美しいハーブの揺れる花壇 〜団地の一隅に、今は亡き作り手の想いを伝えて・・・〜 |   ハーブで彩る衣・食・住 (NPO・ジャパンハーブソサエティー横浜支部)

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     美しいハーブの揺れる花壇
            
        団地の一隅に、今は亡き作り手の想い伝えて・・・
 
 横浜市内のJRの駅からほど近いところにある高層の団地。その敷地内の一角に花壇があることは以前から知っていました。でもなかなかお邪魔する機会がなくてそのまま月日が経ちました。
 初めて見せていただいたのは先月半ば、横浜市の優秀活動団体にエントリーするから推薦文を書いて欲しいと言われ、行きました。
花壇は団地の外側からは少しも見えません。角を曲がり、花壇を前にすると、ひと目で作り手の方の思いが伝わってきました。細やかな色合わせ、珍しい品種の数々、、大きくのびのびと育ったハーブ、きっと小まめに目配りされ、手入れをされてきたのに違いありません。植物は土に植えられ、高さを調節した鉢に植えられ、時には額縁の枠から顔を出し、ブルーに塗られた手づくりの木製フェンスと見事な調和を見せていました。私はご一緒した方にあれこれ説明しながら、夢中になって隅から隅まで花壇を見続けました。
 3カ所の花壇はそれぞれの特徴をもち、服飾業界で活躍されていたという作り手の方が渾身を込められたその思いまでが伝わってくるようでした。私は心から感動してその日中に心を込めて推薦文を書かせていただきました。後日、その花壇は横浜市の最優秀賞に選ばれました。作られた方はとても喜ばれたそうです。推薦文がお役に立ったと聞き、私もとても嬉しく思いました。
 ところが晴れの表彰式のステージに長年花壇を作り続けた方は不在でした。病気だったその方は、表彰式のほんの10日ほど前にお亡くなりになったのです。代わりに表彰状を受け取られた奥様の横に私は以前一度だけお会いしたその方を確かに見ました。ご本人に代わって親友が花壇の活動を発表されたステージにその方も立っていらしたのです。
 あの日からまた日が過ぎて、私は時々美しいハーブの揺れる花壇を思い出します。