今日、セントラル法律事務所と言う所から「通知書」なる書面が封書で送られて来た・
内容は、名古屋市からの委託で、滞納家賃を支払えと言う物である。
滞納家賃?
市営住宅を出てから、かれこれ10年近くになる。
確かに、市営住宅を出る時には滞納家賃があった。
所属していた会社が倒産して路頭に迷っていた時期の事である。
退去する時に提示された条件は、支払いの目処が立たない以上、保証金を返金しない代わりに滞納家賃を全額免除するから翌月末までに退去すると言う物だった。
何故に、免除されたはずの家賃の請求が、10年近くもしてから請求されるのか?
不思議だ。
その法律事務所からの文面も胡散臭い。
文面はこう書いてあった。
私どもは、市営住宅の滞納家賃等に関する名古屋市の代理人として貴殿に対し、次のとおり通知いたします。
貴殿は、名古屋市市営住宅に入居されておられたところ、滞納家賃等の合計金額金○○○○○○円について、未だお支払いいただいておりません。
つきましては、上記金額を夏期講座に振り込む方法で、本書面到達後10日以内にお支払いください。
中略
お支払いいただけない場合は、やむを得ずに訴訟、執行等の法的措置をとらせていただくことがありますので、予めご承知おきください。
そして、同封されていたのは振り込み依頼表のコピー(A4)。
この通知書を読んで、まず最初にセントラル法律事務所をネットで検索して、電話番号を照合。
とりあえずは一致するので、恐らく本物だろう。
しかし、お電話くださいと書いてある電話番号と、HPや封筒に書いてある電話番号が異なり、文面が胡散臭いのには変わりは無い。
とりあえず、電話してみる事にした。
本来なら、非通知で書けた方が良いのだが、それでは芸が無い。
まずは代表電話に電話した。
そして開口一番「記載してある電話番号は、そちらで使われている電話番号ですか?」と質問した。
すると「こちらで使っております」との答え。
そこで、通知書なる物が来たのですが、これは新手の振り込め詐欺ですか?と質問した。
すると、「いいえ違います、名古屋市からの委託を受けて・・・」との回答。
まあ、当然の答えである。
この文面、何が胡散臭いかと言えば、明細が記されていない。
通常、法律事務所からの物であれば、何処の市営住宅の、何月分の家賃等の上方が記されてしかるべきである。
そうした情報が、一切記されていない。
これは、振り込め詐欺の典型的な書式である。
振り込め詐欺で、そうした明細が書かれていないのは「知らないから」で、電話をかけさせる事で個人情報を取得する。
番号通知で電話をかければ、かけた人の電話番号が取れる。
そして名前を聞けば、その電話番号を使っている人の名前が取れる。
そして、何処の住宅かを聞けば住んでいた住宅の名前が聞ける。
そうした情報を聞き出し、その情報を基に話を作り上げる。
その手口と変わらない。
しかも、滞納家賃を免除する条件で退去しているので、支払いを命じられる筋合いの物でもない。
そこで、懸念されるのは「退去者名簿を使った詐欺」である。
とりあえず、用心の為こちらの名前や市営住宅の名前は一切言わない。
そして、滞納家賃免除の条件で退去している事を告げると、こんな答えが返ってきた。
「市の方では、滞納家賃を免除すると言う規定が無いと言う事なので、市の方へお問い合わせください」
と、市の担当部署の電話番号を教えられた。
その回答が、即答で帰ってくるという事は、同じ条件で出た人からの抗議が多い事を示している。
また、これも振り込め詐欺と同じで、教えられた電話番号が本当に担当部署の物であるとは限らない。
共犯者の電話番号を教えるのも振り込め詐欺の常套手段である。
そこで、教えられた電話番号を検索すると、確かに名古屋の住宅管理課の電話番号ではある。
とりあえず、電話してみた。
そこで、尋ねられたのは、名前と住宅名。
まあ、本物である事はわかっているが、すんなり教えたのでは芸が無い。
そこで「これ、名古屋市の振り込め詐欺ですか?」と質問した上で、「電話をかけさせて個人情報を聞き出すのは、振り込め詐欺の常套手段ですからね~、名前は教えましょう、しかし住宅はそちらで調べてください」と意地悪をしてみた。
まあ、こんな意地悪は「警鐘」の意味を込めているのだが、理解されないだろう。
すると、住宅名を言って来たので話を進める。
とりあえず、滞納家賃の免除の条件で退去した事を告げると、そんな事はありえないと言い出す。
そして、言った言わないという問題に発展するのだが、ちょっと待て。
電話の担当者は、こんな事を言った。
絶対そんな事は言いません。
お前が当時の担当者か?
当時の担当者でもないお前が、言った言わないと言うのはおかしいだろう。
言った言わないを言うのであれば、当時の担当者を出せよ。
すると、当時の担当者はもういませんと言う。
当時の担当者でもないお前が、当時の担当者に確かめてもいないのに、絶対言わないとどうして断言できるの?
免除するからと言う条件で退去させ、10年近くしてからそんな約束は無いから金払えって、やっぱり詐欺じゃん。
で、この金額の根拠は?
と聞くと、色々と内訳を言い、「市の方ではこのようにちゃんと管理してます」と言うのだが・・・
お~い!金額違うぞ~!
どのように計算しても、その金額にならないんだけど。
すると、「その金額を教えていただけないでしょうか」と尋ねて来た。
教えな~い!
ちゃんと管理してるんでしょう。
もし、請求金額より高ければ、水増し請求されても困るし~!
金額がこれだけ違うって事は、ちゃんと管理してないって事じゃん。
その金額の違いが、免除の約束が有った事を裏付けているし~!
担当者は困惑していた。
この請求金額が、私を納得させる物であれば支払っても良いのだが、この担当者の話では到底納得できる物でもない。
私が納得できる理由が一つだけある。
それは、免除の約束を交わした日から退去までの日数である。
退去の約束を交わした日から退去した日までの家賃を日割りで計算すれば、ちょうど請求金額と同じ程度の額になる。
退去の約束には、約束を交わした日までの家賃免除の話はあっても、約束を交わした日から退去するまでの家賃まで免除すると言う約束は無い。
そこを突かれれば、払わない訳には行かないが、わざわざ教えてやるほどお人よしでもない。
そんな事より、こんな書式で送って来る事に問題を感じる。
その書類には「市」としての、信頼性のかけらも無い。
振り込み依頼書をコピーで送るのは止めろよ、せめて赤い普通の振込み依頼書を同封しろよ。
振り込め詐欺と区別のつかない書式は止めろよ、振り込め詐欺の対応策は無視する事だ。
市としての収入源として送付するのに、振り込め詐欺を疑われるような書式で送ってどうするんだ!
委託した法律事務所がこの書類を作ったのであれば、こんな詐欺と区別の付かない書面を作る法律事務所を使っている事にも問題を感じるし、市の指示で行なったのであれば、そこを指摘しない法律事務所に問題を感じる。
そんな法律事務所を使っていれば名古屋市としての信用も落ちるぞ!
経費削減かもしれないが、委託する所をもう少し選べよ!
もし、疑いを持たずに振り込んでしまったら、それこそ振り込め詐欺じゃねーのか?
そうか、名古屋市は過去に免除した滞納家賃を回収する為に、振り込め詐欺の手法を取り入れたって事か!
結局は、名古屋市としては退去後10年で支払い請求が出来なくなるので送ったと言い、10年過ぎれば送らない。
そこで、10年までは請求書を送る、私は支払わない、その関係で退去後10年を迎えようという事になった。
まあ、また担当者が変われば言った言わないになるだろうし、その10年と言うのも10年請求しなければ請求権が無くなると言う類の物だろう。
なので、また担当者が変われば10年以内に送ったと言う事を理由として言って来ることも予想される。
まあそれはその時に考えればよい。
この担当者には話はしてないが、その時の覚書も保管してある。
まあ、何事も手の内は見せない方が、事は有利に運ぶ。
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