『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』に見る、喪失。 | 素敵な人に会いました

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』に見る、喪失。

3月公開の映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を、試写会で観てきました。

名優メリル・ストリープが、実在の政治家を演じる映画なので、なんとなく最初からイメージしていた世界がありました。

すごいことを成し遂げた女性の、すごい人生。
「鉄の女」にふさわしい、堂々たるストーリーだと思っていたのですが……。

この映画のメインテーマは、「老い」と「喪失の悲しみ」でした。

ストーリーは、夫デニスが先立ってから8年。
認知症に苦しむマーガレットが、食料品店で牛乳を買い、金を支払うシーンからはじまります。
金の勘定ができない婆さんがレジでまごついている。
店員も客も、かつて大英帝国を率いた首相だったことには誰も気づきません。

そして、家に戻ったマーガレットを、他の人には見えない、夫デニスが待っています。
辛辣で親密な会話は、数十年を互いに信頼し合いながら過ごした夫婦が醸し出すものです。

秘書や娘の前でも、時折見せてしまう、夫との親密な関係。
彼女のまわりの人たちは、デニスがすでに亡くなっていることを理解できていないのだと思い、サッチャーの意識が現実から遠のいていってしまうことを危惧しています。

デニスが他界してから、8年という年月が経ってなお、つねに、彼が側にいることを求めてしまう、マーガレット。
映画は、年老いたマーガレットのデニス(の亡霊)とともにある日常に、娘時代からの過去を回想するシーンをインサートしながら展開します。

この映画を観ると、彼女が首相在任した16年間が、20世紀の英国で、もっとも厳しい時代だったことがわかります。

偉大な功績を残しながら、現在のマーガレットにとって、もっとも大切なものは、過去の栄光ではなく、デニスと家族への愛だった。

英国発の女性首相は、夫がいて、家族があったから闘えたのだなあと、思ってしまいました。

映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』公式サイト


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