白アリが家主のことを弁ずる奇妙。(これからの希望の党) | 素敵な人に会いました

白アリが家主のことを弁ずる奇妙。(これからの希望の党)

日曜日の衆議院選挙投開票日の日は、台風21号の大雨の中、投票所からそのまま夜中まで外出してしまったので、テレビの開票速報はまったく見ることがありませんでした。

精神衛生上は、それがよかったかもしれません。

ときどき、スマホで開票関係のニュースをチェックしていました。

いろいろなニュースの中で、私がもっともイラつき、呆れたのが、希望の党で立候補したもと民進党の候補者たちが、小池百合子党代表を批判する記事でした。

落選した人はもちろん、当選した人まで、小池百合子代表を罵倒するような非難を浴びせかける記事が目立ちました。

正直、なにがなんだかわからなくなりました。

マスコミはひた隠しに言及を避けていますが、希望の党失速の原因は、小池氏が崩壊寸前の民新党から流入してきた民新党員を大量に招じ入れたことに他なりません。

「排除」という失言が敗因と、マスコミは分析していますが、むしろ、多くの国民は、希望の党に害をなしそうな候補は、しっかり駆除してくださいよ、と思っていたはず。

私も、第一次候補者の名簿に、100人以上の民新党候補の名が書かれていたときには、本当にがっかりしました。

それからの、小池氏の主張の変化は、思わず、「マジかよ」と叫んでしまうほど。

「アベガー」「モリカケがー」「自民ガー」って、小池さんの中の人が、民新の誰かに入れ替わっちゃったと思いました。

実質的に、希望の党の公認条件となる「政策協定書」も、いつの間にか撤回してしまいました。

ここまで魂を譲ってまで、多数派を占める民進党候補に配慮した小池代表に、ひどく恩知らずな言を吐くもと民進党候補たちに、気分が悪くなりました。

解散前、民進党の支持率は5%そこそこでした。
まがりなりにも衆議院選を闘えたのは、衰えたとはいえ、小池人気のおかげでしょう。

なんとも恥知らずな人たち。

もといた家が崩落しそうになって、あっちにもっと堅牢そうな家があるから、みんなで引っ越そうと、慌てて決めた白アリの群れを連想してしまいました。

白アリが、家主に向かって、

「もっと頑丈で食い甲斐のある家だと思って引っ越してきたのに、とんだあばら家じゃないか。
これなら、もとの家の方がずっとマシだった」

文句を言っている感じ。

こんな状況の中、小池代表はパリで敗戦の弁。

「私におごりがあった」とか、

「私の言動で不快な思いをさせてしまった」とか、

自己批判の言葉を繰り返していましたが、本当に言いたかったのは、

「民進党議員を大量に受け入れてしまったのが、私の敗因でした」

ということでしょう。

でも、日本に帰れば、50人近い民進党議員がいる希望の党で、そんなこと言えるはずもない。

小池代表はいま、ものすごいジレンマに陥っていることでしょう。


今回の選挙でつくづく感じたのは、小池百合子さんという人は、戦術は立てられるけど、戦略は立てられない人なのだな、ということ。

自民党にいたときは、戦略は総理と周辺の人たちが決めてくれるので、戦術さえ考えていればよかった。

そのために、大きなビジョンを描けなくて、相手次第の受け身な生き方になってしまうのでしょうね。

これから、小池百合子氏が生き残る道は、「絶対にもと民進党に乗っ取られない」と覚悟を決めて、希望の党の理念に合わない人には出て行ってもらう。

たとえ、少人数でも一本筋の通った党として、やり直すしかないでしょう。

政党助成金も少なくなり、議員数も減りますが、心を一つにできる人だけで、基礎から建て直してほしいと思います。