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腸はなぜ「第二の脳」と呼ばれるのか…体をうまく機能させるには腸を整えることが不可欠




消化器に問題がないのに、慢性的な腹痛、便秘、下痢を繰り返す過敏性腸症候群(IBS)を患っている人は多い。以前はストレスが原因といわれ「忙しい生活の見直しを」とアドバイスされたが、いまは「腸内細菌叢」(腸内マイクロバイオータ)や「短鎖脂肪酸」(善玉菌が食物繊維を分解する時に作り出され、エネルギー源以外にも腸内環境を整え、免疫機能の調整などに使われる)が原因とされる。これらがヒトの行動に影響すると考えられているからだ。


 いわゆる「腸脳相関」といわれるもので、いまや腸の健康は長寿に欠かせない。そもそも腸は食べ物から栄養を吸収するだけの存在ではない。体を守る免疫をコントロールし、腸のさまざまなセンサーで収集した栄養吸収の情報を脳に伝えて摂食行動の制御などに関与している。つまり、腸の具合が悪くなると、体全体のバランスが崩れて心身ともに調子が悪くなり、細胞がダメージを受けやすくなり、老化が進む。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。



「腸壁が弱ってミネラルやビタミンなど重要な栄養素の吸収が低下すると、体の修復やパワーアップに必要な材料が不足します。腸には、体全体の免疫システムの7割が集中しています。その機能低下は病原体の侵入を許し、体が炎症を起こしやすくなります。炎症が続くと、過剰に産生された活性酸素がタンパク質やDNAなどを酸化し、細胞を老化させていきます。その結果、全身のさまざまな臓器が劣化し、体全体が老化していくのです」

 腸が「第二の脳」と呼ばれるのは、神経細胞が脳に次いで多く、構造も似ているからだ。

「ヒトの腸管には多くの神経細胞が存在し、その数は脊椎の神経細胞総数に匹敵します。こうした神経細胞で形成された腸独自のネットワークにより、腸の蠕動運動、消化液の分泌、血流制御などが独立して行われています。さらに、腸は脳と緊密に連絡を取り合うことで食行動や気分やストレスにも対処しています。腸管神経節には神経細胞とグリア細胞が存在し、多くの点で脳の中枢神経系の構造に似ています。そうしたことから、腸はもうひとつの脳とも呼ばれているのです」

 最新の研究で、腸は脳以外の臓器とも情報交換していて「腸肺相関」「腸肝相関」「腸腎相関」「腸筋相関」も見つかっている。

■「ニューロポッド細胞」という発見

 では、腸と脳はどのような情報を、どのような方法でやりとりしているのか?

「腸は、体に取り込んだ栄養素を逐一報告し、脳は足りない栄養素と量を判断して不足分を見つけ、食べるよう全身に指示したり、毒と判断したら下痢して体外に排出するよう命じます」

 腸内の情報は複数のルートで脳に伝えられる。例えば腸内細菌が作り出した代謝物が血液を介して脳に届けたり、腸内分泌細胞にホルモン分泌を促し、そのホルモンにより脳に届けたりする。ただし、こうした伝え方は時間がかかる。

「ところが近年になって腸の情報をダイレクトに脳に伝える仕組みが発見されたのです。それが『ニューロポッド細胞』です」

 ニューロポッド細胞は、腸管内に存在する特別な分泌細胞で、電気的に興奮し、ホルモンと神経伝達物質を同時に分泌して、エネルギー源となるブドウ糖やショ糖を腸管内で吸収した情報を求心性迷走神経を介して速やかに脳に伝え、摂食行動や満腹感の調整に関与する。実際に腸に直接ブドウ糖を投与したマウス実験でそれが確かめられている。

「この細胞が面白いのは舌では見分けのつかない甘味の違いを、分泌する神経伝達物質を変えることで他の栄養素の情報とは別ルートで素早く脳に知らせることです。ヒトは砂糖も人工甘味料も同じように甘く感じますが、カロリーのある砂糖を好むのはこの細胞によるものだといわれています」

また、糖質だけでなく脂質やタンパク質にも素早く反応するニューロポッド細胞もある。私たちが糖、脂質、タンパク質といった3大栄養素を好むのは、この細胞がエネルギー源のモニターを絶えず行っているからともいわれている。

 腸の状態は精神にも影響することがわかっていて、腸内マイクロバイオータの組成を整えることで自閉スペクトラム様症状やうつ症状が改善したとの報告が増えている。

「いまや頭脳や体をうまく機能させるには、腸を整えることが不可欠なのです」







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