貞刈容疑者の元妻への切りつけ事件で、カメラを忍ばせた自転車は探偵が仕掛けたと言う事らしい。

大丈夫かその探偵?

探偵業法の第九条に、こう書かれてある。
探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。

経験から言うと、DV系の依頼者は言葉巧みに自分の正当性をアピールして依頼してくる。
その時点で見抜く事は、場数を踏んでいなければ正直言って難しい。

それでも調査を始めると実態が見えて来る。

そうした実態が見えて来たら、まず依頼者を問い質す。
その為に、契約時点で調査内容を使い「ストーカー行為、犯罪行為に及ばない旨の念書」にサインさせている。

それは探偵業法の第七条に明記してある。

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。


依頼時に虚偽があれば、即刻調査は終了、返金もなされない。
依頼時の虚偽とは、元妻を「妻」と偽ったり、別居中の妻へのDV等の有無などだ。

元妻の調査依頼など、何の為にするのか?それを考えればそんな依頼は受けられない。


そもそも被害者が怪しむ程の自転車を使っている所からレベルの低さを感じる。

探偵業法第六条にはこうも書かれている

探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害」とは、調査している事が知られたり、監視されていると疑われるような行為である。

被害者が自転車を怪しんだ時点で、六条違反になっている。

探偵業法の施行は探偵業を適正化する為の法律なのだが、反面素人の参入を容易にさせる法律でもある。

探偵業法が出来るまでは、どうしたら探偵になれるのか? があまり知られていなかった。
まあ「探偵です」と自称すれば探偵だった時代だったのだが、そんな事は素人さんは知らず、知らないと言う事は「分からない」と言う事なので、探偵社の見習いから始めるか、探偵学校に入るしか方法が見当たらなかったのだが、探偵業法が出来て「登録」すれば探偵になれると知った人が、探偵を名乗り始めた。

私の知人でも、探偵業法が出来て「登録制」になった事を聞きつけ「俺もやってみようかな」と言う輩が何人もいた。


推測だが、貞刈容疑者は探偵社に依頼をした時に、結構断られていたのではないかと思う。
そして依頼を受けてくれる所は素人探偵しかいなかったのではないのだろうか?

私なら、旦那と住所が異なる妻の調査と聞いた時点で断る。

こうした依頼は「別居している妻の浮気の調査」と言って来る場合が多いのだが、別居した時点で「何か問題があるから別居」した訳で、別居している妻には別居による「生活の平穏」がある訳で、別居中の妻を調べる事は「生活の平穏」を害する可能性が高いと思う。

そうした事が厄介なので、浮気調査や行動調査は営業項目から抹消して、現在では盗聴や盗撮の調査と、それに伴うストーカー調査しかやっていない。


そして新たに「監視妄想カウンセリング」を開始した。