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歯の詰め物がはずれたときに「避けるべき」応急処置。飲み込んでも問題ない


お正月は、おいしいごちそうやお餅を食べる機会が増えます。気をつけて食べていたのに、歯の詰め物が取れてしまった、または一緒に飲み込んでしまったということもあるかもしれません。とくにお正月は多くの歯科クリニックが休診で、すぐには診察してもらえないこともあるでしょう。こんなとき、どう過ごしたら良いのでしょうか。


餅を食べているときに歯の詰め物がはずれることも(写真はイメージ)

虫歯治療で使われている詰め物 種類はさまざま

 まず、虫歯の治療で一般的に使われる詰め物の素材について紹介しましょう。詰め物にはさまざまな種類がありますが、主に金属やプラスチック、セラミック素材のものが用いられます。また、種類によって「保険適用」のものと「保険適用外」のものに分けられます。保険適用外のものは自費になるので、適用のものと比べると費用が上がります。

<保険適用>
○金銀パラジウムインレー
 一般的に「銀歯」と呼ばれるもので、さまざまな金属から組成される合金です。強度が高く、奥歯などの力がかかる部位にも使用でき、保険適用で安価に治療することができます。

○CAD/CAMインレー
 プラスチックにセラミックを合わせた素材のブロックを削り出して作成したもの。ベースがプラスチックのため、傷や色がつきやすく、硬いものを食べるときに割れる場合もあります。

<保険適用外>
○セラミックインレー
 セラミックという、ガラス系の素材で作られたものです。硬さがあり、着色や傷にも強く、歯にしっかりなじみます。

○ゴールドインレー
 ベースの素材は金。歯との適合が良く、硬すぎない素材のため、噛み合う歯への負担が低いのが特徴です。ただし、見える位置に入れていると目立つというデメリットも。

粘着性のある餅は要注意 はずれた詰め物を一緒に飲み込んでしまったら?

 餅を食べているときに、古い詰め物などがくっついて取れてしまうこともあります。たとえば、治療から10年以上経っている銀歯ははずれやすいため、できる限り銀歯が詰まっていない側の歯で噛むようにしましょう。銀歯を入れていて心配なら、餅のような粘着物を食べるのは控えたほうが良いかもしれません。

 また詰め物が取れたことに気づかず、そのまま餅と一緒に飲み込んでしまうケースもあるかもしれません。基本的に、飲み込んだ詰め物はいずれ排泄されるので、そのままでもとくに体に影響はありませんが、飲み込んだ際にむせ込みなどがあった場合は、食道ではなく気管や肺のほうで誤嚥している可能性もあるので注意が必要です。そのような場合は、緊急に病院へ行きましょう。胸のレントゲンを撮る際は、詰め物の種類がCAD/CAMやセラミックなどの非金属の場合は写らないことを知っておいてください。

 いずれにしても、詰め物は飲み込まないことが前提です。食事の際は飲み込む前にしっかり噛んで、誤嚥などをしないように気をつけましょう。



取れた詰め物 そのまま歯に戻す? 家庭用の接着剤でくっつける?

 食事中など歯の詰め物が取れたことに気づいたら、回収して保管してください。詰め物が取れてしまい、歯に違和感があるかもしれません。しかし、歯がしみるなどの痛みがない場合は、しばらくは取れた状態で大丈夫です。なるべく早く受診しましょう。もし痛みがある場合は、休日祝日も診療を行っている歯科クリニックへの早急な受診をおすすめします。詰め物の一部が欠けてしまった際も同様です。

一度取れてしまったものは、特殊な歯科接着剤を用いないと歯にくっつけることはできません。詰め物が取れてしまった際に、そのまま詰め物を歯に戻して過ごす人もいるかもしれせんが、戻してもまた取れてしまい、ふとした際に飲み込んでしまう可能性もあるので戻さないようにしてください。

 また、自分の判断で、自宅にある日用品に使うような接着剤を使って詰め物を歯につけることも避けてください。詰め物がはずれた歯に虫歯があったり、歯の一部が欠けていたりすると、治療や詰め物の作り直しが必要になります。家庭用の接着剤でつけ直してしまうと、つけ直した詰め物をはずすために詰め物と歯を大きく削らないといけない場合も。さらに、歯科治療用ではない接着剤に含まれている成分で歯の神経が損傷する可能性もあります。

 詰め物が取れたら、ご自身で戻したり、くっつけたりせず、取れた状態で歯科クリニックを受診してください。