30~50歳代は約8割!女性のほうが罹患率の高い「歯周病」の怖さ
だ液不足がもたらす「歯周病」の恐怖
だ液は「美口」を保つための大きなカギを握っています。
天然の殺菌作用を持ち、善玉菌を残して悪玉菌だけをやっつける働きを持つだ液は、口内環境を守るために不可欠なものです。
ところが、ベロが十分に使えていないなどの理由により、だ液の分泌量が不足すると、口内環境は徐々に乱れていき、トラブルの原因となります。
現在、日本人のおよそ8割を悩ませている歯周病もそのひとつ。
歯周病は歯を失うリスクだけでなく、さまざまな病気のもとになることをご存知でしょうか?
そもそも歯周病とは何かというと、これは細菌の感染によって起きる炎症性疾患です。
口のなかにはもともと500~700種類の細菌が常在しており、歯磨きが十分ではなかったり、糖分を過剰に摂取したりすることで発生するプラーク(歯垢)には、1ミリグラム中に10億もの細菌が含まれています。
このプラークが歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」に入り込むと、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉が炎症を起こす原因になります。
これが歯周病の始まりです。
初期の歯周病になったとしても、歯科医院へ定期的に通ってケアすれば問題ないのですが、もしもそのまま放置してしまい、症状が進行すると、歯周ポケットはどんどん深く広くなってしまいます。
そして「歯槽骨」と呼ばれる歯を支える土台の部分が溶け始め、歯がぐらぐらと不安定な状態に陥ります。
さらに症状が悪化すると、歯が抜け落ちてしまうことにもなりかねません。
厚生労働省の調査によれば、「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は3 3 1 万5 0 0 0 人で、そのうち男性が1 3 7 万3 0 0 0 人、女性が194万2000人と、女性のほうが罹患率が高いことがわかっています(平成26年度調査)。
また、年代別の有病率では、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、そして60歳代は約9割と、年齢を重ねるごとにそのリスクは増していることがわかります。
日頃から歯周病予防に努めることの大切さが、よくわかるデータと言えるでしょう。
なお、日本臨床歯周病学会によれば、歯周病を進行させる原因には次のような行為があります。
1.歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
2.不適合な冠や義歯
3.不規則な食習慣
4.喫煙
5.ストレス
6.全身疾患(糖尿病、骨粗しょう症、ホルモン異常)
7.薬の長期服用
歯周病の何よりおそろしいところは、自覚症状が少なく、症状が静かに進行していく点です。
とくに初期の歯肉炎の段階では、痛みもほとんどないため、気づいたときには重度の症状に進行しているケースが多々見られます。
歯周病が時に、メタボリックシンドロームやペリオドンタルシンドロームのような「サイレント・ディジーズ(静かな病気)」と呼ばれるのはそのためです。
まずは、日々のケアを怠らず、ベロ回し体操で口内環境を整え、万病のもとである歯周病やむし歯の予防に努めましょう。
1回たったの1分間!「殺菌ベロ回し」で美口をつくろう
だ液は天然の消毒液として働き、歯周病菌やむし歯菌を撃退し、私たちの体をさまざまな病気から守ってくれています。
いつまでも健康で若々しく暮らすためには、ベロを鍛え、十分なだ液を分泌できる口をつくる必要があります。
そこで考案したのが、「殺菌ベロ回し」です。
この殺菌ベロ回しは、ただ、だ液がたくさん出るだけのものではありません。
次に挙げるような、すごい長所があるのです。
1.サラサラだ液、ネバネバだ液の両方が出る
2.三大だ液腺も一気に刺激できる!
3.歯ぐきの奥に潜む歯周病菌も排除できる
4.舌が鍛えられるので、日を追うごとにだ液が出やすくなる
5.手軽にできる。電車のなかや会議中など
意外と知られていませんが、ベロは筋肉のかたまり。
そのため年齢とは関係なく、いくつになっても鍛えることができます。
ベロを十分に動かせるようになると、だ液腺が刺激され、良質のだ液をたっぷりと分泌できるようになります。
それによって悪い菌を撃退し、口のなかを常に清潔に保つことができます。
殺菌ベロ回しの目的は、雑菌がたくさん棲みついた「汚口」を、「美口」に改善することにあるのです。
「殺菌ベロ回し」をやってみよう!
いつでもどこでも、手軽に実践できる「殺菌ベロ回し」。さっそくチャレンジしてみましょう。
ポイント
・毎日3回、食事のあとに行うこと
・1セット=1分間かければ十分
・口は閉じた状態で!
・ゆっくり!! しっかりと!!
益弘✴︎均®︎ (Hitoshi Masuhiro) 歯科医師|😘戸上軍団@hitosimasuhiroおはニャン!大型連休2日目、僕は診療ですが皆さま今日も素敵な1日をお過ごし下さい。後ほど、Twitterスペース戸上軍団でお会いしましょう。たまにはガチでスタバなう。 https://t.co/jgrHzWFHYj
2022年04月30日 06:23