娘の職場のチーフがどうやら躁の人らしい。


躁の人が同じ職場にいると色々と大変だ。

娘も転職を考えている。


と言う事で、今回は躁に付いて書こう。


躁病や躁鬱病(双極性障害)は実に厄介な病だ。


その症状はウィキペディアではこう書かれている。


感情障害
気分の異常な高揚
自己の過大評価
他者への干渉

思考障害
観念奔逸(かんねんほんいつ:考えが次から次へと浮かび、話題の方向性が変わる)
錯乱
妄想(誇大妄想、血統妄想、発明妄想、宗教妄想など)

欲動障害
多動・多弁
行為心迫(何か行動しなければと急いている状態)→行為未完成
作業心迫(何か作業しなければと急いている状態)→作業未完成

その他
睡眠障害(早期覚醒、睡眠時間減少、不眠の訴えなし)
食欲・性欲の亢進
錯覚(幻覚なし)
集中力がなくなる



こうして症状として書くと、現実の行動や言動に当てはめ難いかもしれない。


もう少し分かり易く書くとこうなる。


アイデアが次から次へ浮かび、健康感や高揚感、自信にも満ち溢れ、少しの睡眠時間でも平気で、仕事を次から次へこなし、休む間もなく仕事をする。

そしてよく喋る。


こんな状態の人が、自分が病気だとは思えない。


そして、その症状は「才能」と錯覚し易い。


しかしこれ、覚せい剤を飲んで仕事をしているのと同じ状態なのだ。


次から次へ浮かぶアイデアは、言った事がコロコロ変わると言う事でもあり、アイデアと言っても思い付きが多く現実的に無理な事や、誰でも思いつくような事だったりする。



さて、こうした症状がどう言った弊害を生むのか?


娘の職場の事例を書こう。


仕事の指示がコロコロ変わる。

「こうしなさい」と言われた事をしていると「こうしたほうが良い」と言われ、言われたようにすると「教えた通にやってない」と怒られる。


やっている方は、どうして良いのか分からなくなる。


そして「良かれ」と思って仕事をすると、「指示通り」にやってないと怒り、指示されたことしかやらないと「気が利かない」と怒る。


そして言われた方は、何をやっても怒られるので「萎縮」してしまう。


こうなると「あの仕事はやったの」と言われると「やりました」と嘘をつき、その人がいる所から遠ざかる為に適当に仕事を済ませて、直ぐにでも逃げられるようにしたりする。


これは、仕事を続ける人の例だが、新規採用で入って来た人の多くは、直ぐに辞めてしまう。


そしてまた新規採用をする。




娘の話によると、そのチーフは前のチーフの退職により繰り上がりでチーフになった人で、正規にチーフになった人ではないらしい。


その人がチーフになってから、仕事が出来た人は会社を辞めて行ったと言う。


前にも書いたが、躁系の人は帝国を作ろうとする。

恩義を売り、自分に逆らえないようにして行く。


娘もどうやら色々と恩義を売られているようだ。

チーフの推薦で昇格したのは良いが、昇格した途端に態度が急変。

「誰のおかげで」と言う言葉が頻繁に出るようになったと言う。


娘の話によると、「会社の研修」と言う物があり、その研修で教えられるやり方はやり易いが、チーフから言われたやり方はやり難いと言う。


つまりチーフは「我流」を教えていたと言う事なのだろう。


以前のチーフの時を知る人によると、今のチーフになってからの仕事は「雑」だと言う。


まあ、娘が今の仕事を始めてからの話で、そんな事は聞くまでもなく予想していた。

娘から聞かされていたチーフの指示は、何と言うか「手抜きと手数を減らす」の区別が付いていない印象を受けていた。


手抜きと手数を減らすのは違う。

手数を減らすのは立派な技術だが、手抜きは手抜きでしかない。


まあ、そうした所が思い付きなのだろう。


娘も結構悩んでいる。

研修で教えてもらったやり方だと、早くて綺麗。

しかしそのやり方でやると、チーフに怒られる。


チーフのやり方でやると汚くて遅い。

そしてチーフに遅くて汚いと怒られる。


そして「研修で教えてもらったやり方の方が」と言うと、「チーフである私が間違っているって言うの!」と怒られる。



まあ、問題はその人がチーフになってしまったと言う事だ。


休まず働き、次から次へと仕事をする。

こうした多動・多弁と言う症状は、上司から見れば「出来る人」に見える。


また、自己の過大な評価と多弁で、上司に対する売り込み上手い。

その為、出世し易い。


しかし、こうした症状の人と比べられるとたまらない。

「あの人はあんなに頑張っているのに」・・・


しかしそれは「躁の症状」であり、覚せい剤を飲んで仕事をしているのと同じ。

そんな人と同じだけ働けと言う方が無理で、そんな事をすれば過労で倒れる。



また、躁の人は「仕事を抱え込む」傾向もある。

自分で仕事を抱え込んで、全て自分でやろうとする。


それは上司から見れば、能力の高い社員に見える。


しかし、それを「能力が高い」と見る上司は、すでに管理職の器ではなく、躁の人に逆らえなくされる事になる。


仕事を抱え込んで一人でやろうとする。


確かにそれは出来る人ではある。


しかし、一人で仕事を抱え込むと言う事は、他の人が仕事を覚えられないと言う事でもある。


躁系の人は自分を売り込むために他人を悪く言う傾向がある。

躁系の人の仕事量に比べると、悪く言われた人の仕事量は少ないので、もっともに聞えて躁系の人の言う事を信じてしまい、躁系の人を重用してしまう。


こうなると、躁系の人が抜けると仕事が回らなくなってしまい、躁系に人に逆らえなくなってしまう。


また、躁系の人は自分が病気の症状で「多動・多弁」になっているのに気付かない。


その為、「私が出来るのに何であなたは出来ないの」と言う感覚を持つ事になり、それが言動や行動、態度となって表れて、自分と同じ様に仕事をする事を求めようとする。


その為、躁の人が管理職になってしまった場合、部下の鬱病や慢性疲労の罹患率が急増する事になり、会社としては大きな損失となってしまう。



娘は私に転職の相談をして来た。

私は転職には反対はしない。

そして転職までのアドバイスを数点教えた。


まず転職だが、これは「逃げ道」を作ると言う意味がある。

逃げ道を作る事で、精神的な余裕をが生まれ、ストレスは低減される。

転職先を探す為に、求人情報誌を見ているだけでストレスは減る。


逃げ道を作りストレスを低減させて、心に余裕を持たせた上で色々と経験を積ませる。

それは、そうした人への対処法だ。


躁系の人は、力に弱い。

力といっても腕力に限った事ではない。


集団の力、地位的な力、理論的な力などである。


集団の力とは、一人が反論したとする、するとその反論に対して言葉で押さえつけようとする。

その時に、別の誰かが反論に加われば数的優位になり、反論者に数的優位が生まれれば引き下がる傾向がある。

そうした数的有利を繰り返せば、頭ごなしに怒る事はしなくなる傾向が出る。

いや、まず怖がって近寄ってこなくなる。


問題は、躁系の人が帝国を築いていると、躁系の人が数的優位にいる場合が多い。


しかし、辞める覚悟を決めていれば、言いたい事も言い易くなるだろう。


毅然と反論する事もまた力であり、躁系の人は毅然と反論してくる相手にはあまり絡もうとしなくなる傾向がある。

但し、反論する場合は論理的正論を主張する事が必要である。



娘には、こういった人の対処を身を持って経験してもらいたい。


この手の人は、どんな職場にもいる。

ここで対処法を経験していれば今後に役立つだろう。


そして、そうした対処をする事が、ストレスの低減になり、躁系の人の態度の軟化(近寄ってこなくなる)になる事もある。


態度が軟化すれば、辞める必要もなくなる。


こうした話を娘にすると、どうやら心当たりが有ったようだ。

同僚に2人の中国人がいるらしいのだが、その中国人は言うべき事は言う。

そして、口論になるともう一人の中国人が参戦してくる。


その為、チーフはその中国人には何も言わない。


チーフはその中国人が怖いといっていると言う。


まあ、当然と言えば当然。


チーフは感情的な人という。


感情的になっていると言う事は、扁桃体に支配されていると言う事。

それもそのはず、扁桃体は「快」や「不快」を感じる所。

つまり扁桃体が「快」と感じれば、踊りだしたくなるような幸せ感や高揚感を感じ、不快に感じれば攻撃的になる。


その扁桃体に、集団で向かわれると言う怖さを教えてやれば、「闘争か逃走」にしか向かわなくなる。

つまり、少数対多数では勝ち目が無いと判断し、行動は逃走に向かうしかなくなる。


地位が上の人でも同じ事で、自分の立場より相手の立場が上で勝算が無いと判断すれば従順になり、自分の方が力関係が上だと判断すれば攻撃的になる。


そうした力関係の意識が強い故に、帝国を築こうとする。


まあ、獣と同じだと思えば分かり易い。

自分より弱い相手や、逃げる相手には襲いかかるが、目を見て正対する相手には躊躇し、自分より大きかったり、強い相手からは逃げようとする。

そして、狩の成功率を上げるために群れを作る種族もいる。

その種族の一つが人間である。


人間としての脳は大脳新皮質であり、扁桃体は旧皮質である。

下等な生物ほど旧皮質の割合が大きくなる。


つまり、扁桃体に支配されている状態では、獣と言うか動物の本能としての行動に近くなる。


それを理解すれば御し易くなる。








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