最近何かと問題になっている原発再稼動や電力不足を考えてみる。
殊更に安全性と言うが、稼動していないからと言って安全と言う訳ではない。
福島第一原発の事故は、地震や津波で直接原子炉が壊れた訳ではない。
地震や津波で全ての電力供給が止まり、冷却出来なくなった事が原因で、緊急停止には成功している。
つまり、原子炉が停止していても冷却出来ずにメルトダウンやら水蒸気爆発を起こしている。
それは、使用済み核燃料を冷やす冷却プールでも、冷却できなければ温度が上がり同じ事が起きる可能性が有ると言う事でもある。
その使用済み核燃料が冷めるまでには、使用年数と同じ年数が必要だと言う。
それまでは、何処かに移動させる事が出来ない訳だ。
つまり、原子炉が動いていても止まっていても危険のリスクは変わらない訳だ。
危険のリスクが変わらないのに、停止だ再稼動だと騒ぐ事で、根本的なリスクから目を逸らされているのではないのか?
そして、原発が停止状態だから電力不足と言う事で、論点が摺り返られているように思う。
結局、原発は稼動していようが、停止していようが、冷却プールに使用済み核燃料が冷却されている限り原発の存在自体が危険な訳だ。
存在自体が危険と言う認識を持つと、原発の廃止を求める気運が高まるだろう。
しかし、廃止したいからと言って、直ぐ廃止できる物でもない。
廃止するまでは数十年は掛かる。
結局原発を造ってしまった以上、騒いでも直ぐにどうこう出来る問題ではない。
電力不足だとか、停止だとか再稼動だと騒いでいたほうが、どうする事も出来ない潜在的脅威に気付かずに、不安のはけ口がある分ましかもしれない。
そして思う事がある。
原発を再稼動しても、このまま停止するにしても、危険のリスクは変わらないのに、原発停止による電力不足で節電する事に意味があるのだろうか?
経済に与える影響も考えると、代替エネルギーへの転換までの暫定的に原発を使い、代替エネルギーの転換にあわせて原発を止めて行き、最終的には原発を無くして行くのが現実的ではないのだろうか?