提携先の探偵業者からの依頼で、たこ焼きの美味しい町に調査に行った。
そうした調査の時は、そこの探偵社の調査員として行く。
そして、同行の社員が契約を済ませてお金を受け取ってから調査開始となる。
先日の依頼者さんは、ちょっと厄介な人だった。
自分の客なら相手に合わせて対応を変えるのだが、その探偵社さんは「あの手の人」の事を知らない。
調査の準備をしていたら、客の意味不明な行動に困惑し、依頼者の「キャンセル」と言う言葉にキレて、依頼者が引き止めても振り切って帰って来た。
まあそりゃ腹も立つわな。
拘束で2時間半藻かけて以来社宅に行き、行ったらキャンセルと言われりゃ腹も立つだろう。
しかもその理由が、意味不明の理由なので、何を言っているのか理解する事は出来ないだろう。
まあ、私から見れば最初からその探偵社が依頼者の地雷を踏んでいるのだが・・・
ハッキリ言って、依頼者は「テレビ監視妄想」で、テレビでほのめかしを受けていると感じている人である。
そして、契約前に「これを見て」と言って、部屋で音を出しながらテレビを見させる。
そして、音を出したらテレビに出ている人の表情が変わると言う。
それを見抜けない業者は必要無いと言う事だ。
しかし、探偵業者さんの方にも問題がある。
私は以前から「止めて欲しい」と頼んでいるトークがある。
それは、私の前にいた発見屋さんのやり方と言うか、トークと言うか。
それは、盗聴を心配祖手いる人は喋る事に恐怖感を持っているから、「テレビを点けて、音量を大きく」、そして「部屋の電気を全て点けてください」と書いた紙を見せる。
ハッキリ言って、これ自体大間違いである。
テレビを点けるというのは音源確保で、部屋の電気を点けるのはスイッチ連動式を稼動させる為。
つまり、両方とも調査の段階で必要な事で、調査を始めるまでは必要がない。
逆に、依頼者に対して不安を与える場合もある。
この依頼者がそうだった。
このやり方を止めてと頼んで、一度はこのやり方を止めた事もあるのだが、チャイムを鳴らして出てくるなり「シー」と言って筆談を始める客が多いので、このやり方に戻してしまった。
テレビを点けるのは、そこから出ている音源として使う物なのでが、その探偵業者さんは、「テレビの音で声がかき消されるので」と説明して、筆談を避ける為に使う。
さて、この依頼者だが、まずい来社宅に行くと、カーテンを締め切り、明かりも点けずに真っ暗、至る所に目隠し用と思われる新聞紙がカーテンのように吊るしてある。
そうした事をしている人は「監視」されていると思い、カメラアングルを遮る為にカーテンやら新聞やらで隠している。
そして、明かりを点けていないのは、カメラに映らなくする為だろう。
そんな人に、明かりを全部点けろと言うのは不信を招くだけでしかない。
私なら部屋を見ただけでそうした事を理解し、それにあわせたトークをする。
そして、私ならテレビではなく「音源」と言い、ステレオかラジオを使う。
その為、装備にはAMラジオも入っているし、筆談用のメモも入っている。
面倒臭くなればパソコンでタイピングと言う手もある。
本来なら、一つの項目の調査毎に不安を解消しながら進めて行く物だ。
しかし、私の客ではないので私がでしゃばる訳には行かないのが辛い所だ。
「自分の部屋で音を出したらテレビの出演者の顔が変わる」
この原理も分かってはいる。
聴覚と視覚は認知に影響をもたらしあう。
恐らく、この人には本当に表情が変わっているように見えているのだろう。
しかし、同じ物を見ていても同じ物が見えている訳ではない。
それが認知の違いである。
この手の人には、調査と実験から切り込み、思っている事が現実には不可能である事を認識させた上で、脳の補完を体験させて、見えている物、聞こえている物は、脳が作り出しているに過ぎない事を身を持って体験させると言う手順を踏まなければ何を言っても聞く耳は持たない。
同じ様なテレビ監視妄想を持っている人の為に、この人の様に「自分の部屋で音を出したら出演者の顔が変わる」と言う事があり得ない理由も書いておこう。
テレビは、リアルタイムであってリアルタイムではない。
この人の様に、音を出した途端に出演者の顔色が変わると言う事は、理論的にあり得ないのだ。
それを分かりやすく説明しよう。
アナログテレビとデジタルテレビでは同じ番組でも数秒のタイムラグがある。
デジタルテレビの方がアナログテレビより5秒程度遅れて映る。
例えば、デジタルテレビを見ている人が、自分の部屋で音を出した瞬間に出演者の顔色が変わるのであれば、それは音を出す数秒前に変わっていると言う事なのだ。
アナログテレビでも実際にはタイムラグがある。
つまり、テレビの生中継と言えども、数秒過去の映像を見ていると言う事であり、自分は数秒未来にいる事になる。
時間軸の異なる世界で、リアルタイムで影響する事はあり得ないのだ。
しかし、探偵社さんの対応も、正解ではある。
そんな物に犯人などいない。
当然、何も出てこない。
最初に不信感を持った依頼者に、何も無いと言っても納得はしないだろう。
その探偵社さんは「やはりお願いします」と言う依頼者の申し出を断り、キャンセル料の受け取りも拒否した。
それも正解。
契約は交わされていないので、もめてから契約させると「強要された」と言われかねない。
何も受け取らず、何もせずに帰ってくるのが後々のトラブルを防止する事になる。
結局、たこ焼きを食べて帰って来た。
まあ、私のように商用のメインサイトで集団ストーカー否定論を扱っている所はまず無い。
アレは一種のスクリーニング。
集団ストーカー否定論をぶち上げておけば、ガチの人は依頼して来ない。
そして全ての自称被害者さんがガチではない。
集ストなる物が、あるのか無いのか疑心暗鬼の状態の人も多い。
そうした人だけ相手にしていた方が良い。
ハッキリ言ってガチな人はご遠慮願いたいのが本音でもある。
集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都