バイトで行く現場の新入社員の監督が興味深い。

とあるゼネコンの新人監督さんと一緒にお仕事をしたのだが・・・

仕事内容は、ハツリで出たコンクリートのガラを土のう袋に入れて地下部から地上に上げる作業で、私がガラを詰めてロープのフックに引っ掛け、新人監督さんが引き上げる。

この作業の時、先ず私が土のう袋を50枚は必要だから用意するように言ったのだが、監督さんは「何でそんなにいるの?」と聞く。

私は「50枚でも足りないと思うよ」と答えた。

監督さんは所長さんから私の指示に従うように言われていたので、とりあえず100枚持って来た。

私がコンクリートガラを土のう袋に1/3程入れて一ヶ所に集積し、いよいよ監督さんの引き上げ作業が始まった。

私は一袋づつフックに掛けて引き上げさせていた。

すると監督さんは「2つ行けませんか」と言うので「引き上げるのは貴方だから、貴方が2つづつ上げたいのなら2つ掛けるよ」と言って2つ引っ掛けた。

すると監督さんは最初の二回は引き上げたのだが、三回目にやっぱり一つにしましょうと言い出した。

そこで監督さんに講義。

二つづつ上げれば早いように思えるけど、やるのは人間なんだよ。
3回でへばって休むより、一袋を軽くしてコンスタントに仕事をした方が早く仕事が終わる。

自分でやらずに理屈で考えていたら分からなかっただろ。
仕事をするのは機械ではなく人間だと言う事を忘れ無い様に。

そんな事を話しながら作業を続ける。

その途中で、土のう袋の紐が切れて一袋落下。

そこでまた講義。

反動付けて持ち上げるから切れるんだよ。
ワイヤーロープの安全係数が何故5倍になっているのかこれで分かっただろ。

安全係数が5倍だからと言って、定格以上の重量を吊れば、吊り上げを途中で止めた時などに少しでも弾めば落下事故に繋がるって事だ。

だから、吊り荷作業でワイヤーをフックに引っ掛けるだけなのに「玉掛け」と言う資格が無いと出来ないんだよ。

その他にも、引き揚げ作業を腕の力だけでやっていて疲れた表情になって来たので、体の使い方や振り子運動の利用を講義。

監督さんは、これメチャクチャ楽ですと驚いていた。

この新人監督は素直で見所があるのだが、別のゼネコンの新人監督は少し問題を感じる。

1cm厚、10cm幅、1.8M長のヌキと呼ばれる木材がゴミコンテナに入らないと言っていたので「折って入れれば入る」と言ったら「そんなの折れるんですか?」と言う。

なので、軽く踏んで目の前で折って見せ、簡単に折れるからやってみる?と言うと、帰って来た言葉が「破片が飛んで怖いから僕には無理です」

色々な意味で大丈夫かこいつ?

この二人の新人監督が、どんな監督に育って行くのか興味心身だ。