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いい加減な眠り、安易なクスリはどんどん健康を蝕む…睡眠の世界的権威が眠れない日本人のために全てを網羅


 睡眠で悩む日本人は多い。なにしろ、日本人の平均睡眠時間7時間22分はOECD加盟国でも最短。



①睡眠が十分取れていないと認知症リスクが4倍に

「アメリカのタウブ研究所が行った65歳以上の非認知症患者1041人を対象にした追跡調査では、十分に睡眠を取れていないグループの認知症発症リスクが4倍になりました。また、欧米先進国と日本の認知症有病率・発症率の長期的な傾向を比較すると、欧米は下がっているのに日本は上がっているのです。これは睡眠と関係があるのではないか。例えば、スウェーデンは過去10年で男性の認知症有病率が6割減った。イギリスは過去20年で男性4割、女性2割減、米国は30年で発症率が44%減。それなのに、日本の全原因性認知症有病率は5%近く増えている。アルツハイマー型認知症発症率は14.6%(1988年)から28.2%(2002年)です。確定的なエビデンスはありませんが、睡眠の差によるものであるのは容易に想像ができるのです」(柳沢正史氏、以下同)

 アルツハイマー型認知症では、脳内で神経細胞が死滅し、脳が萎縮、アミロイドβというタンパク質が固まったものが現れる。いわゆる脳内老廃物で、これが蓄積すると認知症が進行すると考えられているが、米国の国立アルコール乱用・依存症研究所の研究によると、一晩の徹夜でもアミロイドβ量が増えることがわかった。

「睡眠中に脳の中ではこうした老廃物を洗い出しているという説があります。つまり、睡眠が不足すると、十分に洗い出せなくなり、老廃物がたまるという説です。この説は専門家の間でも賛否両論あり決着はついていませんが、長期にわたる睡眠不足が認知症のリスクを増やすという、入り口と出口はハッキリしています」

 恐ろしいデータはまだたくさんある。

②睡眠不足は免疫力を弱め、がんにかかりやすくなる

 東北大の研究グループが40~79歳の日本人女性約2万人を8年間追跡調査したところ、平均睡眠時間が6時間以下のグループは7~8時間のグループに比べて、乳がんの発症率が1.62倍になったという。同様に男性2万人の調査では前立腺がんのリスクが2.08倍になったというから、衝撃だ。

「睡眠不足になると、免疫系の一部であるナチュラルキラー細胞の活性度が低下する。人間の体にはもともと、毎日がん細胞ができる。それを免疫細胞が排除する。睡眠不足で免疫細胞の活性度が低下すると、がんを制御できなくなるのです」

③睡眠不足はメタボになる

 これも怖いデータがある。アメリカの研究で4時間睡眠グループは9時間睡眠グループに比べて、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの血中濃度が低下し、食欲を増進させるホルモン、グレリンが増えたというのだ。その結果、脳が食べ物を要求する。

 ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も増加し、飲食による脂肪の蓄積も促進される。これに睡眠不足による運動不足が重なるのだから、メタボに向かって一直線だ。

「十分な睡眠を確保すれば、ホルモンバランスが整い、食欲をコントロールできるようになるのです。寝る子は育つといわれますね。私は寝ない大人は横に育つ、つまり太る、と警鐘を鳴らしています。睡眠時間が6.5時間未満の人が1時間睡眠を増やしたところ、食欲が落ち着き、エネルギー摂取量が日々150キロカロリー減ったというシカゴ大の研究もあるほどです」

 それでなくても睡眠不足はイライラを生む。コミュニケーション力や理解力を低下させ、利己的なふるまいをしがちだ。人間関係が悪くなり、仕事の生産性も落ちる。こうしたことが企業の利益率を減少させ、景気が悪化すれば、殺伐とした社会になってしまう。

「世界と比較しても日本人の睡眠時間は短い。大げさでなく、失われた30年の原因のひとつは日本人が抱える睡眠負債なのではないか。そんなふうに思うほどです。日本人は長寿といわれますが、健康寿命の観点から言うと、それほどでもない。医療費もどんどん増えている。どうしたらみんなが健康で長生きできるのか。長期的な睡眠不足や睡眠障害はメンタルの不調だけでなく、高血圧、糖尿病などを招くメタボ、認知症やがんなど、あらゆる病気のリスクを上昇させることがわかっています。睡眠というものにもっと真剣に取り組むべきだと思います」

 良質な睡眠を確保することはお金がかからない健康法だ。ぜひとも、皆が取り組むべきなのである。



【依存症に注意 睡眠薬の正しい飲み方】


 慢性的な睡眠不足の日本人。成人の4人に1人は睡眠に関しての悩みを抱えているとされる。入眠困難、中途覚醒、早期覚醒などさまざまだ。

 お年寄りになると、中途覚醒が増え、睡眠時間も短くなる。

 そこで、睡眠薬に手を出す人も多いのだが、薬に頼る前に、自分が本当に眠れていないのかを正しくチェックする必要がある。脳波を取ると、「眠れない」と悩んでいる人が実はちゃんと眠れているケースもあるからだ。それを睡眠誤認という。

 また、50代以上になると、一晩に数回は中途覚醒があるのが普通だ。レム睡眠、深睡眠の量も減り、「若いころに比べてよく眠れない」と思うようになる。これらは健常な加齢によるものなので、気にしない方がいい。

「むしろ気にし過ぎると、不眠症の入り口に立ってしまう」

 それでも眠れなければ、部屋を暗くする、入眠儀式を行うなど、まずは睡眠習慣を改善してみる。

 それでもダメなら薬物療法、睡眠薬ということになるが、これも多くの人が飲み方を誤解している。

「まず、いま出ている不眠症治療薬は非常に安全です。ですから、過度に副作用を気にする必要はありませんが、後にどうやって睡眠薬から卒業するかを最初から主治医と相談しながら飲むべきです。ずっと飲み続けるのではなく、不眠のキッカケとなっているものを取り除くのにどれくらいかかるか。何カ月で卒業するという計画を立てることです」


 睡眠薬には3タイプある。GABA受容体作用薬(マイスリー、ハルシオンなど)、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラなど)だ。不安や緊張を和らげる抑制性神経伝達物質GABAの作用を増強するGABA受容体作用薬は即効性があり、シャープに効くが、欠点として依存症や耐性の副作用がある。

 それに対して、オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒を促進する神経伝達物質オレキシンを抑える薬で、依存症などの副作用は極めて少ない。

「ですから、卒業しやすいオレキシン受容体拮抗薬を飲むのがいい。GABA受容体作用薬を飲んでいる人は途中からオレキシンを併用し、時間をかけてGABA受容体作用薬を減らしていくというやり方があります。いきなりGABA受容体作用薬を切ると眠れなくなるリスクがあるので、オレキシンと重ねて、徐々に量を減らしていく。こうして、オレキシン受容体拮抗薬に切り替えれば、こちらは依存症がないので、卒業できます」

 とはいえ、こうした卒業計画を考えながら処方してくれる医者が少ないのも事実だ。

「そこが問題なのです。睡眠薬を処方する医者の多くは睡眠のことをよく知らない。内科医でも耳鼻科医でも眠れないというと、すぐ薬を出す。睡眠専門クリニックに行くことをお勧めします。いずれにしても、長期間、睡眠薬を飲み続けるのはよくない。認知症のリスクも上がるし、メンタルの弊害も出てくるとされています。1年以上飲み続けている人は依存症かも。卒業を考えなければいけません」

 睡眠薬に長期にわたって安易に頼るのは禁物なのだ。











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