WifiRigCTRLではIC-705などICOM機を対象に、WiFi経由でCI-V制御が行える「CI-V直結モード」を搭載しています。今回は設定のポイントと機能の限界についてまとめます。
CI-Vモードとは
WifiRigCTRLのCI-V直結モードは、ICOM純正の「RS-BA1」と同じUDPプロトコル(ポート50001/50002/50003)を使い、スマートフォンアプリから無線機を直接制御する仕組みです。Raspberry PiとHamlib/rigctldを経由する通常のリモート運用構成とは別に、無線機とアプリが直接WiFiで通信するため、より低遅延なCAT制御が可能になります。
設定のカンどころ
1. 接続方式はAndroidとiOSで使い分けを推奨
Android版はBluetooth接続がおすすめです。安定して繋がりやすく、日常使いではまずこちらを試してください。一方iOS版はWiFi接続になりますが、正直なところやや繋がりにくいことがあります。うまく接続できない場合は、IC-705側の電源オン・オフ、アプリ側の起動・終了を何度か繰り返してみてください。あきらめずに数回試すことで繋がるケースが多いです。
もっとも、Bluetooth接続ですとどうしても届く範囲に限界があります。例えば別の部屋から扱いたい場合などは、AndroidでもWifiモードでの使用をお試しください。2. 【設定の肝】Bluetooth接続時も、変調(音声)入力はWLAN経由に切り替える必要がある
CAT制御自体はBluetoothで行っていても、音声(変調)まわりだけはWLAN経由で取得するよう設定を切り替える必要があります。ここを見落とすとCI-V制御はできても音声が正しく乗らない、という状態になりがちで、CI-Vモード設定の中で一番つまずきやすいポイントです。
RS1-BA1の変調入力WLAN設定はCI-V運用時専用のものなので、運用が終わって日常使いに戻す際は、忘れずに元の設定(通常のBluetoothオーディオ等)に戻してください。戻し忘れると普段の通話・オーディオ利用に支障が出ます。
3. 無線機の電源はアプリ接続前にONにしておく
特にiOS版では、無線機の電源を入れる前にアプリから接続を試みると正しく認識されないことがあります。先に無線機を起動してからアプリを接続するのが基本です。
設定の手順については前回のブログに全体像が載っています。
4. IC-705は「メンテナンスモード」への意図しない移行に注意
CI-V接続のトークン更新処理が絡む問題として、IC-705が意図せずメンテナンスモードに入ってしまう不具合が過去にありました。ファームウェア/アプリのバージョンが古いままだと再発する可能性があるため、双方を最新版にしておくことをおすすめします。
5. レピーター運用時はCTCSS・オフセット設定を忘れずに
レピーター経由での運用を想定する場合、CTCSSトーンとオフセットの設定が必要です。あわせてPTT中はTX周波数が画面に表示される仕様になっているので、送信周波数の確認にも使えます。
6. TX音声レベルは自動調整(AGC)に任せてOK
以前は固定ゲインでTX音声レベルが安定しない問題がありましたが、現在はピーク追従型のAGCに置き換わっているため、手動での細かい調整は基本的に不要です。
できること
- 周波数操作・モード操作:VFOの周波数変更やモード切り替えがアプリから直接行えます
- Phone運用(FM・SSBなど):音声送受信がPTT制御込みで可能。AGCによりTXレベルは自動調整されます
- FT8運用:デジタルモードでの運用に対応。特に、FT8の信号上にPOTA・SOTAのSPOTコールサインがあると、マークを表示するようにしています。マークは当該エンティティが未Huntかどうかで表示が分かれるようになっています。
- CW運用(アプリ内蔵キーヤーを使用):CI-Vコマンドによるメモリーキーヤー機能で送信可能。F2A(トーン変調CW)にも対応
- レピーター運用:CTCSSトーン・オフセット設定、PTT中のTX周波数表示に対応
- POTA・SOTAスポット情報からの、周波数、モード遷移:POTA・SOTAのスポット一覧画面(またはSP2ALERT)を表示、選択すると、該当のSPOT情報の周波数、モードに遷移する。
できないこと
- エレキーやM5DualKeyによる直接打鍵は不可:ラズパイ経由のリモート運用モード(Hamlib/rigctld構成)では対応しているエレキー(パドル)による直接打鍵が、CI-V直結モードでは使えません。CWはあくまでアプリ内蔵キーヤー経由の送信のみです。
- Shift操作などラズパイモード特有の機能は非対応:Shiftをはじめ、ラズパイ経由モードで実現している一部の細かい操作は、CI-V直結モードの構成上サポートされていません。
- 家庭内LANの外からの利用は難しい:CI-V直結モードは無線機とアプリがローカルWiFiで直接通信する構成のため、この構成だけでは家庭内LANの外(外出先など)からの遠隔操作は困難です。外からの運用にはラズパイ+WireGuard/DuckDNSなどを使ったリモート構成が必要です。










