「そんなに長く上海に住んでいるのに、中国で手術を受けようと思わなかったのですかはてなマークとよく聞かれます。

 

 大きくは2つの理由がありました。

 

1. 手術と治療を受けるうえでの問題

① 衛生面

 現地でお世話になっていた日本人のお医者様から、当時、「ローカルの病院はまだまだ衛生面で問題があるので、行かないほうが良い」と言われていたのです。

 

② 感覚と言葉の問題

 普通の会話は全く問題ありませんでした。しかし、「チクチク痛い」と言ったような感覚的なことを伝える時に、中国人と日本人では感性が違うところがあるので、伝わらないだろうなと思ったのです。

 

③ 看護師さんの対応

 当時はまだサービス精神が浸透していなかったので、看護師さんの対応が悪いのではないかと思っていたのです。(実際はそんなことないかもしれませんが・・・)

 

 

④ 治療の関係

 乳がんには4種類ありますが、私は女性ホルモンが影響をしているがんでした。それで、クリニックでは「治療後に2週間に一度ホルモン剤の注射を打ちに行くことになるでしょう」と言われていたのです。

 しかし、そんなに頻繁に日中間を行き来することは私にとっては不可能でした。

 

⑤ 中国人の友人の勧め

 中国人の友人が「日本人は日本に帰って手術を受けたほうが良い」と勧めてくれたのです。やはり、母国で受けるのが一番安心だからという気遣いでした。

 また、中国人は私たち外国人の知らない内情を知っています。それを踏まえてのアドバイスだと思われたのです。

 帰国を決断するのに、これが一番大きかったかもしれません。

 

2.個人的事情

 実は当時父がパーキンソン病を発症していて、先はそう長くないだろうなという状況でした。

 それで、いくら上海が近いといっても、すぐには帰国できません。しかし、陸でつながっていれば、極端な話歩いてでも帰ることができます。だから、翌年ぐらいに帰国をするつもりでした。いずれにしてもそう長くいられな状況だったので、1年前倒しをしたのです。