胆道ジスキネジー(緊張亢進型)による激痛発作の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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胆道ジスキネジー(緊張亢進型)による激痛発作の整体治療
半年間に何度も救急搬送された症例の解説です。

患者Mさん=30才-男性・自営業の症例

 

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① Mさんの病歴・・・「何度も救急搬送されました…」

患者Mさんは、半年ほど前に急激に右の胸部とその裏側の右の背中に激痛が生じ、救急搬送されたそうです(救急搬送はこの半年で都合10回あるそうです)。初回の発作時には、その原因はよく分からず退院されましたが、軽い痛みはその後もずっと続いていたそうです。そんな時、二度目の発作が起こり、それからこの様な発作は、この半年間に何十回も起こるようになったそうです。また発作の合間にも、背中や胸の痛みは一日中持続するようになり、かつ強くなっていったそうです。病院、大学病院などの医療機関を何十件も受診し、その度にCTやエコー検査などを何十回しても全く異常はなく、どの様な治療も無効だったそうです。鍼灸治療や整体なども何件も行かれましたが、それらも全く無効だったそうです。そんな中か、ようやくある大学病院で「胆道ジスキネジー=緊張型では」との診断がつき、色々な薬を試されましたが、やはり全て無効だったそうです。つい先日に「腹腔神経叢ブロック」も試されましたが、これも全くの無効だったそうです。そんな中、最近では「痛みの原因はうつ病からきているのでは」との事で心療内科に廻され、うつ病中心の投薬に変わりましたが、痛みの改善傾向が全く無いので、絶望状態に陥っているそうです。またこの数日はさらに痛みが値良くなり、仕事にも行けないくらい、重篤な状態だそうです。

 



② Mさんの診察
・Mさんの痛む部位は、胸骨柄から右の胸部(肋骨面)全面と、その裏側の右の胸部全面、および右の側腹部から右腰部、そして全胸椎部分だそうです。これらの広い範囲が一日中痛み、それが時おり発作的な激痛に変わり、その時は吐き気や痙攣様の振えも生じるそうです(☚計8回きうきぅ搬送されています)。先述の様にこの症状は、どの様な薬も無効で、いつもその痛みが自然に軽減する事を待つしか無いそうです。発熱は無いそうです。
・どの病院でも、血液検査や画像検査で全く異常が見当たらず。健康な状態と言われるそうです。ただ唯一、ある病院の画像検査で「胆嚢が小さいから緊張型の胆道ジスキネジーでは」と言われているそうです。
・現在Mさんは、心療内科を受診しておられますが、残る治療方法として胆嚢などの手術も言われているそうです。但し、改善するかどうかは五分五分と言われているそうです。
・Mさんの身長は178cmで体重は75kgですが、半年前の発作が起こる前までの体重は90kgあったそうです。それが、発作が生じるようになって急激に食欲も低下し、現在の体重まで激減したそうです。ただ十代までは体重は60kg台前半で、どちらかというと痩せてガリガリタイプだったそうです。それが20代中頃から太り出し、先述の様に90kgの体重になっていたそうです。
・体重が90kgあったころ、某病院で脂肪肝の指摘を受けた事があるそうです。5診目に、左記の病院で再検査したところ、脂肪肝は改善していたそうです。
・16才と30才の時に尿路結石になったそうです(☚多分、右側の尿管だったそうです)。
・17才の時に、交通事故で右の股関節の脱臼骨折などの外傷経験があるそうです。
・排便は毎日あり、便の色は普通だそうです。今まで、褐色尿や灰白便あるいは黄疸、身体のかゆみなどの症状は(発作時も)無かったそうです。
・肺炎、気管支炎などの既往は無いそうですが、3年前に右季肋部(T6,7,8,9領域)に帯状疱疹がでたそうです。
・子供の頃から虫歯は多かったそうですが、中耳炎、鼻炎・副鼻腔炎などは無かったそうです。
・踵落とし衝撃試験は陽性で、胸、背中と右季肋部に痛みが走ったそうです。
・胸腹部聴診上、心音や呼吸音に特記する所見はありませんでした。血管雑音もありませんでした。グル音はかなり弱く聴取できました。
・胸部触診上、右の胸郭全般に癒着感を強く感じました。左の胸郭も、軽度の癒着感がありました。
・打診上、右肋骨部、右季肋部と右の下部肋骨部、腰背部に、叩打痛がありました。
・腹部触診上、右の腹部全般に緊張と圧痛が広がっていました。特に心窩部から右季肋部と、肝円索から臍~正中および右内側臍索にかけての縦のライン、そして右の恥骨結節直上に、著明な緊張と圧痛がありました。初診時の上腹部は、全般的にピンと強く緊張し圧痛もあった為(☚筋性防御?)、手指を深く押圧できる状態ではなかったですが、3診目に、右季肋部の緊張が少し緩和したので同部を深く触診すると、十二指腸球部のすぐ肛門側で、小指の先ほどの大きさにまで極めて硬く緊張した、オッディ括約筋と思われる硬結部を触診できました。同硬結部は著明な圧痛もありました。また、十二指腸球部-下行部全般に疲弊している触感がありました。6診目には、さらに右季肋部の緊張が緩和したので、同部を深く触診すると、胆嚢と思われる、非常に硬く緊張した袋状組織を触れました(圧痛は強く、表面平滑で凹凸不整は無し)。

 



➂ 治療目標と整体治療…オッディ括約筋の緊張を解放する
     ⑴    胸膜や腹膜の緊張部位を解放する
     ⑵    オッディ括約筋(十二指腸)の緊張を解放する
     ⑶    胆嚢~胆管の緊張を解放する
     ⑷    腹腔神経節および大・小内臓神経の機能失調を解放する

・胸膜解放テクニック
・縦隔解放テクニック
・肝円索~肝鎌状間膜~肝冠状間膜解放テクニック
・横隔膜解放テクニック
・オッディ括約筋解放テクニック
(☚3診目より追加)
・十二指腸解放テクニック (☚3診目より追加)
・胆嚢解放テクニック (☚6診目より追加)
・腹腔神経節解放テクニックク (☚6診目より追加)
・大・小内臓神経解放テクニックク (☚6診目より追加)

 




④ 経過と結果・・・6診目でほぼ寛解 !!
・初診治療後、

「あっ、胸とか背中とか、痛みが半分くらいに減っています」と仰っていました。


・2診目来院時、

前回治療後に痛みが5/10に改善している状態は続いていました。Mさんは、「今までたくさんの治療をしてきましたが、ここまで良かったのは初めてです」と喜んでおられました。ただ、「便が少し多く出ましたが、軟便でやや黄色がかった色の便でした」と仰っていました。また、「背中が痒かったです」とも仰っていました。尿の色は普通だったそうです。2診目の治療後、その痛みは3/10程度にまで軽減していました。


・ところが3診目来院時、

「今朝くらいから、右の肋骨の下部中心に、その深い所からえぐい痛みが吹き出てくる感じで、辛いです。それが右胸の方と右わき腹にもあって、動けないです。」と仰っていました。そこで今回は、初診、2診目と違い、胆道ジスキネジーの整体治療を施術したところ、右季肋部深部に、オッディ括約筋と思われる、小指大の極めて硬い緊張部を触診できました。施術後、その痛みは3~4/10程度にまで軽減し、その緊張部も、半分くらいにまで改善していました。


・4診目来院時、

「発作は無かったですが、右の背中からわき腹~肋骨の下にかけて(☚面状の)、何とも言えない重痛い感じがしています。ただ痛みは5/10くらいですから、何とか仕事は出来ていますが、長時間は辛いです」と仰っていました。施術後、前述の重たい痛みは、ほとんど解消していました。


・5診目来院時、

「発作はありませんでした。やはり痛みはありますが、仕事も何とか一日こなせるようになっています。でもまだ、右の胸(右胸骨右縁)から胆嚢にかけて「ノの字」の様な(☚筋状の)、痛みに近い違和感があります」と仰っていました。施術後、その痛み様の違和感は解消していました。またオッディ括約筋と思われる緊張部も、1/3程度にまで小さく、そして軟らかくなっていました。


・6診目来院時、

「(前回の治療から)2~3日はマシでしたが、その翌日から右の背中から右胸と、時おり左の背中にかけて重痛い重圧感がありました。ただそれは波状で、軽快する時(3/10)と増悪する時(7/10)が交互にきています」と仰っていました。施術中、今まで治療していたオッディ括約筋の緊張はかなり緩和していました。そして今回、右季肋部の皮膚の緊張が緩和していたので、同部の深部を触診したところ、非常に硬く緊張した胆嚢を触れました(圧痛は強く、表面平滑で凹凸不整は無し)。そこで同部を解放する整体治療を施術しましたが、その際中に右胸などに放散痛が生じていました。施術後は、施術前の症状はほぼ全て解消していましたので、これで様子をみて頂くことにし、今回の集中治療を終了する事にしました。

 



⑤ 今回の症例の概説、、、
◆ 整体師人生の中で最悪の胆道ジスキネジー症例でした…

・半年の間に数十回に及ぶ胸から背中にかけての原因不明の激痛発作、そしてたび重なる救急搬送で運ばれたMさんの病名は「胆道ジスキネジー(緊張亢進型) 下記注」参照」とのこと。この病名は知っていましたし、この疾患で来院された患者さんも少なからずおられました。しかし今回のMさんほど重篤な胆道ジスキネジー患者さんは初めてでした。

 

 

◆ 胆嚢が触診できないくらいの胸腹部緊張状態 !!
胆道ジスキネジーとは、自律神経やホルモンの異常によって、胆嚢から胆管~十二指腸にかけての胆汁排出がうまくいかなくなる病態と考えられています。胆石や胆嚢腫瘍の様に構造的な病変があるのではなく、先述の様に神経的orホルモン的異常による機能的な疾患とされています。


・ただ初診当初のMさんの胸腹部が極めて緊張状態にあった為、その肝腎な胆嚢や胆管、オッディ括約筋を触診する事が難しく(☚胆嚢や胆管、オッディ括約筋は腹腔の最深部に位置する)、最初の1,2診は胆嚢や胆管以外の部位(☚緊張状態にある胸膜や肝円索~肝鎌状間膜~肝冠状間膜など)を解放する整体手技しかできませんでした。


・それでもMさんの激痛発作がかなり軽減したのは、過緊張した胆管やオッディ括約筋部の緊張が(☚ひょっとしたら炎症状態にあったかもしれません)、これらの胸膜や肝鎌状間膜etcにまで波及し、それを整体手技で緩和したためにMさんの激痛が緩和したのかもしれません。

 

 

 

◆ 3診目でようやく胆嚢-胆管-オッディ括約筋の施術が可能に…オッディ括約筋の肥大に驚き !!
・ですからここまでの治療では、肝腎の胆嚢、胆管、オッディ括約筋への施術は出来ていませんでした。ところがやっと、3診目になってようやく腹部の緊張がとれてきたので、胆管やオッディ括約筋への施術を試みる事になりました。慎重に右腹部へ手指を挿入し、オッディ括約筋と思われる部位に手指が到達して、非常に驚くべきことが分かりました。

 

・それはオッディ括約筋と思われる部位に、小指大の極めて硬い緊張部を触診できた事です。正直言って、今までにこんなに大きくて硬く緊張したオッディ括約筋を触診した事は、後にも先にもこの時が初めてでした

こんだけ硬けりゃ、そりゃ胆汁も排出できんわ!!」と思いました。

 

 

 

◆ 患者Mさんも「そこや、そこが一番の悪い所や !!」・・・
・そこでこの緊張したオッディ括約筋と思われる部位の緊張を解放するべく、優しく丁寧に施術していきました。その間Mさんは、痛みに堪えながらも、「あっ~~、そこゃ。そこが一番の悪い所や!!」と仰っていました。ただ施術後は、痛みも3~4/10程度にまで軽減し、その緊張も半分くらいにまで改善していました。そして次の4診目、5診目と改善傾向を示し、6診目にはほぼ全ての症状が解消していたので、今回の施術でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

◆ 脂肪肝と帯状疱疹の既往が胆道ジスキネジーの遠因か ?!
・ところで今回のMさんの症例ですが、その根本的な胆道ジスキネジーの原因として、Mさんの脂肪肝と、それに関連していると思われる3年前に罹患した右季肋部(T6,7,8,9領域)に帯状疱疹(ヘルペス)にあるのでは、と思います。


・ここからは憶測ですが、脂肪肝によって膨張した肝臓が隣接臓器(特に血管)を圧迫し、その血流減少により右季肋部(T6,7,8,9領域)の局所免疫が減退した事で右季肋部(T6,7,8,9領域)の帯状疱疹が発症したその後遺障害として、T6,7,8,9領域)由来の大・小内臓神経が失調状態に陥った

 

 

・さらに脂肪肝による隣接臓器の圧迫現象として、腹腔神経節大・小内臓神経から胆嚢~胆管~オッディ括約筋に向かう神経を絞扼し、その伝導障害によってオッディ括約筋などの自律神経失調が生じ、緊張亢進型の胆道ジスキネジーが発症したのでは、と思います。

 

 


・以上は憶測ですが、その観点からの治療も必要かと思い、再発予防もかねて、腹腔神経節解放テクニックク大・小内臓神経解放テクニックなどの施術も6診目より追加した訳です。これでMさんの再発は無い、と言い切れませんが、少しでも長く、再発を防ぐことが出来れば、と思います。

 





注) 胆道ジスキネジー 緊張亢進型
胆道ジスキネジーは、自律神経の失調やホルモン分泌の異常などによって胆嚢から胆管を経て十二指腸に分泌される胆汁の分泌障害によって生じる機能的疾患とされます。その緊張亢進型とは、胆嚢が収縮して胆汁が胆管に流れ出しているのに、その胆管の出口であるオッディ括約筋部も収縮して十二指腸に排出できず、結果的に胆管内の胆汁内圧が上昇する事になって、右季肋部痛、右背中痛、吐き気などの、胆石発作様の症状を呈する疾患です。
胆道ジスキネジーには、他に運動亢進型と緊張低下型があります。

 

 

 

 

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