その後もしばらく放置していたのですが、超多忙だった会社を退職して少し時間ができると、しょっちゅう左乳房がズキズキと痛むようで気になり始めました。

 それで、入浴する際に鏡を見たら左わきが腫れているような気がしたのです。そしたら、急に恐ろしくなってきて、検査に行こうと思いました。

 本当は組織検査をしないと良性か悪性か分かりません。しかし、その時は全く病気について知識がなかったので、マンモグラフィーで分かると思っていたのです。

 そこで、とりあえず外国人も診てもらえてマンモグラフィーの検査をしてくれるクリニックを探しました。

 そして、クリニックに電話をかけて状況を説明したところ、「予約を取って検査に来るように」と言われたのです。

 

 

 病院に行くと、問診に加え、マンモグラフィーや触診をしてくださいました。

 結果は「即帰国して手術よ」と言われたのです。

 マンモグラフィーの画像では、左胸は明らかに真っ白です。しかし、それを見せられても信じられませんでした。

 診てくださったお医者様の専門は内科でした。乳がんの専門は乳腺外科です。だから、お医者さんはわかっていないのだろうと思ったのです。

 また、がん家系ではないので、自分がまさかがんになるなんて夢にも思っていませんでした。

 しかし、左乳房にしこりがあることは間違いないので、一時帰国をして組織検査をして、良性か悪性かをはっきりさせよう。そして、良性だったら放っておいても良いだろうと、まだそんなことを考えていました。

 今から考えると、あんな真っ白になっていて良性なんてありえないと思います。たとえもし良性だったとしても、あんなに大きくなって放っておいてよいはずはありません。

 本当に無知でした。