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「朝の歯磨きは食前・食後?」 歯科医師・医師が教える毎日の正しい歯磨き習慣で腸内環境も改善する


<歯磨きは一日何回するのが良いの?どれぐらいの時間が必要?歯ブラシの交換のタイミングは?歯みがき剤の選び方、マウスウォッシュは? 歯の健康にかかわる様々な疑問に専門家が回答する>

年を重ねても生き生きと過ごすにはどうすればいいか。70歳を超えて元気に生きていくためには、食べる力を落とさないことが重要になる。その際に重要性を強調したいのが食べ物の入り口である「口の中」でありそのケアだという。

【歯科衛生士は歯みがきの先生】

現在は、歯科医院に行くと、口腔こうくうケアのプロフェッショナルである歯科衛生士が歯みがきのやり方を指導してくれます。人によって歯並びや歯の状態が違っているので、自分ではきちんとみがいているつもりでも、実際にはプラークが取れていないことがあります。歯科衛生士はそうしたみがき方の弱点を指摘し、みがけてない歯をきれいにするにはどういうふうに歯ブラシを当てればよいかなど、きめ細かなアドバイスをしてくれます。ですから、これからまじめに歯周病予防のための歯みがきを始めようと思っている人は、一度、歯科衛生士に教わるのも一つの方法です。歯科衛生士はその人の歯並びなどを考慮して、どんな歯ブラシを選べば効果的にみがけるのか、また後述する歯間ブラシのサイズや使い方などについても教えてくれます。とくに歯の異常がなくて歯科医院に行くのであれば、本稿に歯科衛生士に歯みがきのやり方を教えてもらえると書いてあったので、一度歯を診てくれませんか? といえばよいでしょう。

【操作性のいいコンパクトで「ふつう」の歯ブラシを】

ドラッグストアに行くと、何十種類もの歯ブラシが並んでいます。どれを選べばよいか困ってしまいますね。最近では、歯周ポケットに入っても歯肉を傷つけないように、毛先の先端が丸くなっているものとか、いろんなタイプの歯ブラシがあります。私たちは、歯肉に炎症、知覚過敏のある方には一時的にやわらかめをお勧めします。そうでない方は、「ふつう」を選んでください。

「かため」の方がきれいにみがけそうな気もしますが、力を入れすぎたとき歯肉を傷つける恐れがあります。歯並びが千差万別なように、その人に合う歯ブラシも千差万別です。いろんなタイプを次々に試していけば、自分にピッタリの歯ブラシが見つかるかもしれませんが、なかなか見つからない可能性もあるわけです。歯ブラシ選びに迷っている人にお勧めなのは、毛先が平らになっている「フラット」タイプで、ヘッドがコンパクトな歯ブラシです。コンパクトな歯ブラシは、一回でみがける面積が少ないので効率が悪いと思われるかもしれませんが、1本の歯につき裏と表をみがいていくのであれば、コンパクトなほうが操作性はよくなります。例えば、歯肉と頬の間が狭い人でも、コンパクトなら奥まで入っていきます。めんどうくさいと思うかもしれませんが、ここはコンパクトで丁寧にみがいてほしいと思います。

【歯ブラシ交換の目安は1カ月】

歯ブラシは毛先が少しでも広がり出したら交換してください。毛先が広がると、プラークをきれいに落とすことができなくなってしまうからです。「えっ、私は1週間で広がってしまうけど......」という人がいるかもしれませんが、1週間で毛先が広がるのは早すぎます。みがく力が強すぎるのではないでしょうか。気持ちよいと感じるくらいの強さで、小刻みに歯ブラシを震わせるみがき方なら、1~2週間で毛先が広がることはないと思います。歯並びなどによって歯ブラシの寿命も異なりますが、目安としては1カ月くらいだと思います。歯に当てる強さの目安は、歯ブラシを手の甲に押し当てて、パッと離したときに、じんわりと赤みが戻ってくるくらいの強さです。意外に弱い力だと思われるかもしれませんが、そのくらいの強さでみがいて、1カ月くらいが交換のタイミングであれば、適切な使い方をしているといえます。なお、古い歯ブラシはトイレの細かい部分の掃除などに使えるので、捨てずに掃除用具と一緒に置いておくのがお勧めです。

【大切なのは「タイミングときちんと磨けているか」】

何分みがけばよいのか? ということを、みなさん知りたがります。これは歯科医師によっても意見が違いますし、何分がベストとはいえません。その上であえて時間となると、少なくとも、5分は必要です。大事なのは、時間ではなく、きちんとみがけているか。またタイミングが大事であると、日頃お伝えしています。ただ時間をかけてダラダラみがいても、案外みがけてないことがあります。基本は集中して短時間でみがいたほうが効率がよいと思います。また歯ブラシだけでなく、本書で後述する歯間ブラシやデンタルフロス(以下、フロス)、舌みがきの時間などを加えると10分はかかると思います。ですから、「何分?」という質問に対しては、「歯ブラシだけで5分は必要」という答えになります。食べかすは歯と歯の間や、歯と歯肉の間にたまりやすいので、急いでみがこうとすると、2~3本の歯を一緒にみがくことになってしまい、大事なところにみがき残しが出てくる可能性があります。本当のことをいえば、時間ではなく、すべての歯と歯肉の間と、歯と歯の間(いずれも裏表)をみがくことが重要です。

【就寝前は10分以上時間をかけてみがく】

1日3回といいたいところですが、大事なのは回数よりもタイミング、つまりいつみがくかということ。そして一番大事な時間帯は、寝る前です。歯周病菌が夜寝ている間に繁殖しやすいのは、寝ているときに唾液の分泌が少なくなるからです。唾液には殺菌作用があるので、唾液の分泌が盛んな日中は、歯周病菌は就寝時よりはおとなしくしています。ですから、歯周病菌の温床となるプラークを寝る前にしっかり落として、歯周病菌の繁殖を抑えないといけません。お酒を飲んだ後に歯みがきをするのは大変かもしれませんが、歯を失わないための一番重要な歯みがきは夜なので、舌みがきなどを含め10分以上時間をかけて、しっかりみがくようにしてください。もう1つ大事な時間は、朝起きた直後の歯みがきです。朝は必ず朝食後にみがいているという人がいますが、それよりも重要なのは、起床直後です。朝起きた直後はまだ唾液の分泌が少ないので、口腔内環境が劣悪な状態になっています。寝る前に歯をきちんとみがいていても、口腔内の歯周病菌がゼロになるわけではありません。口腔内には、歯周病菌が残っています。この口腔内にいる歯周病菌を飲み込んでしまうと、胃を通過して腸にまで達し、腸内環境を破壊するともいわれています。


【歯周病菌を飲み込むと腸内環境が悪化する】

朝起きた直後に白湯を1杯飲むという健康法が最近流行っていますが、これは絶対にしないでください。こんな時間に白湯を飲んだら、歯周病菌を飲み込むことになってしまうからです。それよりも、朝起きてすぐ歯をみがいて口腔内をきれいにしたほうが効果的です。どうしても、歯みがきの時間があまりないという人は、口の中をゆすいで口腔内の悪い菌を吐き出してください。何もしないよりはよいと思います。もちろん、朝起きてすぐ歯みがきをしているのであれば、朝食後もみがきたい人はみがいてかまいません。食事の後は歯と歯のすき間などに食べかすが残っていますから、それを取り除くのはよいことです。同じ理由で、昼食後の歯みがきが習慣になっている人も、今までどおり続けてよいのです。これらの歯みがきは、夜の歯みがきよりも短時間でかまいません。食べかすがたまりそうなところを重点的にみがくのでもよいと思います。