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松下幸之助の言葉に学ぶ「成功し続ける人」と「一発屋で終わる人」の違いとは?



成功体験をもつ人は

「Goodの罠」にハマりやすい

 未知の分野に挑戦して、成功した体験によって自信を持ち、自己肯定感を高めることは、経営者として大事なことです。ただし、あまりに成功体験に酔ってしまうと、人は傲慢(ごうまん)になり、弊害の方が大きくなります。

例えば、会社経営がそこそこに成功すると、周囲がちやほやしてくれるでしょう。地域によっては名士という肩書が手に入り、自分が偉くなったように感じます。自由に使えるお金も増えるので、比較的ぜいたくな暮らしも楽しめるようになります。しかし、その環境に満足してしまうと、経営者自身のレベルアップは望めせん。

 社外での活動や遊びにうつつを抜かす経営者の姿を見た社員たちの向上心も薄れ、会社の成長が止まってしまいます。

『ビジョナリー・カンパニー(2)飛躍の法則』(ジム・コリンズ著)の冒頭にある言葉「良好(Good)は偉大(Great)の敵である」が示すように、良好で満足してしまうと、偉大にはなれないのです。これが、Goodの罠です。


松下幸之助さんも
謙虚さを大切にしていた


 経営者は成功した時ほど、謙虚さを大切にしなければなりません。松下幸之助さんは心の持ちようとして、「素直であること、謙虚な心を持つこと」が大事だと説きました。

「素直な心」とは、人にさからわない従順な心という意味ではありません。何事にもとらわれず、誰に対しても何に対しても耳を傾けて学ぶ謙虚さを持つことが大事だということです。そして、その先にある考え方が、私がよくお話する「なれる最高の自分を目指す」です。

 松下幸之助さんは、宇宙の原理は「生成発展」であるとおっしゃっています。生成発展は、宇宙に存在するすべてのものは常に生成し絶えず発展するという考え方です。宇宙が生成発展するということは、世の中も生成発展していくということ。そして世の中の発展に貢献する経営を心がければビジネスは成功するというわけです。

 そこで私は、こう考えました。世の中も生成発展しているのなら、自分自身も現状にとどまるのではなく、生成発展しないといけない。つまり、「なれる最高の自分」を目指さなければならないと。「なれる最高の自分」を目指すことは、宇宙の原理にかなっているからです。

成功にも失敗にもとらわれず
謙虚であることこそが発展につながる

 では、「なれる最高の自分」を目指すためには、まず何をすべきなのか。それは、今の自分を反省することです。それも思いついた時に反省するのではなく、普段から「反省する」という習慣を持っていることが大事です。

 成功体験に固執したり、自分のやり方に執着したりしていると、反省するという気持ちを持ちにくいし、自分の殻を破ることができません。

 しかし、話は「素直、謙虚、反省」では終わりません。

 私が今でも親しくさせていただいている経営者がいます。その方が一代で東証プライム上場会社を作った後で、二人で食事をする機会がありました。私が「素直、謙虚、反省は経営者に必要なことですね」という話をしたところ、その経営者は「それでは足りない。私は自己否定をしています」というのです。

 世間的には大成功した経営者の口から出た「自己否定」という言葉を聞いて、私はショックを受けました。「反省、素直、謙虚」では、まだ足りないのです。ましてや過去の成功体験にとらわれていては、「なれる最高の自分」を目指すことなどできません。

 私が高校生の頃、母に般若心経の写経を勧められたことがありました。それは薬師寺さんの写経だったのですが、般若心経の最後には、「かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心 ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空の心なり」とありました。

 人は成功しても失敗してもとらわれる。そうすると人生は苦しくなります。

 成功体験を糧にすることは悪いことではないけれど、とらわれてはならない。そして何か決断をする時は、私の考え方はかたよっていないか、何かにこだわっていないかと謙虚に自問する。それを続けることが新たな成功につながり、「なれる最高の自分になる」こと、生成発展につながることだと思います。