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歯と健康には密接な関係があることをご存じでしょうか。「生きているうちは、健康であり続けたい」というのは、誰もが願う事ですよね。
2010年に行われた厚生労働省の調査によると、寿命をまっとうするまでに「健康上の問題によって何らかの制限を抱えて生活を送る必要があった期間」は、男性が約9年、女性は約13年であることがわかっています(厚生労働省「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」)。
それでは、高齢になっても健康的に過ごすためには、どのような対策が必要になってくるのでしょうか。今回は、健康に長生きするために知っておくと役立つ、歯と健康の関係について解説していきます。
歯と健康寿命の深い関係とは?
なぜ歯と健康は関係しているのでしょうか。厚生労働省が65歳以上の高齢者を対象とし、2010年に行った調査によると、歯が20本以上残っている「なんでも問題なく噛める人」に比べて、歯が残っている本数がほとんどなく物が噛めないなど、「咀嚼能力が低い人」の認知症発症のリスクは1.9倍、要介護認定のリスクは1.5倍になったそうです。
このように、歯が少なく物が噛めないことが高齢者に及ぼすリスクは、かなり高いことがわかっています。高齢になっても健康的な生活を送るためには、歯を大切にする、なんでも問題なく咀嚼して食べられることが重要だということです。
高齢者の残っている歯の平均本数は?
人の正常な永久歯の本数は28本です(親知らず4本を含むと32本)。歯は45歳頃から抜け始め、高齢になるほど歯は抜けていきます。そして、65歳の平均的な歯の本数は、約21本です。
ほぼすべての歯がそろっている20代のころと比べると、統計的には3割以上の歯が失われていることがわかりました。さらに、75歳になると平均残歯数は15~16本。ほぼ半分の歯が失われてしまうといったリスクが高まります。このように、高齢者は失った歯を入れ歯などで補ったりしながら、なんとか咀嚼して食べられる状態を保っていることが多いのです。
歯を失う原因とは?
歯を失う、治療のために歯を抜く必要がある場合の、おもな原因は以下となります。
歯周病/歯槽膿漏(しそうのうろう)
歯を失う一番の原因は「歯周病」です。歯周病は、溜まった歯垢によって歯を支えている組織が炎症し、破壊されていく病気です。
自覚症状がないため、そのまま放っておかれてしまうことが多く、気付いたら歯が少なくなっていた、なんてこともあるのです。
虫歯(う蝕)
歯を失う、抜歯する原因の2位は「虫歯」です。特に、侵食が進んだ虫歯は、「神経を抜いて治療する必要がある」「歯の根だけを残さざるをえない状態になる」など、歯に大きなダメージを与えます。
破折(はせつ)
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に負担がかかり、歯が折れたり欠けたり(破折)して抜歯する原因になることもあります。さらに、歯周病を加速させる原因にもなります。
ほかにも、歯を失う原因としては、噛み合わせの矯正や親知らずの抜歯などがあります。
歯の健康寿命を延ばす方法
歯の健康寿命を延ばすためには、歯を失う原因に対して対策を練る必要があります。では、どのような対策方法があるのでしょうか。
1. 歯垢を溜めないようデンタルケアを行う
歯周病予防になる一番の対策は、歯垢を溜めない丁寧な歯磨きです。見落としがちな歯間も、デンタルフロスなどを利用してしっかりとケアしていきましょう。歯科医院の定期検診で歯のクリーニングをしてもらうのも大切です。また、治療において歯を削り過ぎないことも重要です。
2. 歯ぎしり・食いしばりに注意する
ストレスや噛み合わせなどが原因で、就寝時に多い歯ぎしりや食いしばりを無意識に行っていることが多いため、かなりの力で歯に負担がかかっている場合があります。マウスピースで対策する方法もありますが、一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。
3. 食生活や生活習慣の見直し
歯周病や虫歯を加速させる、甘い食べ物やタバコ。これらを控えることで、歯を失うリスクを軽減することができます。また、バランスの取れた食事で栄養をしっかり摂取することで、病気に負けない体づくりをすることもできるでしょう。
歯も体も健康を保つために
健康に問題なく日常生活を送るためには、歯を健康に保つことが重要です。まずは上記の対策を、できるものから始めていき、少しでも多くの歯を残して、健康的な毎日を送れるようにしましょう。目指すは、80歳で20本の歯を残すこと。より多くの人が健康で不自由なく生活できることを願っています。
益弘🎧均®︎|歯科医師(Hitoshi Masuhiro)|戸上軍団 最高顧問@hitosimasuhiro今年亡くなった大学の同級生に、以前僕が離婚した時に言われた「お前、今死んでも誰も悲しんでくれる人居ないよ」って言葉が今でも思い出される。正直、その時の自分は自暴自棄になり自死も考えたが、思い直して診療頑張ろうと思った自分を今は褒め… https://t.co/hXBK6527Be
2022年10月01日 05:53