
精神科ではスマホすら禁止、親の面会も禁止なのだから、かなり譲歩しているのですよ、と告げられた。
せっかく娘が前向きになっているのに…
なんで次々と娘に罰のようなものを与えるの?と、医師たちに対して憎しみが湧いていた。
このルールは、医師から直接娘に伝えるということで、私は病室を出されたんだ。
こんな仕打ち…娘は耐えられないよ…。
なんで…どうして…。
苦しめたらまた食べられなくなっちゃうよ…。
入院して病気を治すどころか、これ以上に悪化してしまうのではないか…。
私は本当に怖かった。
心の底から恐怖だった。
こうして私は病院に対して憎しみを増幅させて行ったんだよね。