甲子園出場校の宿泊先ビジネスホテルの思惑

大阪府吹田市江坂。ここにはビジネスホテルが数多く立ち並んでいます。
その中でも幾つかのホテルは高校野球甲子園大会出場校の宿泊先として
指定されています。今日ご紹介するのはこちら。



毎大会、青森県代表の宿泊先となっている「ホテルクライトン江坂」。
今大会で決勝戦に進んだ光星学院が宿泊しているホテルです。決勝戦では11-0と大差で敗れてしまいましたが、準優勝校ということもあって朝日新聞社やテレビ各局らが取材の為に詰めかけておりました。



震災被害の復興に励む東北勢代表として決勝にまで駒を進めた彼らとしては、初優勝よりも大きな大義を抱いて戦いに挑んだことと思います。しかし結果は残念なものとなりました。半月以上も親元離れ、この猛暑の関西地区で毎日練習と試合に励んだ彼らの努力と栄誉を讃えたいと思います。

さて、甲子園の出場校宿泊先と言えば、昔は甲子園球場近くの民宿や旅館と決まっていました。いつ頃からホテルに宿泊するようになったかというと、実は阪神大震災以降とのこと。甲子園出場校の宿泊先は県毎に「民宿○○」と決まっていたのですが、震災の影響で多くの宿が被災し閉鎖されてしましました。
宿を利用していた該当県としては団体で泊ることのできる他の宿を甲子園周辺で見つけることができず、神戸や大阪のホテルを指定するようになっていったようです。出場校には高校野球連盟や朝日新聞社からの補助金が一泊当たり7500円／一人支給されるため、食事付きでこの予算内でおさまる宿としてビジネスホテルが主流になっていったというのがこれまでの経緯。

ホテル側は、甲子園出場校宿泊先として指定されたことにより、より幅広い範囲で団体客を誘致しやすくなる様子で、青森県はもとより他府県の違う競技の選手たちの宿泊先としても利用してもらえるよう、盛んに営業活動している模様です。立地、収容人数、といったハード面の条件とともに、安心安全な食事の提供、近郊練習場の確保が容易などソフト面でも充実したホテル側としては、アスリートたちの宿泊先として定着させて自らのブランド向上に努めたいといったところでしょう。


ホテルを利用したアスリート達の記念品

今年、帝京高校が宿泊した旅館「水明荘」も今年で廃業する予定。来年度から東京東地区代表を満足させるだけのハード面、ソフト面を充実させたビジネスホテルは、さてさて一体どこになるのでしょう・・・