InstagramやYouTubeを見ていると、韓国と日本の若者のライフスタイルはまるで正反対に見える。韓国の20~30代は、高級ブランドのバッグを持ち、数万円もするおまかせ料理を楽しみ、高級輸入車に乗る「フレックス(Flex)文化」の象徴のように映る。一方、日本の若者はユニクロの服を着て、自転車で通勤・通学し、外食も牛丼チェーンで済ませる。「さとり世代」という言葉がぴったり当てはまるような、堅実な生活を送っている印象を受ける。

 

「日本は韓国より先進国なのに、なぜ若者はあまり裕福に見えないのだろう?」

「逆に韓国の若者は就職が大変だと言われているのに、どうしてあんなに派手にお金を使えるのだろう?」10代の学生から60代の人まで、両国の若者の消費スタイルを見比べると、このような疑問を抱く人は少なくない。しかし、この違いは単純に「どちらが豊かか」という話ではない。その背景には、韓国と日本で大きく異なる雇用市場の構造と、将来に対する考え方の違いがある。

 

韓国の若者社会は、一言で言えば「ハイリスク・ハイリターン」の世界だ。

大企業への就職に成功すれば、初任給でも年収5,000万~6,000万ウォンを超えるケースは珍しくない。しかし、その狭き門を突破できる人はごく一部であり、多くの若者は長い就職活動や激しい競争、将来への不安と向き合わなければならない。

こうした環境の中で、「どうせソウルで家なんて買えない。それなら今を楽しもう。」

という考え方が自然と生まれ、「フレックス消費」と呼ばれる大胆なお金の使い方につながっている。

 

一方、日本の若者社会は「ローリスク・ローリターン」の構造と言える。

少子高齢化による深刻な人手不足で、多くの企業は人材確保に苦労しており、新卒の就職率は毎年98%近くに達している。韓国よりも就職そのものははるかに容易だが、初任給は何十年もの間、およそ22万~25万円前後で大きく変わっていない。仕事は安定していても、大幅な収入アップは期待しにくい。そのため、「来年も、その10年後も、大きく生活は変わらないだろう。だから無駄遣いはせず、しっかり貯金しよう。」

という価値観が自然と根付いている。

 

両国の違いが最も分かりやすく現れるのが「初任給」だ。韓国では、「日本の大企業なら初任給もかなり高いはず」と思っている人が少なくない。しかし現実は、その逆である。韓国では、サムスンやSK、現代自動車などの大企業であれば、新卒でも年収5,000万~6,000万ウォンを超えることが珍しくない。一方、日本ではソニーやトヨタのような超一流企業でも、大卒新入社員の月給は22万~25万円程度にとどまる。

また、日本では大企業と中小企業の賃金格差も韓国ほど大きくない。これは、日本が長年にわたって年功序列型の賃金制度を維持してきたためだ。若いうちは給与が低く、年齢や勤続年数とともに少しずつ上昇していく。その結果、平均的な日本の若者が自由に使えるお金は、韓国の大企業勤務の若者より少ないケースも少なくない。

 

しかし、ここでもう一つ重要なポイントがある。韓国の高い初任給は、誰もが受け取れるものではない。それは激しい競争を勝ち抜いた一握りの人だけが得られる報酬である。多くの若者は、就職難や熾烈なスペック競争にさらされながら、不安定な未来と向き合っている。そして、ようやく大企業に就職できたとしても、ソウルの住宅価格は給与だけでは到底手が届かない水準まで高騰している。こうした現実が、韓国特有の消費文化を生み出した。「どれだけ頑張ってもソウルで家を買うのが難しいなら、未来のために今の幸せまで我慢する必要はない。ブランド品や旅行など、自分を満足させるものにお金を使おう。」そんなある意味で合理的な諦めが、「フレックス消費」の背景にある。

 

一方、日本の若者は少し違う。彼らは将来を悲観して節約しているわけではない。

むしろ、「来年も10年後も収入が劇的に増えることはない」という社会のルールを理解しているからこそ、自然と堅実な生活を選ぶ。車を所有すれば維持費や駐車場代だけで大きな出費になる。ブランド品を買うよりも、ユニクロや無印良品のような実用的なブランドを選ぶ方が合理的だと考える。だからこそ、自転車を利用し、公共交通機関を活用し、必要以上の消費をしない生活スタイルが定着しているのである。

 

結局のところ、韓国と日本の若者の消費スタイルは「どちらがお金持ちか」という単純な話ではない。韓国の若者は、不確実ではあるものの大きな成功を狙える社会で生きており、その不安定さゆえに「今」を重視する傾向がある。一方、日本の若者は安定した雇用を得やすい社会で暮らしているが、大きな収入増加は期待しにくいため、現実的な支出と貯蓄を重視する。韓国の若者経済が、激しい競争の中で人生逆転を目指し、時には思い切って「今」に投資する社会だとすれば、日本の若者経済は、穏やかで安定した環境の中で、堅実さと節約を選ぶ社会と言えるだろう。つまり、両国の違いは「どちらが豊かで、どちらが貧しいか」という問題ではない。それぞれの社会構造の中で、若者たちが生き抜くために選んだ、最も合理的なライフスタイルの違いなのである。

 

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