夜に家の外で怒鳴り声が聞えた。


向かいの飲食店の前で喧嘩をしている男女がいた。



野次馬根性で屋上から見ようと、屋上に上がり喧嘩を見ていた。


気が付くと、私の横で黒猫も鑑賞、その隣に灰猫も鑑賞、やがて娘も鑑賞しに来た。


何だこの一糸乱れぬ横並び。


喧嘩鑑賞から間もなく、パトカーが駆けつけた。

それまで、一番暴れていた奴は押さえ込まれていたのだが、警官が来て押さえ込んでいた手が離された瞬間、横にいた女性の顔面にパンチが炸裂。


警官の前での女性への顔面攻撃。

これは、現行犯でもはや言い逃れは出来ない。


その様子に刺激されたのか、猫達は飛んで来た蛾に、猫パンチを繰り出し始めた。


警官も来た事だし、部屋に戻ろうと階段を下りると、私の後ろには黒猫、その後ろには娘、その後ろには蛾をくわえた沈黙の灰猫が、一列縦隊で付いて来る。


何だこの一糸乱れぬ縦並び。




黒猫はいつも穏やかな顔で私を見つめている。

その黒猫の顔に変化が・・・


今日の朝の事だ。

少し寒かったので、上着を羽織った。


すると黒猫が、私の腹部に顔を近付け、そして私を見上げた。

その顔は、引きつった笑い顔・・・


もしや・・・


上着の腹部の臭いをかいでみた。

・・・やられていた。


あの引きつった笑い顔は、正しくフレーメン反応。

そして、マーキングする奴はこいつしかいない。


黒猫よ、自分のシッコの臭いでフレーメン反応すんなよ!






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