以前にも書いた事があるが、車の運転にはその人の性格が現れる。
バイト先で色々な人が運転する車に乗り、その性格と照らし合わして見ていると中々面白い。

バイト先のガミガミおじさんの運転する車の助手席に座ると、前の車のナンバーが見えず、その状態で車線変更を繰り返す。

そのガミガミおじさんが、同じ寮に新人が越してきた時の事だ。
やたらと新人の面倒を見ようとする。

最初は「気が合うのか?」と思っていたら、半月ほどしたら急に口も聞かなくなった。

それまで寮から会社の通勤は、同じ寮のガミガミおじさんの運転する社用車に同乗してきていたのが、電車で通い始め、やがて私が通り道で、私が社用車で通ってくれと頼まれ、私が途中で拾っていくようになった。

そこで新人さんから話を聞くと、仲が良かった訳ではなく、押しかけていたらしい。

新人さんからの話しによると、寮は個室なのだが、新人さんが寮に入ると、ガミガミおじさんが新人さんの部屋に入り浸るようになり、新人さんの部屋でビールを飲みそのまま寝て、新人さんの部屋からご出勤していたそうな。

それを社長に言って追い出したと言う事だった。

そうした私生活と車間距離を見ると、人との距離感がそのまま運転に現れている様に見える。

車間を詰めて走れば前の車は「煽られた」と感じ、前の車を追い抜いたらやり返して来る奴らもいる。

やり返されると「バカヤロウ!煽ってきやがった」とか言っているし、「煽ってくるやつが多い」とか言っていて、自分が煽っていると言う自覚が無い。

そんな運転をするので、誰もその人の運転する車に乗ろうとはせずに孤立する。

強がって入るが寂しい人だ。

寂しい人なら普通に接してやれば良い。
普通に接してくれる人が他にいなければ、怒鳴り散らそうとはしなくなり、話を聞くようになり、コントロールしやすくなる。


社長の運転も独特だ。
社長は車線をまたいで走る。

そんな社長の性格は優柔不断。
どっち付かずで決断が遅い。

どちらにも逃げれる場所でギリギリまで見極めようとするのだが、見極めて車線を変えようと思った時には、後続車が横に来て車線を変えられなくなる。

前の会社の経営も同様にして破綻した。

そんな社長の運転にはもう一つ特徴がある。
車線をまたいで運転していても、隣の車線に車が要ると斜線の中に入る。

つまり、プレッシャーを掛けたり、はみ出るスペースを塞いでしまえば車線に収まる。


パターンが分かればコントロールもし易い。

今の会社では、別に名目上の社長とその上には出資者がいる。
会社運営の方向性に疑問を感じたら、名目上の社長と出資者に自分の考えと予測を話して、プレッシャーを与えれば軌道修正される。


車の運転を分析すると、その人の行動の原点が見えて来る。
行動の原点が分かれば、その人との付き合い方も見えて来る。

一つの能力を得る事は、一つの能力を失う事でもあると思う。